[前立腺がんPSA検査「全年齢で推奨せず」 米政府案]
(朝日新聞 2011年10月8日)
前立腺がんの検診で使われているPSA検査について、米政府の予防医学作業
部会は7日、すべての年齢の男性に対して「検査は勧められない」とする
勧告案をまとめた。
2008年の勧告では75歳以上で検査を勧めていないが、対象を全年齢に広げる
ことになる。
これまでに実施された5つの大規模臨床試験の結果を分析した結果、年齢や
人種、家族歴にかかわらず、PSA検査が死亡率を下げるとの証拠は見いだせ
なかったと結論づけた。
ただ、自覚症状があったり、前立腺がんが強く疑われたりする場合は含まれて
いない。
米国ではPSA検査は50歳以上の男性に広く普及している。
ただ検査で見つかる前立腺がんの多くは進行が遅く、放置しても寿命には
関係しない。
必要のない治療等を受けて、勃起障害や尿漏れなどの後遺症が残る人もいる。
http://www.asahi.com/health/news/TKY201110080163.html
[「前立腺がんの陽子線治療やPSA検査は無意味」と米専門機関]
(NEWSポストセブン 2013年12月5日)
アメリカの医学界が、今まで必要と思い込んでいた医療行為の中で無駄な
ものを追放するキャンペーンを進めている。
がんをピンポイントで照射する陽子線治療は、一昨年7月から1年間で
1628件実施され、患者の自己負担分だけで約42億円(1人当たり約258万円)
かかっている。
『前立腺ガン 最善医療のすすめ』(実業之日本社刊)の著者である藤野邦夫氏が語る。
「患者は高額な先進医療が効くと誤解しているが、すでに複数の研究で陽子線
治療の費用対効果が低いことが示されている。陽子線の装置や施設を作る費
用は約80億円もかかる。公的な医療機関なら、すべて税金です。だから、
日本ではいまさら不要論をいいにくいのでしょう」
そもそも前立腺がんは進行が遅い。
なのに、前立腺がんを発見するためのPSA検査は自治体の約70%で実施されて
いる。
「PSA検査は放っておいてもいいがんまで見つけてしまう。そこで、検査の
開発者であるリチャード・アブリン自身が、検査を止めれば医療費の節約
だけではなく、不要な治療がなくなるといっている。日本では、不必要とする
厚生労働省と、必要とする日本泌尿器科学会で意見が対立しているのが現状
です。私も、血縁者に前立腺がんがいるなど高リスクの人や排尿問題など
症状のある人は受けるべきだが、低リスクの人で定期的な検査は必要ないと
考える」(藤野氏)
(企画・取材/室井一辰:医療経済ジャーナリスト)
(週刊ポスト2013年12月13日号)
http://www.news-postseven.com/archives/20131205_229748.html
(NEWSポストセブン 2013年12月5日)
アメリカの医学界が、今まで必要と思い込んでいた医療行為の中で無駄な
ものを追放するキャンペーンを進めている。
がんをピンポイントで照射する陽子線治療は、一昨年7月から1年間で
1628件実施され、患者の自己負担分だけで約42億円(1人当たり約258万円)
かかっている。
『前立腺ガン 最善医療のすすめ』(実業之日本社刊)の著者である藤野邦夫氏が語る。
「患者は高額な先進医療が効くと誤解しているが、すでに複数の研究で陽子線
治療の費用対効果が低いことが示されている。陽子線の装置や施設を作る費
用は約80億円もかかる。公的な医療機関なら、すべて税金です。だから、
日本ではいまさら不要論をいいにくいのでしょう」
そもそも前立腺がんは進行が遅い。
なのに、前立腺がんを発見するためのPSA検査は自治体の約70%で実施されて
いる。
「PSA検査は放っておいてもいいがんまで見つけてしまう。そこで、検査の
開発者であるリチャード・アブリン自身が、検査を止めれば医療費の節約
だけではなく、不要な治療がなくなるといっている。日本では、不必要とする
厚生労働省と、必要とする日本泌尿器科学会で意見が対立しているのが現状
です。私も、血縁者に前立腺がんがいるなど高リスクの人や排尿問題など
症状のある人は受けるべきだが、低リスクの人で定期的な検査は必要ないと
考える」(藤野氏)
(企画・取材/室井一辰:医療経済ジャーナリスト)
(週刊ポスト2013年12月13日号)
http://www.news-postseven.com/archives/20131205_229748.html
[5年以内死亡率は30% がんより怖い「下肢閉塞性動脈硬化症」]
(日刊ゲンダイ 2013年12月2日)
Aさん(59)は、50代半ばから足の冷えが悩みだった。
触るとひんやりしている。
冬は事前に布団をコタツなどで温めておかないと、足が冷えてよく眠れな
かった。
そのうち、数百メートル歩くと足が痛んで歩けなくなってきた。
休むと痛みが取れるが、数百メートル歩くとまた痛む。
近所の整形外科を受診したが、レントゲンを撮っても異常が見つから
なかった。
そんなAさんが脳梗塞を起こしたのは、昨年のことだ。
幸い命は助かったが、半身不随の後遺症が残ってしまった。
よくある症状と思いがちだが、「足の冷え」は絶対に放置してはいけない。
Aさんの二の舞いになりかねない。
東邦大学医療センター大橋病院循環器内科・中村正人教授が言う。
「下肢閉塞性動脈硬化症の可能性があります。米国のデータになりますが、
発症5年後の心筋梗塞や脳卒中などの血管障害で亡くなる方は30%にのぼり、
数%は下肢の切断に至るといわれています」
ある種のがんと比べると、「がんよりも怖い病気」が下肢閉塞性動脈硬化症
なのだ。
中村教授に詳しく聞いた。
<「足の冷えくらいで・・・」と甘く見ると・・・>
血管に脂肪やコレステロールが蓄積し、血液の通り道が狭くなる動脈硬化は、
全身の血管に起こる。
下肢閉塞性動脈硬化症は、全身の動脈硬化のうち、最も心筋梗塞や脳卒中を
起こしやすく、死に直結しやすい動脈硬化だと考えられている。
「下肢の血流が悪くなり、酸素や栄養が十分に運ばれなくなります。すると、
足が冷えてきます。顔色ならぬ“足色”が、健康的な色ではなくなります。
間欠性跛行といって、200~300メートル歩くと足が痛くなって歩けなく
なる。休むとまた歩けます。さらに進行すると、足先に栄養が運ばれなく
なり、深爪した、水虫ができた、といったちょっとしたことでできた傷が
治らず、切断に至る場合もあるのです」
自分で活動範囲を制限してしまうため、自覚症状はそう強く出ないことが
まれではない。
下肢閉塞性動脈硬化症と診断された患者は口をそろえて「そういえば・・・」
と言う。
早期発見につながるサインを決して見逃してはいけない。
下肢閉塞性動脈硬化症は
(1)50歳以上
(2)喫煙者
(3)高血圧
(4)糖尿病
(5)脂質異常症
(6)肥満
のうち該当する項目が多いほどリスクが高い。
「冷えくらいでは患者さんはなかなか検査を受けに病院に来ない。そのため
知らないうちに症状が進行してしまっている人が多いのです」
下肢閉塞性動脈硬化症の病期は4つに分けられる。
Ⅰ度は「冷えやしびれを感じる」
II度は「ある一定の距離を歩くと痛くて歩けなくなる。休むとまた歩ける」
III度は「安静時も痛みが生じる。特に夜間に多い」
Ⅳ度は「皮膚がじくじくする。足が変色している」
せめて、II度までには受診すべきだ。
「III度やⅣ度になると、治療に時間を要し、下肢閉塞性動脈硬化症の治療を
多数行っている医療機関を受診しても、下肢切断に至る場合があります」
冒頭のAさんのように、整形外科の疾患だと思い、下肢閉塞性動脈硬化症発
見のチャンスを逃してしまうこともある。
発症リスクを上げる6つの項目のうち、特に(2)~(6)のどれか1つでも
覚えがあれば、循環器内科も受診した方がいい。
http://gendai.net/articles/view/life/146369
(日刊ゲンダイ 2013年12月2日)
Aさん(59)は、50代半ばから足の冷えが悩みだった。
触るとひんやりしている。
冬は事前に布団をコタツなどで温めておかないと、足が冷えてよく眠れな
かった。
そのうち、数百メートル歩くと足が痛んで歩けなくなってきた。
休むと痛みが取れるが、数百メートル歩くとまた痛む。
近所の整形外科を受診したが、レントゲンを撮っても異常が見つから
なかった。
そんなAさんが脳梗塞を起こしたのは、昨年のことだ。
幸い命は助かったが、半身不随の後遺症が残ってしまった。
よくある症状と思いがちだが、「足の冷え」は絶対に放置してはいけない。
Aさんの二の舞いになりかねない。
東邦大学医療センター大橋病院循環器内科・中村正人教授が言う。
「下肢閉塞性動脈硬化症の可能性があります。米国のデータになりますが、
発症5年後の心筋梗塞や脳卒中などの血管障害で亡くなる方は30%にのぼり、
数%は下肢の切断に至るといわれています」
ある種のがんと比べると、「がんよりも怖い病気」が下肢閉塞性動脈硬化症
なのだ。
中村教授に詳しく聞いた。
<「足の冷えくらいで・・・」と甘く見ると・・・>
血管に脂肪やコレステロールが蓄積し、血液の通り道が狭くなる動脈硬化は、
全身の血管に起こる。
下肢閉塞性動脈硬化症は、全身の動脈硬化のうち、最も心筋梗塞や脳卒中を
起こしやすく、死に直結しやすい動脈硬化だと考えられている。
「下肢の血流が悪くなり、酸素や栄養が十分に運ばれなくなります。すると、
足が冷えてきます。顔色ならぬ“足色”が、健康的な色ではなくなります。
間欠性跛行といって、200~300メートル歩くと足が痛くなって歩けなく
なる。休むとまた歩けます。さらに進行すると、足先に栄養が運ばれなく
なり、深爪した、水虫ができた、といったちょっとしたことでできた傷が
治らず、切断に至る場合もあるのです」
自分で活動範囲を制限してしまうため、自覚症状はそう強く出ないことが
まれではない。
下肢閉塞性動脈硬化症と診断された患者は口をそろえて「そういえば・・・」
と言う。
早期発見につながるサインを決して見逃してはいけない。
下肢閉塞性動脈硬化症は
(1)50歳以上
(2)喫煙者
(3)高血圧
(4)糖尿病
(5)脂質異常症
(6)肥満
のうち該当する項目が多いほどリスクが高い。
「冷えくらいでは患者さんはなかなか検査を受けに病院に来ない。そのため
知らないうちに症状が進行してしまっている人が多いのです」
下肢閉塞性動脈硬化症の病期は4つに分けられる。
Ⅰ度は「冷えやしびれを感じる」
II度は「ある一定の距離を歩くと痛くて歩けなくなる。休むとまた歩ける」
III度は「安静時も痛みが生じる。特に夜間に多い」
Ⅳ度は「皮膚がじくじくする。足が変色している」
せめて、II度までには受診すべきだ。
「III度やⅣ度になると、治療に時間を要し、下肢閉塞性動脈硬化症の治療を
多数行っている医療機関を受診しても、下肢切断に至る場合があります」
冒頭のAさんのように、整形外科の疾患だと思い、下肢閉塞性動脈硬化症発
見のチャンスを逃してしまうこともある。
発症リスクを上げる6つの項目のうち、特に(2)~(6)のどれか1つでも
覚えがあれば、循環器内科も受診した方がいい。
http://gendai.net/articles/view/life/146369
[15歳の少年、膵臓がん発見の画期的方法を開発
たった5分、3セントで検査]
(ハフィントンポスト 2013年11月11日)
15歳の高校生の快挙――1997年生まれの、アメリカのメリーランドに住む
高校生、ジャック・アンドレイカさんが、すい臓がんを初期段階で発見する
検査法を開発した。
すい臓がんはほかの臓器に比べ、がんの発見が困難なことで知られる。
Appleの創業者、スティーブ・ジョブズさんもすい臓がんの発見・処置が
遅れて56歳で帰らぬ人となった。
難治がんである原因は、膵臓がんには特異的な初発症状がなく、膵臓がんと
診断された時には大半が高度に進行しており、既にがんが膵臓の周囲の重要
臓器に拡がっていたり、肝臓などの他臓器にがんが転移していて、7割から
8割の方は外科手術の適応にならないこと、また、たとえ切除可能であっても
早期に再発を生じることが多いことが挙げられます。
(独立行政法人国立病院機構大阪医療センター
「膵臓がん(消化器科)」より)
アンドレイカさんが新しい検査法を開発した経緯は、世界的なプレゼン
テーションのイベント「TED」に出演したときの動画に詳しい。
アンドレイカさんは13歳の時、親しい人をすい臓がんで亡くした。
そこから、ネットですい臓がんについて調べ、その検査に800ドルかかり、
さらに30%以上を見落としていることを知る。
なぜ難しいのか。
すい臓がんを検出するには、血中にあるごく少量のタンパク質の発生量を
調べなければならないからだ。
すい臓がんになると検出される8000種の中から、すい臓がん患者特有の
ものを見つけ出した。
研究を続けるため、アンドレイカさんは200人の教授に手紙を送る。
うち、199は提案を却下。
たった1通、良い返事が帰ってきたジョン・ホプキンス大学で研究の場を
得て、テスト方法を開発した。
アンドレイカさんが開発した方法では、1つの小さな検査紙で 費用は
3セント(約3円)、わずか5分でテストできるという。
従来の方法と比べると、168倍速く、26,000分の1以下の費用、400倍の
精度で検査できるという。
この方法はすい臓がんだけでなく、他のがんやHIVなどにも転用が可能として
いる。
アンドレイカさんはインテルが設立するGordon E. Moore Awardを受賞。
75,000ドル(約742万円)を獲得。
その他にも多数の賞を受賞し、10万ドル以上の賞金を得た。
賞金は学費に使用するという。
http://www.huffingtonpost.jp/2013/11/10/cancer-test_n_4252707.html
たった5分、3セントで検査]
(ハフィントンポスト 2013年11月11日)
15歳の高校生の快挙――1997年生まれの、アメリカのメリーランドに住む
高校生、ジャック・アンドレイカさんが、すい臓がんを初期段階で発見する
検査法を開発した。
すい臓がんはほかの臓器に比べ、がんの発見が困難なことで知られる。
Appleの創業者、スティーブ・ジョブズさんもすい臓がんの発見・処置が
遅れて56歳で帰らぬ人となった。
難治がんである原因は、膵臓がんには特異的な初発症状がなく、膵臓がんと
診断された時には大半が高度に進行しており、既にがんが膵臓の周囲の重要
臓器に拡がっていたり、肝臓などの他臓器にがんが転移していて、7割から
8割の方は外科手術の適応にならないこと、また、たとえ切除可能であっても
早期に再発を生じることが多いことが挙げられます。
(独立行政法人国立病院機構大阪医療センター
「膵臓がん(消化器科)」より)
アンドレイカさんが新しい検査法を開発した経緯は、世界的なプレゼン
テーションのイベント「TED」に出演したときの動画に詳しい。
アンドレイカさんは13歳の時、親しい人をすい臓がんで亡くした。
そこから、ネットですい臓がんについて調べ、その検査に800ドルかかり、
さらに30%以上を見落としていることを知る。
なぜ難しいのか。
すい臓がんを検出するには、血中にあるごく少量のタンパク質の発生量を
調べなければならないからだ。
すい臓がんになると検出される8000種の中から、すい臓がん患者特有の
ものを見つけ出した。
研究を続けるため、アンドレイカさんは200人の教授に手紙を送る。
うち、199は提案を却下。
たった1通、良い返事が帰ってきたジョン・ホプキンス大学で研究の場を
得て、テスト方法を開発した。
アンドレイカさんが開発した方法では、1つの小さな検査紙で 費用は
3セント(約3円)、わずか5分でテストできるという。
従来の方法と比べると、168倍速く、26,000分の1以下の費用、400倍の
精度で検査できるという。
この方法はすい臓がんだけでなく、他のがんやHIVなどにも転用が可能として
いる。
アンドレイカさんはインテルが設立するGordon E. Moore Awardを受賞。
75,000ドル(約742万円)を獲得。
その他にも多数の賞を受賞し、10万ドル以上の賞金を得た。
賞金は学費に使用するという。
http://www.huffingtonpost.jp/2013/11/10/cancer-test_n_4252707.html
[高齢者にもがん検診が勧められない場合もある]
(朝日新聞 2013年11月22日)(酒井健司先生)
一般的には、がんは早期発見して早期治療したほうがいいと言われています。
しかし、いつでもそうとは限りません。
前回は、若い人の一律の乳がん検診は必ずしも推奨されないという話をしま
した。
若い人の乳がんは少ないため、検診によって偽陽性が多くなり、不必要な
検査が増えるのが主な理由です。
逆に、高齢者のがん検診が勧められないことがあります。
前立腺がんは血液中のPSA(前立腺特異抗原)を測ることで、比較的容易に
早期発見することができます。
若い人の乳がんとは違って高齢者の前立腺がんは多く、PSAを測れば症状の
ない早期の前立腺がん患者をたくさん見つけることができるでしょう。
しかし、高齢者の場合、早期発見が必ずしも患者さんの利益になるとは限りま
せん。
前立腺がんは、進行がゆっくりしたものが多いとされています。
前立腺がん以外の原因で死亡した人を病理解剖すると、数十%に前立腺がんが
見つかるという報告があります。
そういう人たちは、前立腺がんがあっても死因にはならず、症状もなかったの
です。
アメリカがん協会は、余命が10年以下と予測されている症状のない男性には
PSAによる前立腺がん検診を行うべきではない、としています。
前立腺がん検診で高齢者の前立腺がんを早期に発見したとして、その前立腺
がんは治療せずに放っておいても進行はゆっくりで、放っておいても症状が
出ないものかもしれません。
そういう前立腺がんに対して治療をすると過剰治療となってしまいます。
前立腺がんを見つけても治療はせずに経過を見ればいいという考え方もあり
ます。
とはいえ、がんがあると言われて平静を保てる患者さんはどれほどいるで
しょうか。
患者さんを不安にさせるだけで治療につながらないなら、がん検診をする意
義は乏しいと考えます。
余命が十分にある場合でも前立腺がん検診を行うべきかどうかは議論がある
ところです。
日本でも厚生労働省が推進しているがん検診(胃がん検診、子宮がん検診、
肺がん検診、乳がん検診、大腸がん検診)のなかに前立腺がん検診は含まれて
いない一方で、日本泌尿器科学会は推進の立場をとっています。
いずれにせよ、前立腺がん検診を受けるならば、メリット・デメリットを
きちんと理解した上で受けるべきでしょう。
http://apital.asahi.com/article/sakai/2013112200006.html
(朝日新聞 2013年11月22日)(酒井健司先生)
一般的には、がんは早期発見して早期治療したほうがいいと言われています。
しかし、いつでもそうとは限りません。
前回は、若い人の一律の乳がん検診は必ずしも推奨されないという話をしま
した。
若い人の乳がんは少ないため、検診によって偽陽性が多くなり、不必要な
検査が増えるのが主な理由です。
逆に、高齢者のがん検診が勧められないことがあります。
前立腺がんは血液中のPSA(前立腺特異抗原)を測ることで、比較的容易に
早期発見することができます。
若い人の乳がんとは違って高齢者の前立腺がんは多く、PSAを測れば症状の
ない早期の前立腺がん患者をたくさん見つけることができるでしょう。
しかし、高齢者の場合、早期発見が必ずしも患者さんの利益になるとは限りま
せん。
前立腺がんは、進行がゆっくりしたものが多いとされています。
前立腺がん以外の原因で死亡した人を病理解剖すると、数十%に前立腺がんが
見つかるという報告があります。
そういう人たちは、前立腺がんがあっても死因にはならず、症状もなかったの
です。
アメリカがん協会は、余命が10年以下と予測されている症状のない男性には
PSAによる前立腺がん検診を行うべきではない、としています。
前立腺がん検診で高齢者の前立腺がんを早期に発見したとして、その前立腺
がんは治療せずに放っておいても進行はゆっくりで、放っておいても症状が
出ないものかもしれません。
そういう前立腺がんに対して治療をすると過剰治療となってしまいます。
前立腺がんを見つけても治療はせずに経過を見ればいいという考え方もあり
ます。
とはいえ、がんがあると言われて平静を保てる患者さんはどれほどいるで
しょうか。
患者さんを不安にさせるだけで治療につながらないなら、がん検診をする意
義は乏しいと考えます。
余命が十分にある場合でも前立腺がん検診を行うべきかどうかは議論がある
ところです。
日本でも厚生労働省が推進しているがん検診(胃がん検診、子宮がん検診、
肺がん検診、乳がん検診、大腸がん検診)のなかに前立腺がん検診は含まれて
いない一方で、日本泌尿器科学会は推進の立場をとっています。
いずれにせよ、前立腺がん検診を受けるならば、メリット・デメリットを
きちんと理解した上で受けるべきでしょう。
http://apital.asahi.com/article/sakai/2013112200006.html
[カプセル内視鏡のんで大腸がん検査 1月から保険適用]
(朝日新聞 2013年11月21日)
【鈴木彩子】
「飲むだけ」のカプセル内視鏡で大腸のがんを探す検査が、来年1月から
公的医療保険の対象になる。
大腸がんは、がんの死因の上位だが、「恥ずかしい」などの理由で検診の
受診率が低い。
受診を促し、早期発見につなげるのがねらいだ。
藤田保健衛生大病院(愛知県豊明市)では保険適用に先駆けて、7日からこの
検査を始めている。
検査は、長さ3.1センチ、直径1.1センチのカプセル型の内視鏡をのみ込む。
2台の小型カメラとLEDライト、バッテリーが内蔵されており、1秒間に最大
35枚の画像が撮影できる。
データは随時、受診者が肩から提げたレコーダーに送信される。
数時間後、カプセルは便として排泄される。
肛門から細長い管を入れる従来の内視鏡検査と比べると、痛みと心理的負担が
ないことが利点だ。
カプセル内視鏡は、小腸用が2007年に保険適用されている。
大腸用は7月に国が製造販売を承認。
厚生労働省の中央社会保険医療協議会が今月6日、来年1月からの保険適用を
スピード承認した。
カプセルの価格は8万3100円。
ここに検査費用が加わり、3割負担なら1回数万円で受けられる見通し。
ただ、従来の内視鏡と違い、検査中に病変が見つかってもその場で治療
できない弱点もある。
精度もやや劣り、2011~2012年に国内3施設が行った治験では、66例中4例
(6%)で病巣を発見できなかった。
http://www.asahi.com/articles/NGY201311190022.html
(朝日新聞 2013年11月21日)
【鈴木彩子】
「飲むだけ」のカプセル内視鏡で大腸のがんを探す検査が、来年1月から
公的医療保険の対象になる。
大腸がんは、がんの死因の上位だが、「恥ずかしい」などの理由で検診の
受診率が低い。
受診を促し、早期発見につなげるのがねらいだ。
藤田保健衛生大病院(愛知県豊明市)では保険適用に先駆けて、7日からこの
検査を始めている。
検査は、長さ3.1センチ、直径1.1センチのカプセル型の内視鏡をのみ込む。
2台の小型カメラとLEDライト、バッテリーが内蔵されており、1秒間に最大
35枚の画像が撮影できる。
データは随時、受診者が肩から提げたレコーダーに送信される。
数時間後、カプセルは便として排泄される。
肛門から細長い管を入れる従来の内視鏡検査と比べると、痛みと心理的負担が
ないことが利点だ。
カプセル内視鏡は、小腸用が2007年に保険適用されている。
大腸用は7月に国が製造販売を承認。
厚生労働省の中央社会保険医療協議会が今月6日、来年1月からの保険適用を
スピード承認した。
カプセルの価格は8万3100円。
ここに検査費用が加わり、3割負担なら1回数万円で受けられる見通し。
ただ、従来の内視鏡と違い、検査中に病変が見つかってもその場で治療
できない弱点もある。
精度もやや劣り、2011~2012年に国内3施設が行った治験では、66例中4例
(6%)で病巣を発見できなかった。
http://www.asahi.com/articles/NGY201311190022.html
[胆道がん特有の遺伝子変化発見]
(NHK 2013年12月3日)
年間2万人がかかる胆道がんに特有の遺伝子の変化を、国立がん研究
センターのグループが発見し、この変化をターゲットにした新たな抗がん剤の
臨床試験が来年夏にも始まることになりました。
5年生存率が20%余りと低い胆道がんの治療を変える可能性があると期待
されます。
胆道がんに特有の遺伝子の変化を発見したのは、国立がん研究センター
研究所の柴田龍弘分野長のグループです。
胆道がんは年間およそ2万人がかかりますが、治療が難しく、5年生存率は
20%余りにとどまっています。
研究グループでは、胆道がんの患者66人から提供されたがんの組織を詳しく
分析し、「FGFR2」と呼ばれる遺伝子の一部が大きく変化していることを
突き止めました。
抗がん剤の開発に使える胆道がん特有の遺伝子の変化が見つかったのは
初めてで、研究グループでは、この変化をターゲットにした新たな抗がん剤の
臨床試験を来年夏にも始めることにしています。
柴田分野長は「胆道がんは日本や中国などアジアで患者が多いが、治療が
難しい。この遺伝子をターゲットにすることで、新しい薬の開発を急ぎたい」
と話しています。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20131203/k10013524541000.html
(NHK 2013年12月3日)
年間2万人がかかる胆道がんに特有の遺伝子の変化を、国立がん研究
センターのグループが発見し、この変化をターゲットにした新たな抗がん剤の
臨床試験が来年夏にも始まることになりました。
5年生存率が20%余りと低い胆道がんの治療を変える可能性があると期待
されます。
胆道がんに特有の遺伝子の変化を発見したのは、国立がん研究センター
研究所の柴田龍弘分野長のグループです。
胆道がんは年間およそ2万人がかかりますが、治療が難しく、5年生存率は
20%余りにとどまっています。
研究グループでは、胆道がんの患者66人から提供されたがんの組織を詳しく
分析し、「FGFR2」と呼ばれる遺伝子の一部が大きく変化していることを
突き止めました。
抗がん剤の開発に使える胆道がん特有の遺伝子の変化が見つかったのは
初めてで、研究グループでは、この変化をターゲットにした新たな抗がん剤の
臨床試験を来年夏にも始めることにしています。
柴田分野長は「胆道がんは日本や中国などアジアで患者が多いが、治療が
難しい。この遺伝子をターゲットにすることで、新しい薬の開発を急ぎたい」
と話しています。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20131203/k10013524541000.html
[ミドリムシで大腸がん抑制 兵庫県立大のグループ解明]
(神戸新聞 2013年11月28日)
ごく小さな藻類、ミドリムシの特有の成分に大腸がんを抑える効果がある
ことを、兵庫県立大環境人間学部(姫路市)などのグループがマウスの実験で
解明した。
がんの予防薬として使える可能性があるといい、成果が英国の学会誌「フード
アンドファンクション」電子版に掲載された。
ミドリムシはユーグレナとも呼ばれ、べん毛を動かして水中を泳ぎ、葉緑体で
光合成をする生物。
ビタミンやアミノ酸など栄養素が豊富で、腸内環境を整える働きもあると
され、健康食品としても利用されている。
大腸がんは食事の欧米化などに伴い増加傾向にあり、国内では年間約4万
5千人(2010年)が死亡。
肺がん、胃がんに続き、がんによる死因で3番目に多い。
同学部先端食科学研究センターと、ミドリムシを活用した機能性食品を開発
している会社「ユーグレナ」(東京)のグループが大腸がんを起こす物質を
マウスに投与して実験。
ミドリムシの成分のうち食物繊維「パラミロン」を切り刻んで食べさせた
結果、食べさせていないマウスの大腸と比べ、がんになる前段階の異常細胞の
数が約7割減った。
グループは、パラミロンが発がん性物質を吸着、体外への排出を促した
可能性があるとみて、詳しい仕組みを解明したいという。
渡辺敏明・先端食科学研究センター長は「パラミロンは大腸がんだけでなく、
その機能から花粉症や糖尿病を抑える可能性がある。これらについても研究
していきたい」と話す。
(金井恒幸)
http://www.kobe-np.co.jp/news/iryou/201311/0006530857.shtml
(神戸新聞 2013年11月28日)
ごく小さな藻類、ミドリムシの特有の成分に大腸がんを抑える効果がある
ことを、兵庫県立大環境人間学部(姫路市)などのグループがマウスの実験で
解明した。
がんの予防薬として使える可能性があるといい、成果が英国の学会誌「フード
アンドファンクション」電子版に掲載された。
ミドリムシはユーグレナとも呼ばれ、べん毛を動かして水中を泳ぎ、葉緑体で
光合成をする生物。
ビタミンやアミノ酸など栄養素が豊富で、腸内環境を整える働きもあると
され、健康食品としても利用されている。
大腸がんは食事の欧米化などに伴い増加傾向にあり、国内では年間約4万
5千人(2010年)が死亡。
肺がん、胃がんに続き、がんによる死因で3番目に多い。
同学部先端食科学研究センターと、ミドリムシを活用した機能性食品を開発
している会社「ユーグレナ」(東京)のグループが大腸がんを起こす物質を
マウスに投与して実験。
ミドリムシの成分のうち食物繊維「パラミロン」を切り刻んで食べさせた
結果、食べさせていないマウスの大腸と比べ、がんになる前段階の異常細胞の
数が約7割減った。
グループは、パラミロンが発がん性物質を吸着、体外への排出を促した
可能性があるとみて、詳しい仕組みを解明したいという。
渡辺敏明・先端食科学研究センター長は「パラミロンは大腸がんだけでなく、
その機能から花粉症や糖尿病を抑える可能性がある。これらについても研究
していきたい」と話す。
(金井恒幸)
http://www.kobe-np.co.jp/news/iryou/201311/0006530857.shtml
[麻酔法の違いが乳がん手術後の生存率に影響]
(HealthDay News 2013年10月15日)
乳がん手術時に用いる麻酔法が、がんの再発率と生存率に影響を及ぼす
可能性があることを、デンマーク、オーフスAarhus大学病院の研究
グループが報告した。
研究を実施したPalle Steen Carlsson氏によると、乳がん患者77人を対象と
した小規模研究で、6年間の追跡の結果、全身麻酔と神経ブロック注射を併用
した患者では13%にがんの再発がみられたのに対し、麻酔のみの患者では
37%だったという。
また、死亡率は併用群では10%、麻酔単独群では32%だった。
この知見は、米サンフランシスコで開催された米国麻酔学会(ASA)年次
集会で発表された。
がんの手術時には、血液中に遊離した腫瘍細胞がリンパ節や他の臓器に付着
することがある。
免疫系がそのような細胞を攻撃するが、手術や麻酔によって免疫系の作用が
低下する。
神経ブロックと麻酔を併用すると予後が向上する理由は明確にはわかって
いないが、1つの仮説として、術中や術後の痛みを十分に緩和すると、手術に
対するストレス反応が軽減すると考えられると、Carlsson氏は説明している。
また、術後に使用する麻薬性鎮痛薬の量を抑えられるために、がんの拡大
リスクが低減する可能性もある。
オピオイドには浮遊するがん細胞を攻撃するナチュラルキラー細胞を妨害する
作用があるという。
今回の研究では、全身麻酔して脊椎脇へ生理食塩水を注射する群と、全身
麻酔と局所麻酔注射(脊椎傍ブロック)を併用する群とに無作為に割り
付けた。
再発率と生存率の差のほか、6年後の医療記録から、併用法を用いた女性は
疼痛緩和のために必要とするオピオイドの使用が少ないことが判明した。
これまでの研究でも、過去の医療記録から、全身麻酔と局所麻酔の併用により
乳がんの再発と拡大のリスクが4分の1に減少することが示されていたが、
前向き研究は今回が初めてという。
米シティ・オブ・ホープ総合がんセンター(カリフォルニア州)のMichael
Lew氏によると、この知見は近年、麻酔医の間で注目されているという。
現在、米クリーブランド・クリニックを中心に1,100人強の乳がん患者を
対象とした5年間にわたる臨床試験が進行しており、さらに多くの情報が
まもなく得られることが期待される。
それまでは、乳がん手術を受ける女性は、オピオイドの使用をできる限り
少なくした全身麻酔を希望することを医師に伝えるようにと、同氏は勧めて
いる。
なお、学会発表された研究は、ピアレビューを受けて医学誌に掲載される
までは予備的なものとみなされる。
http://www.healthdayjapan.com/
(HealthDay News 2013年10月15日)
乳がん手術時に用いる麻酔法が、がんの再発率と生存率に影響を及ぼす
可能性があることを、デンマーク、オーフスAarhus大学病院の研究
グループが報告した。
研究を実施したPalle Steen Carlsson氏によると、乳がん患者77人を対象と
した小規模研究で、6年間の追跡の結果、全身麻酔と神経ブロック注射を併用
した患者では13%にがんの再発がみられたのに対し、麻酔のみの患者では
37%だったという。
また、死亡率は併用群では10%、麻酔単独群では32%だった。
この知見は、米サンフランシスコで開催された米国麻酔学会(ASA)年次
集会で発表された。
がんの手術時には、血液中に遊離した腫瘍細胞がリンパ節や他の臓器に付着
することがある。
免疫系がそのような細胞を攻撃するが、手術や麻酔によって免疫系の作用が
低下する。
神経ブロックと麻酔を併用すると予後が向上する理由は明確にはわかって
いないが、1つの仮説として、術中や術後の痛みを十分に緩和すると、手術に
対するストレス反応が軽減すると考えられると、Carlsson氏は説明している。
また、術後に使用する麻薬性鎮痛薬の量を抑えられるために、がんの拡大
リスクが低減する可能性もある。
オピオイドには浮遊するがん細胞を攻撃するナチュラルキラー細胞を妨害する
作用があるという。
今回の研究では、全身麻酔して脊椎脇へ生理食塩水を注射する群と、全身
麻酔と局所麻酔注射(脊椎傍ブロック)を併用する群とに無作為に割り
付けた。
再発率と生存率の差のほか、6年後の医療記録から、併用法を用いた女性は
疼痛緩和のために必要とするオピオイドの使用が少ないことが判明した。
これまでの研究でも、過去の医療記録から、全身麻酔と局所麻酔の併用により
乳がんの再発と拡大のリスクが4分の1に減少することが示されていたが、
前向き研究は今回が初めてという。
米シティ・オブ・ホープ総合がんセンター(カリフォルニア州)のMichael
Lew氏によると、この知見は近年、麻酔医の間で注目されているという。
現在、米クリーブランド・クリニックを中心に1,100人強の乳がん患者を
対象とした5年間にわたる臨床試験が進行しており、さらに多くの情報が
まもなく得られることが期待される。
それまでは、乳がん手術を受ける女性は、オピオイドの使用をできる限り
少なくした全身麻酔を希望することを医師に伝えるようにと、同氏は勧めて
いる。
なお、学会発表された研究は、ピアレビューを受けて医学誌に掲載される
までは予備的なものとみなされる。
http://www.healthdayjapan.com/
[目の病気 最新情報「白内障 年齢のせい?」]
(NHK きょうの健康 2013年10月28日)
白内障についての第1回。
白内障は水晶体がにごる病気で、高齢者に多いが、実は20代でも発症する。\若年ではアトピー性皮膚炎が原因となりうる。
<1.白内障とは>
白内障は、目の中でレンズの役割を果たす水晶体が白く濁る病気です。
水晶体が濁ると外からの光が目の中へ十分に入らなくなるので、物が見え
にくくなります。
加齢に伴って起こりやすく50歳代くらいから増え始めますが、若い人にも
起こります。
最近では、20~30歳代でも発症することが注目されています。
白内障の主な症状には、「物がぼやける」「まぶしく感じる」「薄暗い場所で
見えにくい」「左右の目で明るさが異なる」「片側の目で見ると二重や三重に
見える」などがあります。
症状が多彩なため、高齢者は白内障と気付かずに放置していることがあり
ます。
日頃から片側の目で見え方に異常がないかどうか調べ、異常が見られた
場合は、早めに眼科を受診することが大切です。
<2.白内障の原因>
程度に差はありますが、誰でも加齢とともに水晶体が白く濁ってきます。
白内障の大部分がこれに当たり、加齢性白内障といいます。
水晶体の中の皮質の成分が加齢に伴って変性することや、水晶体の中心にある
核が年を重ねるごとに大きく硬くなることなどにより起こります。
若い人に多く見られるのがアトピー性白内障です。
詳しいことはわかっていませんが、顔や目の周りに皮膚症状が強い場合に
起こりやすく、重症のアトピー性皮膚炎の患者さんの約1割に発症します。
そのほか、生まれつき白内障がある場合や、目の外傷、ステロイド薬の長期
内服が原因になることもあります。
<3.濁り方のタイプ>
白内障は、水晶体の濁り方によって4つのタイプに大別されます。
外側の皮質から濁るタイプは加齢性白内障に多く、明るい場所では症状が
現れにくいのですが、薄暗い場所では濁りが影響して見えにくさが出て
きます。
進行するとまぶしく感じたり、視界に霧がかかったように見え、中央が完全に
濁ると視力が低下します。
核から濁るタイプは加齢性白内障や強度の近視がある人に多く見られ、核が
濁って大きく硬くなると、近視が強くなり、物が二重三重に見えたりします。
水晶体の前側(前嚢下)中央から濁るタイプはアトピー性白内障の場合に多く
見られ、明るい場所で早い段階から症状が現れます。
水晶体の後ろ側(後嚢下)中央から濁るタイプは、ステロイド薬を長期間内服
している人に起こりやすく、わずかな濁りだけでも急激に視力が低下します。
白内障が疑われる場合は、細隙灯顕微鏡という装置で目の中を拡大して観察
する検査を行い、水晶体のどの部位にどの程度の濁りがあるかを確認します。
検査では瞳孔を開く目薬が使われ、検査後4~5時間は物がぼやけて見える
ので、検査後の予定に影響がないか確認しておきましょう。
http://news.goo.ne.jp/article/kenkotoday/life/kenkotoday-20131007-h-001.html
(NHK きょうの健康 2013年10月28日)
白内障についての第1回。
白内障は水晶体がにごる病気で、高齢者に多いが、実は20代でも発症する。\若年ではアトピー性皮膚炎が原因となりうる。
<1.白内障とは>
白内障は、目の中でレンズの役割を果たす水晶体が白く濁る病気です。
水晶体が濁ると外からの光が目の中へ十分に入らなくなるので、物が見え
にくくなります。
加齢に伴って起こりやすく50歳代くらいから増え始めますが、若い人にも
起こります。
最近では、20~30歳代でも発症することが注目されています。
白内障の主な症状には、「物がぼやける」「まぶしく感じる」「薄暗い場所で
見えにくい」「左右の目で明るさが異なる」「片側の目で見ると二重や三重に
見える」などがあります。
症状が多彩なため、高齢者は白内障と気付かずに放置していることがあり
ます。
日頃から片側の目で見え方に異常がないかどうか調べ、異常が見られた
場合は、早めに眼科を受診することが大切です。
<2.白内障の原因>
程度に差はありますが、誰でも加齢とともに水晶体が白く濁ってきます。
白内障の大部分がこれに当たり、加齢性白内障といいます。
水晶体の中の皮質の成分が加齢に伴って変性することや、水晶体の中心にある
核が年を重ねるごとに大きく硬くなることなどにより起こります。
若い人に多く見られるのがアトピー性白内障です。
詳しいことはわかっていませんが、顔や目の周りに皮膚症状が強い場合に
起こりやすく、重症のアトピー性皮膚炎の患者さんの約1割に発症します。
そのほか、生まれつき白内障がある場合や、目の外傷、ステロイド薬の長期
内服が原因になることもあります。
<3.濁り方のタイプ>
白内障は、水晶体の濁り方によって4つのタイプに大別されます。
外側の皮質から濁るタイプは加齢性白内障に多く、明るい場所では症状が
現れにくいのですが、薄暗い場所では濁りが影響して見えにくさが出て
きます。
進行するとまぶしく感じたり、視界に霧がかかったように見え、中央が完全に
濁ると視力が低下します。
核から濁るタイプは加齢性白内障や強度の近視がある人に多く見られ、核が
濁って大きく硬くなると、近視が強くなり、物が二重三重に見えたりします。
水晶体の前側(前嚢下)中央から濁るタイプはアトピー性白内障の場合に多く
見られ、明るい場所で早い段階から症状が現れます。
水晶体の後ろ側(後嚢下)中央から濁るタイプは、ステロイド薬を長期間内服
している人に起こりやすく、わずかな濁りだけでも急激に視力が低下します。
白内障が疑われる場合は、細隙灯顕微鏡という装置で目の中を拡大して観察
する検査を行い、水晶体のどの部位にどの程度の濁りがあるかを確認します。
検査では瞳孔を開く目薬が使われ、検査後4~5時間は物がぼやけて見える
ので、検査後の予定に影響がないか確認しておきましょう。
http://news.goo.ne.jp/article/kenkotoday/life/kenkotoday-20131007-h-001.html