陽転思考の達人 過去と現在の賢人たちに学ぶ実践的アクティブ・ブレインの生き方 -30ページ目

陽転思考の達人 過去と現在の賢人たちに学ぶ実践的アクティブ・ブレインの生き方

記憶術×陽転思考の<a href="http://www.oda-abs.com">アクティブ・ブレイン・セミナー</a>を受講した方限定のメルマガ「ウィークリーコンパス」の中から「陽転思考の達人」のみを抜粋し公開しています。

●人生・仕事の結果=考え方×熱意×能力

情熱と努力、そしてイメージ力。先回までに述べたように、「知恵の蔵」の扉を開け「叡智の井戸」の水を汲み上げるための必須要素として、稲盛和夫が挙げているものです。

さらにもう1つ稲盛は、「考え方」というキーワードを提示しています。
「考え方」とは「心のあり方や生きる姿勢、これまで記してきた哲学、理念や思想」であると説明しています。

これらのいくつかの概念の関係を、稲盛は、技術者らしく次のような数式で表してます。

 【人生の方程式】 人生・仕事の結果=考え方×熱意×能力

これまで述べてきた情熱や努力、そしてイメージ力は右辺の熱意と能力の中に含まれると考えられます。
右辺はすべて掛け算なので、どれか1つが0点であれば、他の要素がどんなに高くても、仕事の結果はゼロになってしまいます。
「考え方」や「熱意」が素晴らしくても、能力が足らなければ、印籠のない黄門様のようなもので、思うような結果を出すことはできません。

「人生の方程式」の中で最も重要な要素が「考え方」であると稲盛は主張しています。なぜならば「考え方」には、マイナス点があるからです。
つまり「熱意」と「能力」が0点~100点の範囲の値になるのに対して、「考え方」は、マイナス100点~プラス100点までの幅があるということです。
「考え方」がマイナスの場合は、熱意や能力が高いほど、不幸な結果をもたらすということにもなります。

稲盛によれば「考え方」の点数を上げる要素は、{感謝の心、協調性、思いやり、優しさ、利己的・強欲でない…}等で、簡単にいえば、「良い心」ということに他なりません。

「熱意」や「能力」は、方向性をもたない数値であるのに対して、「考え方」は、[良い:悪い]という価値観が問われているということでもあります。(完)

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□書籍のご紹介
 『生き方』- 人間として一番大切なこと
  稲盛和夫著/サンマーク出版
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●成功への道筋がカラーで見えてくるほどのイメージ力

稲盛和夫がいうように、強く願い続けていれば、誰でも「知恵の蔵」「叡智の井戸」に至ることができるのでしょうか。
情熱と努力は成功のための重要な母体であるということはもちろんですが、そのほかにも稲盛はいくつかの欠かせない要素を提示しています。

その一つはイメージ力。
「情熱や努力は単なる精神論ではないか」という批判に対して、稲盛は著書『生き方』の中で次のように答えています。
少し長くなりますが、引用してみましょう。

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ああなったらいい、こうしたいということを強く思い、さらには強く思うだけでなく、その実現へのプロセスを頭の中で真剣に、こうしてああしてと幾度も考え、シミュレーションをくり返す。(中略)
そうやって思い、考え、練っていくことをしつようにくり返していると、成功への道筋があたかも一度通った道であるかのように『見えて』きます。
最初は夢でしかなかったものが次第に現実に近づき、やがて夢と現実の境目がなくなり、すでに実現したことであるかのように、
その達成した状態、完成した形が頭の中に、あるいは目の前に克明に思い描けるようになるのです。
しかも、それが白黒で見えるうちはまだ不十分で、より現実に近くカラーで見えてくるーーそんな状態がリアルに起こってくるものなのです。
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こうしたイメージ力は、偉業を成した多くの偉人たちに共通した能力のようです。
前回の松下幸之助にしても、前々回の吉田松陰にしても、そのイメージ力は非凡なものがありました。
そうすると結局はイメージ力がないと、どんなに強く願い、努力を続けても成功できないということになるのでしょうか。
もちろん決して、そんなことはありません。

まず、逆説的な言い方になりますが、そもそも成功への道筋やゴールがはっきり見えないということは、思いが足らないからだというのが稲盛の主張です。
あるいは、努力の方向や方法が間違っているのかもしれません。
それにアクティブ・ブレイン・セミナー修了者には自明のことですが、イメージ力は訓練によって誰でも向上させることができます。

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 『生き方』- 人間として一番大切なこと
  稲盛和夫著/サンマーク出版
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●「知恵の蔵」の扉を開くカギ

稲盛和夫は、燃えるような情熱と、真摯な努力によって、「知恵の蔵」「叡智の井戸」に至る道を見い出しました。

「知恵の蔵」の容量に比べれば、人間一人ひとりの能力の差は、ほんのわずかなものであるともいえるでしょう。
そう考えると、「知恵の蔵」の扉を開けることができれば、能力のあるなしに関わらず誰でも素晴らしい成功を手にすることができるということも、分かってきます。

「誰にでも無限の可能性がある」ーー最近ではよく言われる言葉です。
ただ、それは事実としてというより、なんとなく激励のための美辞麗句のようなニュアンスがあります。「9回2死ランナーなし10点差」の状況でも、まだ希望はある、というように。

しかしその「無限の可能性」は、必ずしも個人の内部に閉じているものと考えるより、
無限の容量をもつ「知恵の蔵」「叡智の井戸」にアクセスすることで得られるものだとすれば、自ずと納得できるのではないでしょうか。

その無限の可能性の扉を開くカギは、稲盛によれば「燃えるような情熱と真摯な努力」ということになります。情熱をもって願うこと、そこに向かってあきらめずに歩き続けること、です。

強く願って探し続けなければ、その扉が目の前にあっても気付かない可能性もあります。
第1回でも述べたように、「ダムを作ろうと思わんとあきまへんなあ」という松下幸之助の言葉は、稲盛にとってまさに「知恵の蔵」へと至る扉でした。
しかし、同じ場所にいて同じ言葉を聞いた他の多くの経営者たちは、それが宝物であることに気付かずに、失笑してしまったのです。

あるいは、彼らも現状を打開する方法を探し求めていたのかもしれません。
しかし、「ラクな方法」ばかりを探していると、仮に扉の前までは行くことができたとしても、決してそれを開くことはできないでしょう。

成功のためには、真摯な努力というカギがどうしても必要なのです。

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□書籍のご紹介
 『生き方』- 人間として一番大切なこと
  稲盛和夫著/サンマーク出版
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●「叡智の井戸」から宝の水をくみ上げる方法

就職難の折、稲盛和夫が務めたのは赤字続きの小さな碍子会社でした。
給料も遅配が当たり前。同僚たちの間では不満や不安が広がり、いつもいつ辞めようかと話し合っていたそうです。

そして実際、同僚たちはどんどん辞めていき、稲盛はたった1人置き去りにされます。普通に考えれば、絶望的な状況でしょう。
しかし稲盛は、そこでかえって「吹っ切れた思い」になり、仕事に精を出すようになります。

会社や時代や自分の不運な境遇をいくら呪っても何も変えられないということに気付き、まず自分の気持ちを切り替えたのです。
それ以降は、鍋や釜などの生活道具まで研究室に持ち込み、実験に没頭する日々が続きます。
その結果、ついにテレビ等の最先端製品に必要とされるファインセラミックスの独自開発に成功します。
それは、アメリカの巨大企業ゼネラル・エレクトリック社が開発した物と同等の品質を有する画期的な新素材でした。

粗末な研究設備で、協力者もいないなか、まさに奇跡のような大逆転を成し遂げたのです。
稲盛自身、「まぐれ当たりとしかいいようのない幸運ななりゆき」と述べています。
しかし不思議なことに、その幸運はその後も途切れることなく、京セラ設立から上場、そして現在に至るまでずっと続いているのです。

なぜ不運から幸運へと流れが切り替わったのか。
成功のキッカケとなったアイディアは、いったいどこから出て来たのかーー「知恵の蔵」「叡智の井戸」という言葉で、稲盛はその幸運の源泉を表現しています。

では、どうしたらその「叡智の井戸」を探り当て、そこから宝の水をくみ上げることができるのかーーそれは燃えるような情熱と真摯な努力しかないというのが稲盛の答えです。
とにかく「強く願うこと」、そしてあきらめずにひたすら「歩き続けること」によって、私たちは「叡智の井戸」に至ることができるのです。

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  稲盛和夫著/サンマーク出版
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●人生で出合う事柄はみんな自分の心が引き寄せたもの

「どうして自分の人生はうまくいかないのか、なんて運の悪い男だと、天に見放されたように思い、不平不満を募らせ、世をすねたり恨んだりした」
ーーあらゆる困難を克服して不可能を可能にしてきた稲盛和夫の言葉とは、とても思えない内容です。

しかし、若い頃の稲盛の人生を振り返ると、そうした気持ちになるのも致し方ないと思えるような挫折の連続でした。
まずは、中学受験の失敗。自分よりも低い成績の子たちがみんな合格しているのに、稲盛だけが不合格。小学校の担任に睨まれて内申書に悪く書かれていたことが原因でした。

さらに稲盛は当時「死の病」として恐れられた結核にかかります。
その病の床で1冊の宗教書を読みふけり、「人生で出合う事柄はみんな自分の心が引き寄せたものである。
すべては心の様相がそのまま投影するのだ」という考え方に触れます。
しかしそれはまだ10代前半頃のこと。その考えを実際の行動に移そうと思っても、厳しい現実に跳ね返されてばかり。
世を恨み不運を嘆くような日々が続くなか、自らの心のありようを変えることは、なかなかできませんでした。

幸い結核は治癒して、大学受験に挑戦しますが、第一志望の大阪大学には届かず、やむなく稲盛は地元の大学に進学します。
卒業・就職の時期は、朝鮮戦争の特需景気が一段落した後の不景気の最中で、田舎の新設大学の卒業生は入社試験さえ受けさせてもらえないような就職難にぶつかります。
それでもなんとか就職した会社は、「赤字続きで、明日つぶれてもおかしくないオンボロ会社」だったと、稲盛は述べています。

給料の遅配は当たり前で、同期の社員は次々の辞めていき、最後に1人稲盛だけが残されてしまう・・・。まさに、不運と挫折の連続のような人生です。
しかし、そこでの地道な研究が、やがて京セラ設立の土台となり、第二電電(現KDDI)へとつながっていくことになります。
その大逆転のポイントは、急に景気が良くなったというような外部情況の変化ではなく、ただ一つ、稲盛自身の心の持ち方が180度変わった、ということでした。


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□書籍のご紹介
 『新版 敬天愛人』- ゼロからの挑戦
  稲盛和夫著/PHPビジネス新書
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