鳥海永行の功績(2)/「ガッチャマン」再映像化に寄せて〈その7〉 | アディクトリポート

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これの続きだが、皆(みんな)は、宿題は済ませておいてくれたかな?(エラソー)

鳥海永行は、「ガッチャマン」の最終4話
102話「逆転!チェックメイトX」
103話「死を賭けたG-2号」
104話「魔のブラックホール大作戦」
105話「地球消滅!0002」
で、シリアスなドラマを語り切るには、当初に決めた作品のフォーマットやパターンを見直す必要があった。

一つ目は、各話ごとの鉄獣メカに割り振られている
中間幹部の存在
で、
実際に、放送1年の折り返し点となる、レッドインパルス4連話、
51話「回転獣キャタローラー」
52話「レッドインパルスの秘密」
53話「さらばレッドインパルス」
54話「怒りに燃えたガッチャマン」
の深刻で重厚なドラマを、危うく台無しにしかねないのが、こうした中間幹部の存在だった。

たとえば
↓53話のこいつとか、
$作家集団Addictoe オフィシャルブログ-かんぶ
↑54話のこいつのように、
出て来ただけで
シリアスな雰囲気ぶち壊しの
ふざけたメンツ

は、終盤ではすっかり鳴りを潜め、
103話で、乗っている蛾(が)型の鉄獣メカの模様に準じた、
↓かなり衣装のセンスが向上したこの幹部は、
$作家集団Addictoe オフィシャルブログ-katue
↑正体はベルク・カッツェだったし、
この回までには中間幹部の人員が尽きたのか、
↓その役目を担うのは、ヒゲがいかつい、一般ギャラクター兵。
$作家集団Addictoe オフィシャルブログ-へいし
↑さすがにそれでは…ということなのか、他の兵士とは制服の色が異なる。

二つ目は、
つたない絵柄の駆逐
で、
一見同じように見える
↓53話と、
$作家集団Addictoe オフィシャルブログ-しょうめん
↑1年後の105話のガッチャマンの正面顔だが、後者は顔つきが大人っぽくなっただけでなく、個々の顔のパーツの配置まで絶妙な抑制が効いており、今で言う「作画崩壊」が回避されている。

3つめは
タツノコアクションアニメの完成
で、
53話では中間部にさえ散見される、いくぶん滑稽な動きは、
$作家集団Addictoe オフィシャルブログ-sora
↑なんとなく絵柄が、「装甲騎兵ボトムズ」の塩山紀生っぽい。

最終話ではみじんも残らず
$作家集団Addictoe オフィシャルブログ-oi
セリフや止め絵のクオリティだけでなく、その動き、キャラの身振り手振りや、その場に居合わせているたたずまいまでが、芝居の盛り上げに立派に貢献している

$作家集団Addictoe オフィシャルブログ-tarara

言葉を換えれば、みっともない動きは一掃され、
カッコ良く、優雅な身のこなしだけがフィルムに刻まれ、芝居を立派に成立させた。

$作家集団Addictoe オフィシャルブログ-tate

こうして最終回で一つの究極点に達した鳥海永行は、当然のことながら、続編の「ガッチャマンⅡ」や「ガッチャマンF」には参加しておらず、その意味でもこの2タイトルは、1作目を表層的になぞっただけの、「なんちゃってガッチャマン」だったといえる。

では永行版ガッチャマンの正当な後継作は?
というところで、つづく。