『BRAVE HEARTS 海猿』(2012)〈その2〉/それまくる話(30) | アディクトリポート

アディクトリポート

真実をリポート Addictoe Report

これの続き。

今回、
前作
『THE LAST MESSAGE 海猿』
を観なかったのに、なぜこっちは公開早々に観たのかというと、

とくダネ!」で、
$作家集団Addictoe オフィシャルブログ-だね
小倉智昭が、
「いやあ、おもしろかった」
と感想を述べていたから。

いや、笠井アナの評価や感想なんて、前からアテにしてないけど。

で、観終わっての感想は?

$作家集団Addictoe オフィシャルブログ-ふたり

「…なんやねん、この映画?」

私も観客でいるうちは、
本作の陳腐さに気がつかなかったかも知れないが、
ここ数年は、自分で脚本や物語を書くようになって、
まともな作品をめざす基本は、
自作に批判精神を以(もっ)てあたること
と心得て、
他人にツッコまれる前に、自作にツッコむ姿勢が身についたから、
その姿勢をあてはめて、
本作のいいかげんさに、あきれ果てて笑ってしまった。

では実例を。
名付けて、
『BRAVE HEARTS 海猿』
の七不思議


※ここからネタバレです。
観る前に読まない方がいいですが、
鑑賞前に読んでおくと、
別の意味で楽しめるかも知れません。
(※ただし責任は負いかねます)


〈一つ目〉
$オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-ひとつ
※画像と本文は関係ありません。

飛行機で事故が起きたことを、(たぶん)横浜そごう地下の壁面テレビのニュースで知るカンナ(加藤あい)。
$作家集団Addictoe オフィシャルブログ-sogou
思わず「ミカ(仲里依紗)ちゃん!」
※「ミカちゃん?=疑問符」でないところに注目

なぜ、ミカがその事故機に乗ってると分かる?
航空会社の名前から? 
その会社のスッチーは、ミカちゃん一人しかいねえのかよ?
$作家集団Addictoe オフィシャルブログ-たくさん
↑他にもたくさんいるみたいですね(笑)
そしてこの航空会社は、飛行機をたった1機しか所有せず、したがって一便しか就航していないのか?
国内専門の格安航空会社ならともかく、国際線ですが?

$作家集団Addictoe オフィシャルブログ-あほのこ
頭をけがしても、次のシーンでは包帯が取れているスーパーガキも、なんだかムカつく存在です。
(※個人の感想です)


〈二つ目〉
$作家集団Addictoe オフィシャルブログ-はやい
事故のかなり早い段階から、
$作家集団Addictoe オフィシャルブログ-midasite
取り乱しているCA(キャビンアテンダント)たち。

事故の緊迫感を演出するためだろうけど、乗客に不安を与えないように、
土壇場まで平静を保つのが、スッチーの仕事だろ?
$作家集団Addictoe オフィシャルブログ-おちついて
「落ち着いてください!」
「お前もな!」


〈三つ目〉
着水作戦で、海上に着陸灯を長距離に渡って設置しなければならず、時任三郎からその方法を問われた、
$作家集団Addictoe オフィシャルブログ-ときとう
作戦提案者の仙崎(伊藤英明)の答。
$作家集団Addictoe オフィシャルブログ-こたえ
「あなた(=時任三郎のこと)は、この手の困難を、何度も乗り越えて来たじゃないですか!」

おい! 答になってねえよ!
結局、どうやって着陸灯を海に敷き詰めたのかは描かれず、いつのまにか完成していた…。

〈四つ目〉
$作家集団Addictoe オフィシャルブログ-bannzao
着水の激しい衝撃で、気を失うスッチーと乗客全員。

………。
シートベルトを全員締め、着水は機内の人間に物理的影響を(この時点では)全く与えてないのに、
なぜ全員で一斉に気を失う?
$作家集団Addictoe オフィシャルブログ-いしき
↑そしてほどなく全員、意識を取り戻す…。
だったら前の描写に意味ないじゃん!


〈五つ目〉
$作家集団Addictoe オフィシャルブログ-きゅうじょ
ミカのことを、身を挺して救った吉岡(佐藤隆太)は、
作家集団Addictoe オフィシャルブログ-いひかんけい
沈み行く機体後部と道連れに、水深65メートルの海底に。

吉岡が助かる手段との位置関係も、イマイチ納得できないが、
$作家集団Addictoe オフィシャルブログ-かんがえろ
生存の第一報を聞き、心から安堵する
海上の救助ボートに乗ったままのミカ。

?????????

お前は救助されてから、
どれだけその場に居座ってるんだよ!


最後に救助されたんならなおさら、大事を取って、何をおいても最優先で、陸上に搬送されるんじゃないの?
このゴムボートの救命隊員は、なにやってんの?
任務失格じゃん。
それに他の救助者が(デブな男性まで含めて)、
$作家集団Addictoe オフィシャルブログ-でぶ
みんな大型艇だとか陸に上がってる描写は、なんのためなの?

〈六つ目〉
事故は解決。吉岡は救急車で搬入されるところを、同じく(今頃ようやく)陸揚げされたミカが見つけて駆け寄り、
$作家集団Addictoe オフィシャルブログ-おねがい
自分がなぜ、結婚にためらっていたのかを打ち明ける。

長えよ、このシーン!

ええっと、吉岡は水深65メートルからの生還者で、だからこそ(潜水病の疑いもあるから)大事を取って、救急車で搬送されるんですよね?

それを足止めして、互いにダラダラと長話。
ミカは、命の恩人の吉岡を殺す気なのか?

もうホントにね、ドラマの便利な道具に、災害や事故を使ってるから、こういう陳腐な展開が続出するんですよ。

観客の知性をみくびっているというか、バカにしてるし、実際の事故の犠牲者に失礼ですよね。

〈七つ目〉
そもそも日本の航空機史上、類を見ない大事故が、
作家集団Addictoe オフィシャルブログ-ろっと
なぜ起こったのかが、
作家集団Addictoe オフィシャルブログ-ばくはつ
最後までわからない。

なぜか?

作り手がそこまで考えてないからです。

合わせ技で、映画はもっと良くなるんですけどね。

吉岡とミカの会話は、あんなところでやらずに、
事故から数日後に、入院してる吉岡をミカが訪ねることにして、
その間にニュースのナレーションで、事故原因を説明するとかさ。

生まれてくる子供が男か女かなんて、
$作家集団Addictoe オフィシャルブログ-どうやら
どうでもいいことを取って付けるぐらいなら!

男の裸のケツを見せれば、
誰でも喜ぶと思ったら大間違いなんだよ、ボケ!


〈その3〉につづく。