陽転思考の達人 過去と現在の賢人たちに学ぶ実践的アクティブ・ブレインの生き方 -29ページ目

陽転思考の達人 過去と現在の賢人たちに学ぶ実践的アクティブ・ブレインの生き方

記憶術×陽転思考の<a href="http://www.oda-abs.com">アクティブ・ブレイン・セミナー</a>を受講した方限定のメルマガ「ウィークリーコンパス」の中から「陽転思考の達人」のみを抜粋し公開しています。

●順境は春の如く、逆境は冬の如く楽しむ心の豊かさ

「志があれば、どんな試練も乗り越えられる」ーー佐藤一斎の主張は、ややもすると「やればできる」式の単純な精神論や根性論のように聞こえるかもしれません。

しかし実際に『言志四録』に書かれていることは、極めて示唆に富んだ実践的な内容です。たとえば次のような一節。

 順境は春の如し 出遊して花を観る
 逆境は冬の如し 堅く臥して雪を観る
 春は固と楽しむ可し
 冬も亦悪しからず

どうでしょう。ここにあるのは、ただやみくもに逆境にぶつかって行くのではなく、冬の雪を愛でるような気持ちで、
ある意味、楽しみながら逆境をやり過ごすというような、どことなく粋で風流な「生き方のススメ」です。
また次のような「逆境乗り越え実践マニュアル」もあります。

 逆境に遭ふ者は宜しく順境を以ってこれを処すべし
 順境に居る者は宜しく逆境を忘れざるべし

文字通り、「逆境の時は、まるで順境の時のように楽天的に希望をもって進み、順境の時は、むしろ逆境の時のように奢り高ぶらず、調子に乗らず、慎重に」という教えです。

じつはこうしたアプローチは、偉大な成功者たちに共通した生き方でもあり、松下幸之助や稲盛和夫らの成功哲学にも、一斎の考えと同じような例がいくつも見出されます。
彼らが逆境の時も希望を失わずに前進できたのは、一斎に学び、志を立て、天命を知り、冬の過ごし方を楽しみつつ、季節は巡りやがて春が来ることを知っていたからではないでしょうか。(完)

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□書籍のご紹介
 『佐藤一斎「言志四録」を読む
  神渡良平著/致知出版社
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●志があれば人生のすべてが学びの場となる

第一回でも述べたように佐藤一斎の思想をつらぬくテーマは、「天から与えられた使命を知ること。そしてその天命に従って生きること」です。
では、どうすれば自らの天命を知ることができるでしょうか。
一斎の答えは「学びなさい」ということです。

2001年、小泉純一郎総理(当時)は、衆議院「教育関連法案」審議の最中、佐藤一斎の著書『言志四録』から次の言葉を引用して答弁しています。

 少くして学べば、則ち壮にして為すことあり
 壮にして学べば、則ち老いて衰えず
 老いて学べば、則ち死して朽ちず

「少くして」は「若くして」の意味。この一節で一斎は、人生のあらゆる時期において、学ぶこと、学び続けることの大切さを訴えています。
では、「学ぶ」とはどういうことか。同じく『言志四録』には次のような一節があります。

 厳しく此の志を立てて以て之を求めば
 薪を運び水を運ぶと雖も亦是れ学有る所なり
 況や書を読み理を究るをや

志をしっかりと立てて物事に取り組むならば、普通の日常生活すべてが学びになるし、真剣に書物を読むならば必ず答えが見つかる、というような意味です。
この節のすぐ後には、「志も目的もなければ、たとえ一日中本を読んでいても、ただの暇つぶしに過ぎない」というような意味の言葉が続きます。

佐藤一斎の影響を受けた吉田松陰も「志がなければ学問をすることさえ意味がない」と「立志」の重要性を力説してます。

志が立っていれば、人生すべてが学びになり、いかなる試練に遭遇しても勇気をもって立ち向かえるーーーその一斎の思想を受け継いだ人たちは、歴史のなかで多くの偉大な業績を残しています。

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□書籍のご紹介
 『佐藤一斎「言志四録」を読む
  神渡良平著/致知出版社
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●一斎の思想と、マイナスをプラスに転換する陽転思考

逆境を、目標や夢実現に至るためのステップとして捉える佐藤一斎の考え方は、まさに陽転思考に通じるものがあります。

たとえ挫折しても、その挫折の中に天の意志を感じ取り、失敗しても、その失敗の中に意味を見出す。
挫折や失敗を無視するのではなく、むしろそのマイナスを直視して、そのマイナスから何かを学び取ってプラスへと転換(陽転)していくーーそれが陽転思考の強みです。

そういった意味では、マイナスを悪いこととのみ捉えがちなプラス思考に比べて、陽転思考は、より現実的な考え方に立脚しています。

プラス思考ではよく「願いは必ず成就する」ということがいわれますが、現実はなかなかそううまくは行かないものです。
そんなとき陽転思考では、一生懸命に取り組んでダメだったら、それもまた良しと考えます。ダメだったことの中に意味や教訓を見出し、次への一歩を進めようということです。

一斎は、成功も失敗も、それはすべて天の意志の現れであると考えていました。
その天の意志を感じていると、成功した時は謙虚に受け止めるようになり、また失敗しても、その経験を反省することで前向きに捉えることができるようになります。

実際、一斎の教えを学んだ幕末の志士たちは、幾度となく困難や失敗、挫折に見舞われますが、それでも最後まで志を見失うことなく与えられた天命を感じて、それを全うしようとしました。

マイナスを否定して何でもかんでも無理やりプラスに考えるのではなく、マイナスの現実をしっかりと受け止めつつ、それをプラスへの踏み台にする。
そして次のステップでは結果的にプラスに転換するーーそれが一斎の思想にも通じる陽転思考の実践的な哲学です。

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□書籍のご紹介
 『[現代語抄訳]言志四録
  佐藤一斎著 PHP研究所
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●逆境を乗り越えて希望を持ち続けるための考え方

幕末の志士たちに大きな影響を与えた儒学者・佐藤一斎。
代表的な著書『言志四録』は、明治維新の頃から現代に至るまで「指導者のバイブル」として、政治家や経営者たちの間で読みつがれてきました。

とくに西郷隆盛は、一斎の熱烈な信奉者でした。
自らの主張を曲げずに藩主の反感を買い沖永良部島に流罪となったとき、西郷は『言志四録』を携えていきました。

藩や日本を守るために無心で働いてきたはずが、志なかばにして離島での幽閉生活。普通なら、挫折感や虚無感に押しつぶされそうになるところです。
しかし西郷は、そこで腐ってしまうどころか、むしろより一層、志を強くしたであろうということは、その後の彼の活躍を見れば明らかです。

あるいは離島での「何もすることのない無為に思える日々」は、一斎が残した言葉と真正面から向き合うための、どうしても必要な時間だったともいえるでしょう。
言い換えればそれは西郷にとって、まさに『言志四録』を貫く重要なテーマ「自らの天命を知る」ための日々だったとも考えられます。

『言志四録』は、一斎が42歳から82歳までの実に40年間もの長きにわたって書き綴った『言志録』『言志後録』『言志晩録』『言志耋録』の全4巻から成ります。
全巻あわせて1133条に及ぶ教訓の中から、西郷はとくに心に響いた101条を撰び出し、生涯、自らの指針として大切にしていました。
それは西郷の死後『南洲手抄言志録』として刊行されています。

西郷を初め明治維新を推し進めた中心人物たちの多くが、『言志四録』に学び、それを行動指針としていたということを考えると、一斎こそ明治維新の陰の立役者だったともいえるかもしれません。

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□書籍のご紹介
 『[現代語抄訳]言志四録
  佐藤一斎著 PHP研究所
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●天命を信じることが強さや勇気につながる

吉田松陰、西郷隆盛、勝海舟、高杉晋作、坂本龍馬ーーいずれも幕末から明治維新にかけて大活躍した重要人物たち。
歴史の教科書をはじめ映画やテレビドラマ、小説等にも幾度となく取り上げられ、その名前も広く知れ渡っています。

しかし、あまり表舞台に取り上げられることはありませんが、彼らに強い影響を与えた偉大な学者がいます。
佐藤一斎。美濃国(現在の岐阜県)出身の儒学者。先に挙げた幕末の志士たちより50歳~60歳ほど年長になります。

一斎の思想を一言で表せば「天から与えられた使命を知ること。そしてその天命に従って生きること」に尽きるでしょう。
それはある意味、各個人の努力を否定する「運命論」とも捉えられがちですが、必ずしもそうではありません。
むしろ一斎は40年間にわたって書き綴った『言志四録』の中で、志を立てて天の願う方向に努力することの大切さを訴え続けました。

一斎は、人生において遭遇する苦難や逆境は、すべて自らを成長させるために天が与えた試練であると考えていました。
たとえ困難な状況にあっても、決して悲観的にならず、逆に乗り越えるべき課題、あるいは飛躍のためのチャンスとしてそれを受容し、挑戦していくことの大切さを一斎は教えています。

何か厳しい試練に遭遇した時は、発想を転換して「自分には大きな使命・天命があるのかもしれない」とプラスに受け止めることができれば、きっと立ち向かう勇気もわいてくるでしょう。

実際、偉大な功績を残した人で、生涯にわたって順調だったというような人は、ほとんどいないのではないでしょうか。
みな何らかの逆境を乗り越えてこそ、大きな夢を実現させているのです。

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 『[現代語抄訳]言志四録
  佐藤一斎著 PHP研究所
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