ビデオ編集のレシピ(作者:タカシのブログ)-ぜつぼう


再び本谷作品を読みました。

しかし、タイトルに「ぜつぼう」とつけてしまう、

本谷さんってすごい。


一時期だけ一世を風靡した芸人の、

そのブームが去ってしまった後のストーリー。


この設定だけでかなり切ないわけですが、

読み進めるにつれ、切なさが滑稽さに変わっていく妙が

楽しめます。


この設定だから、男は絶望するんだけど、

絶望している自分を絶望していると

認めたいがために、

幸せなことがあっても、ゆるがず絶望しようと勤めるんですね。


絶望を貫くという行為をし続けられているのは、

幸せなんじゃないか・・・?


不条理なような感情も起こるし、

こっけいな悲劇を見ている感情でもある。


「俺は、絶望してるがゆえに俺なのだ」

すごいな。

こういう設定を楽しんで書いている本谷さんは、

どんな人なんだろう。

あの容姿からはとても想像できませんね。



「ぜつぼう」