陽転思考の達人 過去と現在の賢人たちに学ぶ実践的アクティブ・ブレインの生き方 -28ページ目

陽転思考の達人 過去と現在の賢人たちに学ぶ実践的アクティブ・ブレインの生き方

記憶術×陽転思考の<a href="http://www.oda-abs.com">アクティブ・ブレイン・セミナー</a>を受講した方限定のメルマガ「ウィークリーコンパス」の中から「陽転思考の達人」のみを抜粋し公開しています。

●複雑な問題も単純な要素の組み合わせでできている

その輝かしい実績から、現代日本の偉大な経営者の一人に数えられる稲盛和夫。しかし彼はもともと技術者であり、経営に関しては全くの素人でした。

大企業・京セラの前身となる京都セラミックを創業した当初、社員はたった8人。全員がお互いの人格も能力もよく理解し合える規模でした。
それが10年後には株式上場。組織の規模が大きくなるにつれて、当然、経営も複雑化していきます。

必ずしも経営の専門家ではなかった稲盛は、一見複雑に見える諸問題をシンプルに捉え直すことで、巨大な組織の舵取りを見事に成功させました。
そこには、どんなに複雑な構造をもつ機械でも、結局は一つ一つのシンプルなパーツが組み合わさったものであるという技術者らしい視点がありました。

大きな問題に遭遇したとき、とても解決不能に見えることがあります。
しかし、落ち着いてよく観察すると、じつは問題の本質は意外と単純なところにあったりするものです。
具体的な解決の糸口は、その問題の内容によって異なりますが、すべての問題に共通する解決策として稲盛が挙げているのが「原理原則」に徹するということです。

稲盛の言う「原理原則」とは、企業理念に則しているか、人として正しい選択をしているか、というような、いわば極めてシンプルで当たり前のことでもあります。
その「原理原則」からズレていないのであれば、解決が難しそうに見える問題もいずれ氷解していくというのが、稲盛自身が実際に体験してきた「事実」であり、その実体験に基づく強い信念でもありました。

複雑で大きな問題に押しつぶされそうになっている時、その問題に引きずられるのではなく、まずは原理原則を思い出し、静かに自らの心を見つめてみてはいかがでしょう。
そうして心を落ち着けたうえで問題に対峙すると、意外とシンプルな解決策が見えてきたりするものです。

画数が多くて難しそうに見える漢字も、よく見ると意外とよく知られた部首の集まりであるということは、アクティブ・ブレイン・セミナー修了者には自明のことではないでしょうか。

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□書籍のご紹介
 『生き方』- 人間として一番大切なこと
  稲盛和夫著/サンマーク出版
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●可能性とは「未来の能力」のこと

人間の可能性について、稲盛和夫は2つの捉え方をしているように見受けられます。
1つは「前編4」でも述べたように、その本人に潜在する能力というより、「知恵の蔵」「叡智の井戸」にアクセスすることで拡張される他力的な可能性です。
ただ、その「他力」を引き込むためには、「燃えるような情熱と真摯な努力」が必要であるということでした。

もう1つは、「可能性とはつまり未来の能力である」ということです。
稲盛は、その著書『生き方』の中で次のように述べています。

「現在の能力で、できる、できないを判断してしまっては、新しいことや困難なことはいつまでたってもやり遂げられません。」(中略)
「できないことがあったとしても、それはいまの自分にできないだけであって、将来の自分になら可能であると未来進行形で考えることが大切です。まだ発揮されていない力が眠っていると信じるべきなのです。」

たしかに、可能と思えることばかりやっていては、同じレベルの経験が蓄積されるだけで、成長や発展はあまり望めません。
今までできなかったこと、不可能と思えることに挑戦するからこそ、次のステージへと飛躍することができるのです。

しかし、単に理想に燃えて無謀な目標を設定すればいいというのではありません。
まず自分自身が、その目標を達成できるレベルに到達できるという確信やビジョンを持てるという自信と、諦めずにそこに向かい続ける情熱が必要です。

京セラがまだ小さな会社だった頃、大手企業から突き付けられる厳しい注文にも、社員が一丸となって必死で応え続けました。
当時の技術では困難と思えることでも、自分たちの能力向上(つまり将来の能力=可能性)を信じて、前向きに取り組んだのです。
それでも、どうしても乗り越えられない問題にぶつかることもありました。そのとき茫然と立ち尽くす技術者たちに、稲盛は「神に祈ったのか」と尋ねたそうです。

人事(自力)を尽くしたならば、あとは天命(他力)を待つしかない、という開き直りも稲盛の強さの秘密なのかもしれません。
その結果、京セラは難題を一つ一つ乗り越えて、技術的にも成長し、日本を代表する大企業へと発展していったのです。

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□書籍のご紹介[雑誌]
 PRESIDENT 2013年3/18号プレジデント社
 直伝「人を育てる、人を動かす」バイブル
 稲森和夫の叱り方

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●楽観的に構想し、悲観的に計画し、楽観的に実行する

「強く思ったことは必ず実現する」ーーその信念が正しいということを、稲盛和夫は自らの人生において実際に証明してきました。
そうした思想や大胆な経営判断、輝かしい業績の数々から、一般には楽観的で全面プラス思考の人であると受け止められているのではないでしょうか。

しかし実際の稲盛は、悲観的な考えも重視して慎重に注意深くリスクに対処するという一面も持ち合わせています。
「楽観的に構想し、悲観的に計画し、楽観的に実行する」ーーこれは楽観と悲観を組み合わせた稲盛独自の経営論です。

(1)最初にいろいろなアイディアを出したり、夢のようなビジョンを思い描き語り合うときは、悲観的な考えで冷や水をかけないように、楽観的かつ大胆に構想する。
(2)その構想を具体的な事業計画として落とし込む時には、あらゆるリスクを想定して慎重に厳密なプランを練っていく。
(3)実際に実行に移す時には、再び大胆に楽観的に推し進める。

多少詰めが甘くても楽天的・希望的に発想できる人と、細かな問題点に意識が向く悲観的で慎重な人と、それぞれの性格や資質に合せて稲盛は人材を活用しています。
また、自分自身の心の内面に住む「楽観論者」と「悲観論者」のバランスを上手にコントロールしていたということもいえるでしょう。

単純なプラス思考だと、どうしても「悲観的な自分」を否定してしまいがちですが、そうしたスタンスもまた重要であるということを、稲盛は教えてくれています。
慎重に計画したからこそ、稲盛は大胆に行動できたのです。

この大胆さと慎重さの関係について、冒険家の大場満郎氏との会話を例にあげて説明しています。
大場氏は北極と南極の単独徒歩横断に成功した冒険家。その勇気や大胆さ称える稲盛に対して、大場氏は次のように答えたそうです。

「(私は)たいへんな怖がりなんです。臆病ですから細心の注意を払って準備をします。今回の成功の要因もそれでしょう。逆に冒険家が大胆なだけだったら、それは死に直結してしまいます」

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  稲盛和夫著/サンマーク出版
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●思いの種を蒔けば根を張り幹を伸ばし花を咲かせ実をつける

「人生は心に描いたとおりになる、強く思ったことが現象となって現れてくる」ーー稲盛和夫の一貫した考え方です。
成功哲学やスピリチュアル系の話ではよく聞かれる内容ですが、稲盛にとってそれは単なる観念論や理想論ではなく、自らの人生において実際に体験した「事実」にほかなりません。

「人によっては、このような話をオカルトの類いと断じて受け入れないかもしれません。しかし、これは私がこれまでの人生で数々の体験から確信するに至った絶対法則なのです。」(稲盛和夫著『生き方』より)

ただ、そうは言っても「世の中、なかなか思うようにはならない」というのが、多くの人の実感するところではないでしょうか。

しかしそういう人は、「人生は思うようにならないものだ」と自分で思っているからそのごとくなっている、つまり結局は「思った通りになっている」と考えることができると、稲盛は主張しています。

さらに、「なかなか思うとおりにならない」という場合、それはまだ「思いが足らない」からであるということも考えられます。
単なる願望や淡い夢ではなく、「身が焦げるほどの熱意」をもった願いであってこそ、思い通りになるということです。

そして、それほど強く熱く思い続けていれば、そのゴールやそこに至る道筋が、「カラーイメージ」ではっきりと見えてくると、稲盛は述べているのです。

「実現の射程内に呼び寄せられるのは、自分の心が求めたものだけであり、まず思わなければ、かなうはずのこともかなわない。」
「思いはいわば種であり、人生という庭に根を張り、幹を伸ばし、花を咲かせ、実をつけるための、もっとも最初の、そしてもっとも重要な要因なのである――。」(『生き方』より)

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  稲盛和夫著/サンマーク出版
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●高い能力と情熱をもって大業を成すには一切の私心を捨てること

前編で紹介した稲盛和夫の「人生の方程式」をもう一度復習してみましょう。

 ◇人生・仕事の結果=考え方×熱意×能力

人生においても、仕事においても、望ましい結果を出すためには、「考え方」「熱意」「能力」の3つが揃う必要があるということでした。
そのなかでも最も重要なのが、マイナス100からプラス100までと振幅の大きい「考え方」です。

具体的な例でいえば、よこしまな「考え方」を持つ人(たとえば犯罪者やヤクザ)の場合、「熱意」や「情熱」の値が大きいほど、被害も大きくなるということです。
視点を変えると、情熱的で高い能力をもっている人は、その「考え方」を正しておかないと、思いもよらない不幸な結果をもたらしてしまうということにもなります。

これは本メルマガ「吉田松陰 03」で取り上げた、
「志がなければ、学問をすることさえ意味がない(どころか、かえって害が大きくなる)。志も倫理観もない人が権力の座についた場合の弊害は大きい」
という松陰の思想と共通しています。

この「考え方」がプラスとマイナスのどちらに向かっているか、稲盛自身、厳しい目で自分を見つめることで、「人生の方程式」を実践しています。
それは第二電電(KDDI)を立ち上げる時のこと。NTTというガリバー企業に立ち向かうという、極めて困難なプロジェクトでした。稲盛自身、アリが巨象に挑むようなものと表現しています。

しかし京セラで大成功していた稲盛には、情熱も能力もありました。あとは「考え方」さえ大きくプラス方向に向いていれば、方程式通りに成功を収めるはずです。
たしかにNTTの独占状態を崩して競争原理を働かせ、国民のために通信料金を下げるという大義名分はありました。
しかしその一方で、「自分の利益や名声を得ようという思いはないのか」「動機善なりや、私心なかりしか」と、なんと半年もの間、自問自答を繰り返します。

そして「考え方」がプラスであることを確信した稲盛は、大きな一歩を踏み出したのです。

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