学年誌という活躍舞台(4)/内山まもるのウルトラマン〈レオ前編・19〉 | アディクトリポート

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枠外コピーにつっこむシリーズ第4弾
ウルトラマンレオ
$オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-れお
$オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-reo

一応、こちらも再チェック。

「ウルトラマンレオ」は第2ウルトラシリーズ最終作でもあり、人気も下り坂だったため、内山まもるの学年誌マンガでも、それまでのような増刊号が存在しない。

そのかわり……でもないが、この1974年度は「小学二年生」と「小学三年生」を兼任。
オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-yokohiaki
「同じ人が、同じ仕事場で、基本的に同じ話を2誌に分けて描く(書く)」
この混乱を避け、2つの区別をつけるためか、
↑コマ数と横枠の幅が、意図的に変えられている。
左が「小二」、右が「小三」

ただし「小二」での横幅増しは、「レオ」からでなく、「タロウ」の終盤から段階的に行われている。
$オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-tadasi
↑左から「小二」74年1月号、2月号、3月号

そのため前73年に内山版「タロウ」を読んでいた、その時点の小学2年生の読者は、そのまま3年生に進級しても、内山ウルトラまんがに接することができた。

というわけで、今回は、枠外コピーについても、「小二」「小三」で別々に分析しないとならない。

「小学二年生」版レオ
$オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-shouni
1話 5/17
2話 7/17
3話 5/13
4話 3/15
5話 2/15
6話 4/15
7話 3/13
8話 3/11
9話 3/13
10話 3/11
11話 2/11
12話 2/11

37/145=25.5パーセント

「小学三年生」版レオ
オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-shousann2
1話 7/21
2話 4/15
3話 6/19
4話 6/15
5話 4/19
6話 7/17
7話 5/17
8話 3/11
9話 2/11
10話 2/11
11話 3/11
12話 5/13


47/159=29.56パーセント。

この年に描かれたウルトラまんがの総ページ数は、
304ページで、第2シリーズ(1971~75)中、第2位。

1位 「ウルトラマンタロウ」421ページ
3位「帰ってきたウルトラマン」総227ページ
4位「ウルトラマンエース」総225ページ

枠外コピーの占める割合は、84/304=27.63パーセント

「帰ってきたウルトラマン」は32/154で、
20.8パーセント。

「ウルトラマンエース」は46/165で、
27.8パーセント。

「タロウ」の「小二」版では51/232で、
21.98パーセント。

ということで、ややこしいが、枠外コピーの割合は、
レオ「小三」版が1位、
「エース」が2位、
レオ「小二」版が3位……となり、
レオ総合だと、
1位「エース」、
2位「レオ」……となる。

では中身。
「小二」版は無難な仕上がりで、あまりツッコミどころがない。

時代遅れや、他で見かけない言い回しが散見されるぐらい。
$オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-shouni
オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-appu
「お待ちかね」という言い方は廃れましたよねえ。
少なくとも小学二年生は、もう使わない。

オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-set2
オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-set
↑出撃は「しゅつげき」であって、「しつげき」ではない気がするが……
タロウまでのウルトラ6兄弟に、レオとアストラを加えたウルトラ8兄弟(八兄弟)という呼び名は、全く定着しなかった。
タロウが失踪?して数が8人そろわなかったり、80(エイティ)を何番目の兄弟にするべきか等、色々ややこしい問題があったからかも。

それよりもこの頃になると、「ウルトラマン~」のタイトルは、もはや落ち目のテレビ番組を意味するよりも、「かっこよくてウルトラファミリー総出演でスケールが大きくて、人気も勝っている」内山マンガのことを意味し始めてもいたので、誌面でもウルトラマンのタイトルよりも、内山まもるの名前に頼る割合が増えている。
オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-tokkunn
$オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-taitoru
↑第2話から始まった、内山先生のお言葉

2回目は、精神論や根性論より、マンガを書く(描く)際の苦労話の披露に変わっている。
オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-247
オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-bana-
バイクが出てくるのは、もちろん人気を完全に持って行かれた「仮面ライダー」(同時期に放映されていたのは「X」)シリーズの影響。

3回目は、こんな具合(画像は省略します)
$オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-maguma
↑あくまでも健全な精神を正しく説く!

だがこの欄外の「言葉」「話」の効果が疑問視されたのか、
4回目?は、↓このような色紙プレゼントに。
$オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-プレゼント
「面白かったコマ」というモニター方法はどうかと思うが、とにかくこのコーナーはこれで終了してしまう。

こうした様々なテコ入れ対策にもかかわらず、「レオ」の人気は回復せず、これにてテレビ第2期ウルトラシリーズと、小学館の学年誌のコラボ体制は終了。

しかしこの当時の「小学三年生」では、内山ウルトラワールドを継続させる体制を整え、
$オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-saigo
$オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-guuuu
3月で小2を終える読者を待ち受けていた。


というわけで、その「小三」については後編で。

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