「蒼きヤマトへの憧憬」に関しては、
↑一度は立体で見てみたい、ヤマト2192(右)
「これは最後までやりとげるべき」という、ありがたいご意見を複数いただきましたこともあり、ここに再開します。
またこの回(2011/1/12)が、
事実上の「蒼きヤマトへの憧憬(37)」となります。
今回は、主砲の後編。
前編
中編
ポイントは二つ。
一つ目はバーベットと呼ばれる砲台構造で、
上甲板に突き出した円筒形の装甲部。
ヤマト主砲と副砲のバーベットは、一般的な円筒状でなく、
↑左から順に、第一主砲、第二主砲、第一副砲
上方がすぼまっている、円錐状(断面が台形)である。
↑左から順に、第二副砲、第三主砲
また図面からは全くそういう配慮はうかがえないが、
2000~01年頃に、松本零士先生に直接うかがった際には、
このバーベットは敵に狙われやすいので、極力露出を避けるべき
とのことだった。
二つ目は、後部甲板にある、第三主砲に限った話。
設定後面図では巧妙にごまかされているが、
上部射出口(赤で図示された部分)から艦載機が出ようとしても、
横に大きく張り出した第三主砲の測距儀が、行く手をふさいでしまうことになる。
↑バンダイ旧1/700改造のホビージャパン誌(2010)の作例
↓バンダイ1/350大改造の、電撃ホビー特別号(2007)の作例
これを解決するには、測距儀の根もとに可動軸を設けて、跳ね上げ式にすればよい。
主砲の設定画には、アニメ用に線を減らした、肩が垂直に裁ち落とされた決定稿と、
『ヤマトよ永遠に』(1980)で板橋克己が決定稿に復活させた、肩面が一つ増えた斜め裁ち落としバージョンがあるが、
どちらでも上図のように、測距儀を跳ね上げさせるのは、そう難しいことではない。
で、こういう可動部をヤマトの各所に盛り込めば、時期や描き手によって相矛盾するヤマトの姿にも、論理的な説明をつけられることに気がついた。
なので今後、「ヤマト可動・変形プロジェクト」も展開するかもしれません。
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