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昨日の続き。
いわゆる善意の寄付の総称、タイガーマスク運動は、
「肝っ玉かあさん」（1968～72）とか、
↑1971年４月のTBS広告。
↑TVガイドの表紙撮影と同じ場所で撮られたと思われる。
↑これはさすがに特撮ステージで撮ったんでしょうが
（当時のTVガイドの表紙はこちらで）
「クレヨンしんちゃん」を名乗る人まで現れて、
すっかりカオス状態。
もはや、伊達直人以外の、どの名前を思いつくかに主眼が移ってる感じがして、本旨がどこかにすっ飛んでいる気も。
なので、このブログも、伊達直人から、どれだけそれまくれるかに挑戦してみます。
今回のお題は、ここでも少し触れたが、
なんで、辻なおきの原作では、
下ぶくれでパッチリお目々の、お子ちゃま顔だった伊達直人が、
アニメ「タイガーマスク」（1969年10月2日-1971年9月30日）では、
こういう顔つきになったのか、について。
端的に言えば、これは東映動画の、タツノコプロ（当時は漢字かな混じりの「竜の子プロダクション」）への対策だったと思われる。
テレビアニメ黎明期には、製作会社によって、さほど絵柄に大差なかったが、
「宇宙エース」（竜の子プロダクション 1965年5月8日-1966年4月28日）
「レインボー戦隊ロビン」（東映動画 1966年4月23日-1967年3月24日）
「紅三四郎」（1969年4月2日から1969年9月24日）の、
劇画調の作画・動画クオリティの飛躍度は、東映動画には脅威で、
「ウチでもああいう絵でアニメがやれないか」という話になり、
東映の作画陣でもうまかった小松原一男らによって、「三四郎」終了直後の、1969年10月2日から1971年9月30日までの「タイガーマスク」で実現される。
※私の勝手な憶測で、裏付けの文献はありませんので、念のため。
だから、紅三四郎の顔つきが、そのまま伊達直人にコピペされている。
＊面長のりんかく
＊男性らしい太い眉毛
＊短径くさび形をした目の輪郭線の一部を、中央寄りと外下側で、描き込まずに空ける。
＊まつげの位置と形
----と、ことごとく同じ。
まあでも、みようみまねで同じように描いたって、伊達直人の目は死んでるし、タツノコに本気を出されちゃあ、とても東映動画じゃ太刀打ちできなかったんですけどね。
↑1:40あたりからの、本編動画の見事さに注目。
男性キャラがはつらつと生きていて、
女性キャラが魅力的で、子供番組には不必要に、しっとりとエロい。
↑こういう絵は、描けといわれて描けるもんじゃないよね。
昔だったら、↓五十嵐じゅん（現・淳子／1970年デビュー）とか、
今で言えば、↓ちょっと前の中野美奈子っぽい？
あるいは時期と、見ようによっては、臼田あさ美？
だいたい、タツノコの顔（特に目）の描き方は、「紅三四郎」でいきなりではなく、
「宇宙エース」だって、
「マッハGO GO GO」（1967年4月2日-1968年3月31日）だって、すでにこう描いていた。
のみならず、「科学忍者隊ガッチャマン」（1972年10月1日-1974年9月29日）の初期話では、このスタイルが踏襲されている。
やがて宮本貞雄、二宮常雄らの台頭で、目は輪郭線で全周を囲い、目頭を描き込む形に改められていき、
↓「破裏拳ポリマー」（1974年10月4日-1975年3月28日）や、
↓「宇宙の騎士テッカマン」（1975年7月2日-12月24日）にも引き継がれて行く。
んで、本家タツノコはともかく、マネっこ東映動画での、伊達直人の資産はその後どうなったかというと、小松原一男は、「ゲッターロボ」（1974年4月4日-1975年5月8日）、「ゲッターロボＧ」（1975年5月15日-1976年3月25日）の、流竜馬に引き継いだ。
シングル盤のジャケットは、このための描き下ろし。
流竜馬の絵柄は、設定画を引き写したもの。
↑必ずしも小松原一男自身が描いたわけではないにせよ、
↓とにかくアニメ版の流竜馬の面長の顔と特徴的な目つきは、
石川賢の原作のマンガの丸顔なそれとは、
似ても似つかない。
ほんと、↓これの一体どこがどうなると、
↓こうなるのか？
↑右の素顔は、「ゲッターロボＧ」用の設定画。
理由は、ただ一つしか思い浮かばない。
というわけで、今回の「タイガーマスク運動」という出来事をきっかけに、伊達直人について常々考えていたことを発表する機会になって、よかったです。
ありがとう、伊達直人！
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