動画制作についていろいろ調べていくと、レンズについて動画用と写真(静止画)用の違いについて知ることになる。
動画用のレンズ28mmぐらいまでの広角、超広角に分類されるレンズが、『動画向き』という触れ込みで紹介されている。むしろ、広角、超広角レンズが動画制作における”標準”であるようだ。それに対して、写真(静止画)の標準レンズは40〜55mmぐらいの焦点距離のレンズを呼ぶ。
なぜこのような差があるのだろうか。
先日のキャンプの際、朝のコーヒーを淹れて飲む場面の動画を撮影したが、その際、α6400のキットレンズ、ソニー16-50mm f3.5-5.6を広角側の16mmで適当に撮影したのが違和感を感じなかった。16mmの超広角(35mm換算で24mm)では自分自身やコーヒーポットに焦点を合わせた上で、周囲の木々などが自然かつ良い感じで映り込んでいて、なんだかなるほど。動画作成では周囲にあるものも入れ込んで、映したいもの、被写体との位置関係を含んだほうが自然になるのだ、ということを窺い知った。
ところで、
サードパーティー、つまり純正以外のメーカーが出すレンズはここ数年飛躍的によくなったと思う。ひと昔前はサードパーティーのレンズは純正レンズが高くて買えないという理由か、カメラを買うときに取り合えずすぐに使うために抱き合わせで売られていたようなものだったが、最近は純正以外でも第一選択肢として選ぶ場合が増えている。
Sigma 19mm F/2.8 ARTというレンズ。このレンズはソニーのNEXに適合する。ARTと名付けられているが、アート向けのレンズということ、しかも純正レンズに比べて安い、にもかかわらず、そのレンズの外観が斬新でそこそこ人気があった。2013年に発売だったそうだが、当時はまだE-mountのカメラを持っていなかったのだが、それでも、光沢のあるレンズの筺筒という斬新なデザインで、しかもかなり安かったので印象には残っていた。
時は流れて、あれから10年経過した今、そのレンズは中古では100ドル以下で入手できる。今では16mm f/1.4があり、そのレンズも新品で400ドル程度なので16mm f2.8はさらに中古で安くなったのだろう。
YouTubeでこの19mm f2.8で作った動画を探してみたところ、純正のGレンズやZeissレンズよりはシャープではなく、むしろ、シャープすぎない点がフィルム的というかアナログ的でいい味を出している。
動画用に16mm f1.4を入手しようかとも考えたが、19mm f2.8は安いやん?って思うと同時に、超広角、広角にf1.4というf値は重要か?f2.8で十分じゃね?ということで19mm f2.8 ARTを入手した。
残念ながら、f2.8の開放絞りでは、焦点を合わせたあたりでもふにゃっとした感じの写りになり決してシャープとはいえない。f3.5まで絞るとようやくシャキッとしてくる。
良くいえば、シャープすぎずひと昔前のような写りになる。チープなコンデジのような写りとでもいうのだろうか。写真をメインにする場合にはおすすめしない。動画なら印象的になるんだろうな。
ね、この画像もf2.8の開放だが拡大していただいたらわかるが、どこにフォーカスが合っているのだろうかとわからないぐらいふわりとしてるでしょ。でも、動画だったらこれぐらいでええんかな。
せっかく買ったのだからα6400につけてこれで動画を録ってみよう。