社員が許可なく勝手に残業しているときは?
たとえば、会社が指示をしていないのに社員の判断で残業をしているとします。上司はその残業を黙認し続けたとしましょう。その残業時間の手当は支払う必要があるのでしょうか?
そもそも労働時間とは、「会社に管理されている時間」+「従業員が労働している時間」と定義されます。「会社に管理されている時間」とは、「会社から指示を受けている時間」だけでなく「社内で仕事をしている時間」も含むと考えられますので、社内で勝手に残業している時間は労働時間と判断されるケースが多いようです。
少し話は逸れますが、社員の判断で仕事を持ち帰って自宅で仕事を行う時間は残業時間に当たるのでしょうか?会社から特段の指示をしていないならば残業時間とならないでしょうが、会社から自宅で仕事をしてくるよう特段の指示をした場合は、「会社に管理されている時間」と判断される可能性がでてきます。
ここで、「徳洲会事件(大阪地裁平15年2月)」の判例をご紹介します。病院の事務職員が、病院から指示を受けず残業した時間分の未払い残業代を請求したのですが、結果、未払い残業代全額を支払うよう病院に命じる判決が下されました。
病院側の全面敗訴ともいえるその判決の理由は、「その事務職員には遅れの許されない期日の迫った業務があったこと」、「病院が残業を黙認していたこと」です。
つまり、会社からの指示がなくとも、会社その残業を放置し黙認し続けると労働時間と判断されるということなのです。
むろん、必要な残業にはきちんと残業代を支払うべきです。しかし、業務効率を向上させないままダラダラと残業を繰り返すようなケースでは、社内の業務フローを見直し業務効率の向上を図りつつ、残業の必要性があれば「上司から残業の指示をする」か「部下から上司に残業の許可申請を出す」のいずれかしか認めないようにするべきです。この点をきちんとしなければなりません。
結論として、残業許可申請制を採用しても申請なく残業している社員がいた場合は、会社から注意を与えなければなりません。注意を与えない場合は会社が黙認しているものと見なされ得るからです。そして、注意を与える都度その記録をきちんと残しておきましょう。注意をしても繰り返す場合は、書面による警告を与えましょう。
仕事が遅く残業時間が短期ではなかなか減らないケースも当然にあると思われます。その場合は、残業を認めつつ、仕事が早い社員とは賞与査定や能力査定で差をつけ調整すれば良いでしょう。
小中学校広がるスマホ制限 「長時間使用は異常」「帰宅時安全確保は」首長賛否
久々に教育記事を取り上げます。
産経新聞 4月21日(月)より引用
小・中学生のスマートフォン(高機能携帯電話)や携帯電話の使用を制限する試みが全国的に始まっている。愛知県刈谷市が4月から午後9時以降の使用を禁止するよう各家庭に要請したのを皮切りに、横浜市や仙台市でも使用制限を呼びかけている。無料通信アプリLINE(ライン)などを使ったトラブルや生活習慣の乱れを避けるのがねらいで、他の自治体も関心を寄せている。
刈谷市では市内全21校の小、中学校が保護者と連携して、(1)必要のないスマホや携帯電話を持たせない(2)有害サイトを閲覧制限する「フィルタリング」サービスを受ける(3)午後9時以降は親が預かる-などを学校とPTAの連名で各家庭に要請。新年度から始めた。
文部科学省の担当者は「地域で一律に使用時間の制限まで設ける試みは珍しい」としているが、同様の“呼びかけ”が各地に波及している。
横浜市は全市立学校の保護者向けに、(1)家族のいるところで使う(2)食事時は使わない(3)夜9時以降のメールはやめる-ことを明記したリーフレット32万部を配布。仙台市も「スマホや携帯電話でメール、インターネット、ゲームなどをする時間が長いほど成績は悪くなっている」とする東北大学の研究者などの調査をもとに「1日1時間以内」と呼びかけている。
埼玉県では5月以降、一部の県立高校をモデル校として、生徒を中心にスマホ使用のルール作りを行うことを決めた。
一方で「あるものを『使わせない』という指導は難しいのではないか。トラブルを回避できるかは子供たちの自律にかかっている」(水戸市教委教育総合研究所の担当者)と、実効性に懐疑的な見方もある。
首長の反応もさまざまだ。群馬県の大沢正明知事は「使用時間が1日5、6時間という子供もおり異常だ。学校だけの問題ではない。家庭と連携したい」とし、茨城県の橋本昌知事も「(刈谷市の)成果が表れれば市町村教委と一緒に弊害防止に努める」と前向きにとらえる。
だが、埼玉県の上田清司知事は「禁止は現実的ではない。良い物を学ぶ手段とすることが大事」と規制には否定的。新潟県の泉田裕彦知事も「夜間における塾帰りの安全確保から、行政側が一律に制限を課すのはどうか」と指摘する。
関心の高いテーマだけに、今後も各地で議論が活発化しそうだ
引用ここまで。
スマホと上手なお付き合いができる子どもって果たしてどのくらいいるのでしょうか?
教育という切り口で考えた場合、スマホは子どもにとって「成績を下げる確率を高める害悪以外の何物でもないもの」のようにしか私には思えませんが。
教える現場にいらっしゃる方々、どう思われますか?
残業命令を社員が承諾しなかったら?
会社は、就業規則や労働契約で定めていれば、終業時刻を過ぎても1日8時間以内の場合は割増賃金や労使協定なしで残業を命じることができます。しかし、1日8時間を超えた場合は労使協定が必要で、そして当然に割増賃金を適用した時間外手当を支払わなければなりません。
この場合の労使協定は「三六協定」と言われるもので、労使間で時間外・休日労働の上限の取り決めを書面で結び、管轄の労基署に届け出なければなりません。この手続きを行わずに8時間を超える労働を行わせたならば労基法違反となります。
さて、就業規則や労働契約で時間外勤務があることを明記し、三六協定を締結して労基署に届けていれば、社員に対し残業を命じることができるのですが、社員は残業命令を拒むことはできるのでしょうか?
社員は、正当な理由がなければ残業命令を拒むことはできず、拒んだ場合は就業規則に定めがあれば懲戒処分に該当すると考えられます。
正当な理由とは、第三者から見て明らかにやむを得ないとされるもので、たとえば家族の病気・ケガなどのアクシデントがあったとか、インフルエンザに罹患したなどです。飲み会があるなどの理由は、正当な理由と考えにくいでしょう。
むろん、その残業命令が無意味で不合理なものであれば、そもそも残業命令を出す根拠が弱くなりますので、まずは残業を減らす努力を会社が行っていることが大前提となります。
そして、実際に残業命令に従わない社員がいたとしても、まずは事情を確認し、残業の必要性を説明する必要があるでしょう。その上で、個々に処置を判断すべきです。
社員の退社後のアルバイトを禁止するには
会社と社員との個々の契約において、副業を禁止してはいけないなどという法律はありません。それでも多くの企業が副業を禁止しているのは、「副業をすることで本来の業務に悪影響が出る」おそれがあるからです。仮に、副業による疲労で業務ミスが目立つならば、それは社員が健全な労務を提供する義務を果たせていないことになります。
この点から、多くの企業では就業規則やその他の規定で副業を禁止しています。具体的な規定が無くとも、現に業務に悪影響が出ているならば、「労務提供義務に違反している」点を指摘してアルバイトを禁止することも可能です。
しかし、逆に言えば「健全な労務提供に差し障りがない」程度ならば、社員にはプライベートの時間を自由に過ごす権利があるとも言えます。また、最近ではITを利用したインターネットショップなどの副業も増えていますから、有無を言わさず就業規則で副業を禁止することが必ずしもベターとは言えない時代になってきているかもしれません。
結論としては、副業は業務に差し障りがない程度で行うことを前提とした届出制にすることもひとつの選択肢ではないでしょうか。