ビデオ編集のレシピ(作者:タカシのブログ)-ぜつぼう


再び本谷作品を読みました。

しかし、タイトルに「ぜつぼう」とつけてしまう、

本谷さんってすごい。


一時期だけ一世を風靡した芸人の、

そのブームが去ってしまった後のストーリー。


この設定だけでかなり切ないわけですが、

読み進めるにつれ、切なさが滑稽さに変わっていく妙が

楽しめます。


この設定だから、男は絶望するんだけど、

絶望している自分を絶望していると

認めたいがために、

幸せなことがあっても、ゆるがず絶望しようと勤めるんですね。


絶望を貫くという行為をし続けられているのは、

幸せなんじゃないか・・・?


不条理なような感情も起こるし、

こっけいな悲劇を見ている感情でもある。


「俺は、絶望してるがゆえに俺なのだ」

すごいな。

こういう設定を楽しんで書いている本谷さんは、

どんな人なんだろう。

あの容姿からはとても想像できませんね。



「ぜつぼう」



ビデオ編集のレシピ(作者:タカシのブログ)-生きてるだけで、愛




本谷有希子さんの作品は、

演劇では観たことがあったんですが、

小説ではあんまり読んでいなかったので、

読んでみようと思った最初の作品です。


いやあ、相変わらず不幸な話ですね。

不幸すぎる。

でも、最後に望みがある。

みたいな話が本谷有希子作品の王道ですが、

この作品も同様にそんな感じでした。


途中、主人公が環七を走るシーンが出てきますが、

近所に住んでいたこともあって、

このシーンがやけにリアルで、

やけに切なく感じました。


こんなに心に来る文章を書ける人って

すごいですね。

やっぱりすごい。



「生きてるだけで、愛」


ビデオ編集のレシピ(作者:タカシのブログ)-複数の時計



アガサクリスティを呼んでみようと思い、

最初に読んだのが「複数の時計」という作品でした。


印象としては、「シェイクスピア」の文体のように、

修飾語がたくさんついていて、

最初は読みにくかったんですが、

物語に入り込むうちに、全然気にならなくなっていきました。


物語はクレスントという通りにある家で、

殺人が起きるところから始まります。


殺人が起きた家の盲目の主人

隣の猫好きのおばさん

建築業の男

死体を発見したタイピスト

2人のやんちゃな男の子を抱える主婦・・・


個性的な出演者が続々登場して、

事件は混迷を極めたところで、

探偵・ポアロが微妙に登場して事件に迫ります。


こういう形の推理小説は初めてだったので、

新鮮で面白かったです。

いや、もしかしたら、

あまりにも有名だから、誰もこういう構成を

真似出来ないのでしょうか?


ははん、これがアガサ・クリスティの面白さなのかと、

ひとりごちてしまいました。


次は名作と名高い、「そして誰もいなくなった」を

読んでみたいなと思いました。



「複数の時計」