陽転思考の達人 過去と現在の賢人たちに学ぶ実践的アクティブ・ブレインの生き方 -24ページ目

陽転思考の達人 過去と現在の賢人たちに学ぶ実践的アクティブ・ブレインの生き方

記憶術×陽転思考の<a href="http://www.oda-abs.com">アクティブ・ブレイン・セミナー</a>を受講した方限定のメルマガ「ウィークリーコンパス」の中から「陽転思考の達人」のみを抜粋し公開しています。

●心の掃除・心の化粧のススメ

稀代の哲人・中村天風は、世界中の要人と交流し、大きな影響を与えています。
昭和22年、戦後間もない頃、GHQ(連合国最高司令官総司令部)の幹部を前に心身統一法の講演を行っています。
講演後の食事会にはロックフェラー3世夫妻も同席していました。

その場で、人も羨む世界の大富豪ロックフェラーの悩みを聞いた天風は、「人生の苦しみを取り除くには、何よりも心の中の観念を大掃除することが必要だ」とアドバイスして尊敬を集めました。
敗戦国で、まだ復興の先行きも見えない状況にある日本人が、占領国の大富豪に堂々と説教したのです。

「心の中の掃除をしないで、汚れるままに消極的な観念をいっぱい溜めて生きていくと、たとえどんなに学問しようが、どんなに金ができようが、毎日が少しも安心した状態で生きられないものだ」
(『中村天風 怒らない 恐れない 悲しまない』池田光 著 三笠書房)

心の掃除と同様に、天風は、心の化粧も推奨しています。

「どんな不美人でも、朝、鏡の前にくると、いろいろとお化粧をするじゃありませんか。それと同様、心のお化粧もしたらどうでしょうか。
それなのに、心など、汚い糞溜めの中に漬けておくようにほうっておいて、一生懸命顔ばかりはたいたって、何になるでしょうか」(『運命を拓く』講談社文庫)

お金があってもなくても、人はお金のことで悩みます。
病気になる前から、病気になったらどうしようと不安になります。病気になったら今度はそのために心まで暗く病んでしまいがちです。
そうした凡夫の悩みに対して、天風は「肉体の病は肉体のものにして、心にまで迷惑をかけるな」と説いています。
天風の教えをまとめた「積極精神養成法」には「取越苦労厳禁(まだ現実化していない苦労の先取りはやめよう!)」という実践項目もあります。

もし、どうしても不安や悲しみを振り払うことができない場合は、次のように「上手に悲しむ」秘策?を教えています。

「悲しくば、明日悲しめ」「明日という日は、日向の影法師と同じで、いくら追いかけても掴まらない。
だから、悲しくば明日悲しまん…。明日悲しもうと思って、翌る日、目が覚めると今日になるから、また明日になる…」(同) (完)

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□書籍のご紹介
 『運命を拓く
  中村天風/講談社文庫
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●イメージ力は幸福の楽園へのよき案内者

医学から哲学、語学、そしてヨガと、膨大な知識を吸収・消化した中村天風は、記憶力においても相当な力があったであろうことは容易に想像できます。
アクティブ・ブレイン・セミナーでは、記憶力が悪いというのは、必ずしも頭が悪いというのではなく、ただ単に「脳の使い方が悪い」だけだと指導していますが、天風も同じようなことをいっています。

「私は、六十越してから、記憶力が非常に良くなった。記憶力が悪くなってる者は、結局、もう霊柩車に乗る用意をしている人間だ。
使わなければ鈍る。鉄なお絶つべき正宗の名刀といえども手入れをしなければ錆び朽ちる。人間の頭脳またしかり。
『俺は齢をとったから覚えられない』なんてことをいっているかぎり、ますます覚えられやしない。齢をとったから覚えられないんじゃない。齢をとり、億劫になるから、覚えようとしない。ただそれだけだ」
(『運命を拓く』講談社文庫)

実際、アクティブ・ブレイン・セミナーの現場では、記憶力低下に悩む70代、80代の高齢の方でも、脳の使い方を学び訓練することで、若い頃を遥かに凌ぐ記憶力を発揮するようになっています。

天風はまた、想像力の重要性についても次のように述べています。

「想像の作用を正確に応用すれば、それはとりもなおさず、幸福の楽園へのよき案内者を作ったのと同様である」(同)

この考えも、イメージ力を鍛える訓練を徹底して行うアクティブ・ブレイン・セミナーに通じるところがあります。
イメージ力の重要性については、このメルマガでも吉田松陰や稲盛和夫の回で、繰り返し述べてきました。

松陰は、書物を読んだり講義したりするときに、その内容をリアルにイメージして、口調や表情まで変わったといわれています。
稲盛は、成功への道筋が具体的にカラーで見えたと、自らその著書に記しています。
彼らは、もともとイメージ力が強かったからということもあるかもしれませんが、それ以上に、そうなるまで強く心に願い、深く考え抜いたからということが重要なポイントです。

天風の言葉通り、まさにイメージ力は幸福の楽園へのよき案内者であり、夢実現に向かうための強力な牽引車ともなるのです。

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□書籍のご紹介
 『日本人の神髄
 - 8人の先賢に学ぶ「大和魂」
  小田全宏著
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●変えられる運命と変えられない運命

絶対積極を標榜する中村天風は、運命論的な考え方を真っ向から批判していました。

運命論を突き詰めれば、本人の意識のあり方や努力の如何に関わらず、結果は予め決められているということになります。
さらにそれを徹底して、国の行く末から個人の人生のすべて、究極的には髪の毛の1本1本まで全能の神によって定められているとする予定論のような考え方もあります。

しかし天風は、心の持ち方次第で、運命を変えることもできると主張しています。

「人間の力では、どうにもしようがない運命というものは、たくさんあるものではない。
自分の思慮が足りないか、あるいは力が足らないかの理由で運命が開けないことを、いわゆるどうすることも出来ない運命だと決めてしまうのは軽率極まりない話である」(『運命を拓く』講談社文庫)

では、天風でも変えられない運命とは何か。

「運命には二種類あることを知らないのだ。すなわち天命と宿命というものがある。
天命は絶対で、宿命は相対的なものである。(中略)宿命というのは、人間の力で打ち開いていくことが出来るものである。
ところが今の人は、打ち開くことの出来る宿命にぶつかったときでも、それを天命という。
自分の努力が足らないことは棚に上げ、どうにも仕様がない、というのである」(同)

天風流に考えれば、すべての人が「絶対積極で生きる」という「天命」の中にあります。
その天命に逆らって消極的に生きることもできますが、託された天命そのものは決して変えることはできません。

逆に、心の持ち方次第で変えることができる「宿命」を、どうしても変えられない運命だと思い込み、諦め、努力を怠り、可能性の扉を閉ざしてしまうということもよくあります。
実際、偉業を成し遂げた人の多くは、その成功の要因を、能力があったからというより、最後まで諦めなかったから、と述懐しています。

天命には素直に従い、宿命は、絶対積極の心で利用し、変革し、乗り越えていく――それが天風的運命論です。

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□書籍のご紹介
 『運命を拓く
  中村天風/講談社文庫
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●日常生活の中で真理を見い出す方法

後世に多大な影響を与えた哲人・中村天風は、波乱万丈の人生を経てカリアッパ師という指導者と出会い、ヒマラヤ山脈での修行の末、「真理」に到達しました。
しかしその「真理」は、大自然の神秘の中や、高尚な書物の中にだけあるというものではありません。
心を開きさえすれば、誰もが日常の中でその「真理」を見い出すことができると、天風は説いています。

「本来人間は、改めて真理をいろいろ説き聞かされるまでもなく、この世に生まれ出た時から、絶えず真理に接し、真理の中で生きているのである。
しかし、ちょうど魚が水の中で生きていながらそれを知らないのと同様に、真理の中にいながら、この真理をなかなか自覚することができないのは、
要するに心の中に雑念妄念があるためであり、本当に心が清い状態であれば、真理はすぐに発見できる」(『運命を拓く』講談社文庫)

哲学・科学的なテーマであれ、ビジネス上のアイディアであれ、偉大な発見や発明の多くは、日常生活の中での「気づき」が出発点になっている場合が少なくありません。

先回取り上げた森信三も「真理はこの現実の天地人生の唯中に、文字ならぬ事実そのものによって書かれており、しかもそれは刻々時々展開しつつある」と述べています。

たとえばテレビ画面に映るのは選んだチャンネルだけですが、他局の電波も同じように流れてきています。
それが見えないのは、言うまでもなくそこにチャンネルを合わせていないからです。

このように送信側と受信側で周波数・波動が合わなければ、たとえ目の前にあっても見えないということを、私たちは日常的に経験しています。

同じように、真理や幸福が私たちの周りに満ちていたとしても、雑音や電波障害に惑わされチャンネルを合わせることができなければ、それは存在しないのと同じことになってしまいます。

真理に向かって心のチャンネルを合わせるということを、天風の言葉で表現すれば「絶対積極」ということになります。

「何とありがたいかな、山の中に今座っている自分は、この霊智の力、いわゆる全智全能の働きを持つ気とともにいるのではないか。いや気に包まれているではないか。
そしてここに座っている。だから自分は生きているのだ。(中略)人間の心の態度で、これを受け入れる分量が、非常に相違してくる」(同)

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□書籍のご紹介
 『運命を拓く
  中村天風/講談社文庫
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●不運のときにはより一層心を積極的に

「果てしない宇宙よりも、人間の心の方が偉大である」ーー人間の存在を徹底的に肯定し、その心の力を無限大にまで拡張するのが中村天風の絶対積極という考え方です。

自らの心の持ち方によって状況を打開していく、その極めて主体性を重視する天風の思想は、一見、自力救済的なニュアンスが強いと考えられがちです。

それは一歩間違えば、「心の持ち方次第で、自分の力だけでどんなことでもできる」というように傲慢な方向へと陥ってしまう危険性もなきにしもあらずです。

しかし、絶対積極によって力が得られるのは、それが宇宙の流れに沿ったものであるからであり、人間の創造力や生命力の源泉は、その他力的な力、神仏に由来するものであると天風は説いています。

「川が流れるのは水源があるためだ。水源のない川はあり得ない。我々の存在は、我々の命の持つ源がこれを保っている。その源が宇宙本体である。
その宇宙本体と常に結ばれている自己を、明瞭に意識して活きると活きないとでは、結果において、どれだけ大きな差が出来るかわからない」(『運命を拓く』講談社文庫)

自分が力を発揮できるのは、宇宙と一体となっているからであり、その力と交流しているからであるーーこうしたある意味、受動的・他力的な考え方もまた、天風哲学の底流になっています。

そこには、能動性と受動性、自力と他力など、一見対立関係にあるような概念を、調和的に包み込む深い洞察があります。
それゆえに、絶対積極、主体的な心を堅持し、そうした自分に強い自信を持ちつつも、同時に、「生かされている」ということに感謝し、常に謙虚であれとも天風は教えています。

「生きていることが、人間が宇宙霊の力に抱かれている証拠である。この荘厳なる事実を絶対に忘れてはいけない」(同)

人間は、この世に生まれたというただそれだけで、宇宙(神仏)から肯定され、祝福され、その大いなるエネルギーに満たされた存在である。
そのゆるぎない確信ゆえに、天風のなかでは、謙虚さと自信がみごとに調和していたのです。

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 『運命を拓く
  中村天風/講談社文庫
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