日本語教育能力検定試験【振り返り:その8】ヒューマン〜「攻略ガイド(=赤本)」との付き合い方 | カキオクキオク 〜おうち珈琲愛好家 「アダチマ」の日記です〜

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こんにちは。アダチマです。
 
先日、受験した日本語教育能力検定試験について、ずっと振り返りをしているのですが、今日は、必読参考書とされている、
 
・ヒューマンアカデミー著「日本語教育能力検定試験 完全攻略ガイド 第4版」
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について書きたいと思います。試験会場で周りを見回しても、多くの人が持参していました。
 
「完全攻略」の名の通り、出題分野を広くカバーしていて、巻末に索引や文献リストもあり便利なのですが、かなりのボリューム。日々持ち歩くには重すぎるので、私は入手してすぐに、背表紙を割いて3つに分冊してしまいました。
 
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そして、
・1冊目:第1部
・2冊目:第2〜5部
・3冊目:第6、7部
の順に、各章の最重要項目「★★★」を中心に、流し読み。その後、章末の確認問題や合格問題集を解いていきました。
 
最後の1週間は、索引を見ながら、順に各ページをおさらい。分冊すると軽くていいのですが、1冊目と2冊目を持ち歩いているときに、索引が手元にないのは不便でした。索引だけはコピーを取って、別冊にしても良かったかなと思います。
 
その他、便利だったのは、Web版の特設サイト「Web資料集」との併用ができること。この「Web資料集」は、参考書内の各ページの関連サイトへのリンク集になっていて、移動中の電車内などでスマホで読みました。特に、「第2部」「第5部」は、各省庁のホームページなどで最新情報を見たり、ネット上の学習用コンテンツなどに実際にアクセするのに重宝しました。
 
逆に、第6部の音声問題を収録したCDは、聞き流しはしていましたが、あまり理解は深まりませんでした。
 
第7部の「記述問題」の章は、原稿用紙の使い方や、接続詞についておさらいするのに、いいと思います。
 
記述問題は、まる1日の試験の最後の最後に取り組む問題。そもそも、
・残り時間(30分は欲しい)
・気力(周りを気にせず集中!)、論点を決める潔さ
・体力、400文字を書ききる握力
なんかが必要なので、日頃の基礎力がモノを言うというか、直前対策ではどうしようもないのですが。
 
私の持論としては、記述問題対策に何か特別なことをする、というよりも試験Ⅲの前半をスムーズに解いて、余力を持って記述問題にかかることが大切かな、と。また、論述に際して必ず触れるべきキーワードが提示されるので、やはり用語集に目を通したり、「Web資料集」から各サイトへアクセスして、日頃から最近の動向などをしておくことも対策の一つかな、と思いました。
 
その他、当日と同じ体裁の原稿用紙が”赤本”にも収録されているので、コピーを取って実際にマス目を埋めながら400字程度の文章を書いておくのがおすすめ。「記述問題、めっちゃ苦手」という方は、模擬問題の解答例の書き写しだけでもいいから、この原稿用紙に文字を埋める練習をしておくといいかも。(これは、このブログで何度も紹介しているゆりさんのブログでも、「模範解答を原稿用紙にそのまま書き写す」という方法をおすすめしていたので、定番のやり方なのだと思います。)
 

さて、前回の投稿でも書きましたが、過去問解説の電子書籍の巻末、「受験用参考書について」で、筆者の新田豊氏は次のように書かれています。
 
”「赤本」が最も手薄いのは、試験Ⅱの対応です。第6部「音声問題」(猪塚元先生執筆)は、一見試験Ⅱの対策のように見えますが、音声学・音韻論の説明が多く、試験Ⅱに特化した説明はわずかです。Ⅱ問題4~6については、解説も模擬問題もなく、これら20問分に関する対策が完全に欠如しています(中略)

 

アクセントに関するⅡ問題1では、初版以来「ミ・ド」の2音による練習が提唱されており、第4版では音声教材まで使って練習が拡大強化されています。(中略)「ミ・ド」を前提とした練習は、音声➠音韻の手順で解く問題に音韻➠音声の手順をあてはめたミスリーディングです。”

 

なるほど。分かったようで、やっぱりよく分からないもやもや感が残るのは、そういう理由があったのですね。

 

また、同著の中で、新田氏は

 

”「赤本」は系統立てた大判の用語解説のような本なので、用語を中心とした勉強の目安になります。これが「赤本」の一番のメリットです。この本に目を通しておくと、本試験の場で見る用語が、皆が知っているものかそうでないかの推測がつきやすいでしょう。このくらい多く読まれている本は、作問者も参照して問題の難易度を調整する参考にしているはずです。”

 

と書いておられますが、私も全く同感です。

 

例えば、選択式問題で選択肢の中に知らない単語が混ざっていても、”赤本”で見た記憶が無ければ、「きっと他の受験者も知らないだろう」と割り切って、直感で答えを選んだらあっさり次の問題に取り掛かることが出来ました。

 

 

<私がおすすめする、攻略ガイド(赤本)の使い方 まとめ>

 

・出題範囲をほぼカバーした、用語集のように位置づける。

・全てを覚えようとするのではなく、★★★→★★→★と重要項目から順に、各用語に目を通しておく。

・重たいので、背表紙から割いて分冊すると携帯に便利。(分冊するなら、索引はコピーして別冊化しておくと、さらに便利)

・付属のCDでの「試験Ⅱ」対策はしない。

・記述問題は、原稿用紙に慣れておく。当日、試験Ⅲで残り30分を確保できるように、記述問題以外のペース配分に注意。


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何だかんだ言って、いちばんお世話になった参考書。


また余裕ができたら、巻末の「参考文献」を活用して、もう少し深掘りしてみたいと思います。
 
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アダチマ