白内障:若年ではアトピー性皮膚炎が原因となりうる | アクティブエイジング アンチエイジング
[目の病気 最新情報「白内障 年齢のせい?」]

(NHK きょうの健康  2013年10月28日)


白内障についての第1回。
白内障は水晶体がにごる病気で、高齢者に多いが、実は20代でも発症する。\若年ではアトピー性皮膚炎が原因となりうる。



<1.白内障とは>
白内障は、目の中でレンズの役割を果たす水晶体が白く濁る病気です。
水晶体が濁ると外からの光が目の中へ十分に入らなくなるので、物が見え
にくくなります。
加齢に伴って起こりやすく50歳代くらいから増え始めますが、若い人にも
起こります。

最近では、20~30歳代でも発症することが注目されています。

白内障の主な症状には、「物がぼやける」「まぶしく感じる」「薄暗い場所で
見えにくい」「左右の目で明るさが異なる」「片側の目で見ると二重や三重に
見える」などがあります。
症状が多彩なため、高齢者は白内障と気付かずに放置していることがあり
ます。
日頃から片側の目で見え方に異常がないかどうか調べ、異常が見られた
場合は、早めに眼科を受診することが大切です。



<2.白内障の原因>
程度に差はありますが、誰でも加齢とともに水晶体が白く濁ってきます。
白内障の大部分がこれに当たり、加齢性白内障といいます。
水晶体の中の皮質の成分が加齢に伴って変性することや、水晶体の中心にある
核が年を重ねるごとに大きく硬くなることなどにより起こります。


若い人に多く見られるのがアトピー性白内障です。
詳しいことはわかっていませんが、顔や目の周りに皮膚症状が強い場合に
起こりやすく、重症のアトピー性皮膚炎の患者さんの約1割に発症します。

そのほか、生まれつき白内障がある場合や、目の外傷、ステロイド薬の長期
内服が原因になることもあります。



<3.濁り方のタイプ>
白内障は、水晶体の濁り方によって4つのタイプに大別されます。

外側の皮質から濁るタイプは加齢性白内障に多く、明るい場所では症状が
現れにくいのですが、薄暗い場所では濁りが影響して見えにくさが出て
きます。
進行するとまぶしく感じたり、視界に霧がかかったように見え、中央が完全に
濁ると視力が低下します。

核から濁るタイプは加齢性白内障や強度の近視がある人に多く見られ、核が
濁って大きく硬くなると、近視が強くなり、物が二重三重に見えたりします。

水晶体の前側(前嚢下)中央から濁るタイプはアトピー性白内障の場合に多く
見られ、明るい場所で早い段階から症状が現れます。

水晶体の後ろ側(後嚢下)中央から濁るタイプは、ステロイド薬を長期間内服
している人に起こりやすく、わずかな濁りだけでも急激に視力が低下します。


白内障が疑われる場合は、細隙灯顕微鏡という装置で目の中を拡大して観察
する検査を行い、水晶体のどの部位にどの程度の濁りがあるかを確認します。
検査では瞳孔を開く目薬が使われ、検査後4~5時間は物がぼやけて見える
ので、検査後の予定に影響がないか確認しておきましょう。




http://news.goo.ne.jp/article/kenkotoday/life/kenkotoday-20131007-h-001.html