勝海舟は1823年、江戸の貧しい下級武士の家に生まれました。ペリー来航(1853年)を31歳(数え年)の時に迎えています。
ちなみに、幕末の主要人物のその時の年齢(数え年)をざっと挙げると次のようになります。
西郷隆盛が27歳、大久保利通24歳、吉田松陰24歳、桂小五郎(後の木戸孝允)21歳、坂本龍馬19歳、岩倉具視19歳、福沢諭吉19歳、一橋慶喜17歳、高杉晋作15歳、久坂玄瑞14歳、伊藤俊輔(後の伊藤博文)13歳。
勝より上の世代を見ると、勝の師匠にあたる佐久間象山が42歳、横井小楠45歳、薩摩藩主・島津斉彬も45歳でした。
こうしてみると、勝はちょうど中間的な世代にいることが分かります。
上の世代は、そのとき既にそれなりの思想を確立し、若い世代を指導するような立場にありました。
若い世代は、その先達から開明的な思想を学び、強い影響を受け、黒船によってもたらされた激情の中で、がむしゃらに行動に走ろうとしていました。
歴史学者の松浦玲氏は、そのとき中間的な年齢にあったという世代的特徴が、それ以降の勝の人生に少なからぬ影響を及ぼしていると分析しています。
「三十代というのは、まことに中途半端な年齢である。激情的な行動に身を挺してのりだすには、やや歳をとりすぎている。思慮分別がつきすぎている。(中略)彼は、尊攘倒幕の志士にも、また、佐幕派の志士にもなれない。そうなるためには世の中がみえすぎている。かといって、この激動から逃げだすわけには行かない」(『維新前夜の群像3 勝海舟』松浦玲 著)
上の世代と若い世代、幕府と雄藩の志士たちーー勝はそのどちらとも気脈を通じ、交友関係を広げています。自らは古い体制側に身を置きながら、その目は常に新しい国の形を見ていました。
時代や力関係が移り変わる歴史の交差点に立たされた勝は、自らの使命を悟り、複雑に入り組んだ流れを一つにまとめようと、左から右、上から下まで、まさに縦横無尽に奔走します。
┌──────────┤書籍のご紹介├┐
□『勝海舟 強い生き方』 窪島一系著
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