LFL訴訟の行方(4)ウォーカー裁判〈前編〉 | アディクトリポート

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ネットは便利。
以前は「そう言えば、あの件ってどうなったの?」と、疑問のままで終わっていたことが、たいてい突きとめられる。
もっとも、記事を鵜呑みにせず、独自の分析や判断が欠かせないのは、別にネットに限ったことじゃないけど。

ウォーカー裁判の発端は、たしか1983年、つまり『ジェダイの復讐(帰還)』(1983)公開後に、銀座の洋書屋イエナで立ち読みした、アメリカ本国版スターログの、この記事だった。

オレにやらせろ! 作家浪人Addicto救出プロジェクト-ウォーカースターログ

この時のショックは、けっこう大きかった。

これまでも何度も述べてきたように、ルーカスの『アメリカン・グラフィティ』(1973)に大して感心しなかった(ここが大事!)私は、『スター・ウォーズ』(1977)の変貌ぶりに、「こりゃあ、ルーカスの功績じゃねえな」とにらんでいたので、すぐにマクォーリーのポートフォリオや、
オレにやらせろ! 作家浪人Addicto救出プロジェクト-ポートフォリオ

ジョンストンのスケッチブック(両方とも別タイトルでバンダイ出版から邦訳版が出てた)のおかげで、
オレにやらせろ! 作家浪人Addicto救出プロジェクト-スケッチ

ビジュアルはルーカスよりも、優秀なデザイナーやアーティストに負うところが大きいとわかっていた。

今の若い人、つまりSWの入り口が新三部作だった人達には考えられないことだけど、
「ルーカス(「監督」ですらなかったしね)のSW」じゃなくて、
「マクォーリーの(与えた外観をまとった)SW」だとか、
「ジョンストンの(かっこいいデザインのメカが登場する)SW」だとかに心酔する人も多かった。

キャラの人気は、それほどでもなかった。
予算の都合もあって、無名の新人で構成された主役トリオも、
オレにやらせろ! 作家浪人Addicto救出プロジェクト-トリオ

ルーク(マーク・ハミル)は貧弱だし、
オレにやらせろ! 作家浪人Addicto救出プロジェクト-ルーク

レイア姫(キャリー・フィッシャー)はブスだし、
オレにやらせろ! 作家浪人Addicto救出プロジェクト-レイア

ハン・ソロ(ハリソン・フォード)の魅力なんて、当時の男子高校生には、わかるはずもなく。
オレにやらせろ! 作家浪人Addicto救出プロジェクト-ハン・ソロ

だから当時のSWファンって、みんな男の子で、だいたいは登場メカのファンで、その熱意はプラモデルに向けられてるのが、一番当たり前だった。

だって衣装やマスクは謎の部分が多かったし(鮮明な写真がほとんど公開されなかった)、だからコスプレなんかなかったし、実物大セットは思いの外チャチくて、再現するスペースも意義もなかったし。

↓当時は知るよしもなく、最近ようやく公表された、Xウイングのコクピット内撮影の様子。
オレにやらせろ! 作家浪人Addicto救出プロジェクト-コクピット
↓なんとレッドリーダーは、サンダル履きで撮影に臨んでた!
オレにやらせろ! 作家浪人Addicto救出プロジェクト-レッドリーダー


それに比べて撮影用モデルは、劇中ではスピード感あふれる演出のために、大半がブレて写っていたにせよ、細かな部分まで異様に良くできていた。

それともう一つ、見過ごされがちなことだけど、こと登場メカのファンやマニアでいる限り、映画『スター・ウォーズ』のセリフが英語であることなんか、おかまいなしでいられた。
だって画面や資料写真は、英語なんかわからなくても「見ればたちまちわかる」ものなので、そこらへんのアメリカ人なんかより、よほど撮影モデルに流用されたプラモデルのパーツに詳しかったり、細部の形状に精通している日本人のマニアがたくさんいて、そう言う人達は模型誌にこそ集っていた(=他に集う場所がなかった)。

そんなわけで、スター・ウォーズといえば、若者向けファッショントレンド誌「ポパイ」や、SF映画専門誌「スターログ」よりも、実は模型誌「ホビージャパン」だった世代っていうのが存在する。

↓当時は御法度の、キャラものを表紙にするという大英断の78年8月号以来、
オレにやらせろ! 作家浪人Addicto救出プロジェクト-ホビジャ
↓ホビージャパン誌は、1983年には3号連続でSWを表紙に持ってくるほどの、気合いの入れようだった。
オレにやらせろ! 作家浪人Addicto救出プロジェクト-3月連続

とまあ、話は逸れまくったが、私もSWメカの魅力に取り憑かれた男で、
父と子の相克や葛藤とかは、正直いってどうでもよかったというか、そっちはオマケみたいなもんだった。

1作目のユニークでイカした宇宙船の数々。
2作目にがっかりしなかったのは、1作目に勝る魅力的なメカが登場したからで、新機軸はウォーカーだった。
やっぱりジョンストンはサイコーだぜ!
と思ったのに、盗作だったなんて。

同じ記事は、スターログ日本版ではなく、「パノラマシティ」という学研の短命な映画雑誌の、84年1月号に掲載された。
↓家のどこかに眠っているはずが見つからないので、しかたなく最近ヤフオクで買い直しました。
オレにやらせろ! 作家浪人Addicto救出プロジェクト-パノラマ
オレにやらせろ! 作家浪人Addicto救出プロジェクト-記事
オレにやらせろ! 作家浪人Addicto救出プロジェクト-スカウト孤独



私の目からすれば、これは原告(訴えを起こした人)のサイラーのイチャモンではなく、完全にルーカス側の盗作だと、すぐにピンと来た。
なぜなら……

この続きは、また今度!