砲台(その1)/蒼きヤマトへの憧憬〈18〉 | アディクトリポート

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レギュラーで行っていたヤマト原初形態の解析が、超絶資料てんこ盛りの海外サイト発見に伴い、都合4回中断したので、今回から元のペースに戻します。

で、今回は砲台の部分。

オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-きそ
まず↑有名な設定側面図の、
↓この周辺を見てみると、
オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-きそく
Aの線は垂直でなく、若干前方に傾いている。
Bの線はこの箇所の面構成に沿って曲折している。
Cの線も垂直ではなく、わずかに後方に傾いている。
Dにはかすかな切れ込みのような線がある。

だが側面図だけでは、ここの構造は読み取り切れないので、上面図とも併せて判断するしかない。
$オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-はばば
↑わかりやすく砲台のエッジを色分け。
前部(第一副砲あたり)の幅がうんと狭く、それに対して後方は大きくエラが張っていて、船体幅ほぼギリギリいっぱいまで広がっているのが読み取れる。

↓ついで……といってはなんだが、そのすぐ上の構造、煙突ミサイル周りや、後方展望ドーム近辺の構造境界を示した色分け。(レーダーから前方は読み取れないので省略)
$オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-うえでっき

この、「前は幅が狭くて後ろは広い」構造をしっかり画で示した例は少なく、あっても細部がごまかされていることが多い。
また、Aの赤線部分やDの黄線部分は、その部分の「崖(と便宜的に呼ぶ)」の角度の違いを示しているのだが、(そしてその違いは、本来側面図では表現不可能なのだが)これまたきちんと図示した例は、たいへんに少ない。

さしもの〈超優等生的〉な、「ヤマト大図鑑」の「大図解」(ややこしい)でさえも、
$オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-ぜんたい
$オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-あっぷ
Aの部分はともかく、BとC、Dに関しては、まるでごまかされている。

これはなぜかというと、この絵の元になったとおぼしき宮武バージョンでも、やっぱりごまかされていて、正直どう描きあらわしていいのか、わからなかったんだと思う。
$オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-みやたけ
↑比較しやすいように、左右を反転しています。

この修正に果敢に挑戦した、ひおあきらの画が(誰も注目してなかったけど)、「完結編」(1983)までは、一番完成度が高かった。
$オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-hiocchi
↑画によって角度や面取りが違うのは残念だが、設定図面の精神に忠実であろうという真摯な姿勢がすばらしい!
とにかくあるべき線が、あるべき場所にしっかり存在している。

平面でこの、崖の角度の違いに気づいた人は、私が把握した限り、あと二人だけ。
(他にもいたら、ゴメンなさい!)

一人はテレビ「ヤマト2」から参加のメカデザイナー板橋克己で、「永遠に」の時に、
↓このアングルからのヤマト(位置づけはラフ稿)を描き、
$オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-rafu
$オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-katumikuro
↑黄色い線の下をふくらませて、側面図D線のニュアンスまでしっかり表現している。

もう一人は、「復活篇」(2009)の副監督の小林誠。
準備のために1993年4月に描かれた、
この↓コンセプトスケッチでは、
$オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-せんたい
$オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-ほほ
↑砲台前後での横幅の違いは明確に、傾斜角についてはビミョーに描き込まれている。

そのため、小林氏が監修した〈復活篇〉のCGヤマトは、
オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-gure
↑この1枚のために、「グレートメカニックDX11」(双葉社MOOK)を買ってしまいましたとさ!
きちんと前後の幅と角度の違いが表現されている。
オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-popop

というわけで、次回はこれらの要素を再現した立体モデルについて。

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