「有形ブロック」という言葉がある。
玩具マニアに使われはじめて久しい。
とくにタカラオリジナルトイのファンには魔法の言葉に近い。
10年ほど前のフィギュアブーム、ミクロマンの復刻などともに
見直された言葉であると思う。
ミクロマンがロングセラーであった理由のひとつであると。
影響を受けたクリエイターが多いせいか、有形ブロック玩具と呼ばれる
(あるいは恣意的にそう呼ばせようとしている)玩具が散見される。
しかしそれがミクロマンでいうところの「有形ブロック」であるかというと、
ちょっと違うような気がする。
思うに「有形ブロック」ではなく、ただの「ブロック」なのではないかと。
プリミティブな形(直方体とか円柱とか三角錐)ではない形状の
パーツの組み合わせ、組み替えて何かを創る。
これって「有形ブロック」か??? その形状、ホントに意味があるのか???
レゴブロックと何が違うのか???
単に形状に個性があるパーツを組み合わせる「ブロック遊び」であって
合体や変形が目的ではないように思える。
「有形ブロック」と称することによって、
「旧タカラ」がミクロマンで提示したような遊びが出来ますよ、
もっと穿っていえば、この商品が「旧タカラ」のコンセプトを継承しているのですよ、と
アピールするために使用しているような気がしてしまうのである。
そして組み替えて遊ぶことを「強要」されている気がするのである。
ミクロマンにおける5m/mジョイントの組み換えは
玩具の合体や変形が今日のようなパズルのようなものではなく、
パーツの差し替えによって行われ、組み替え前・組み換え後が
明確に存在していた。遊びをユーザーに任せきってはいないのだ。
そのうえで「君も自由に組み合わせてみよう」である。
そして、それ以前の大前提として、共通ジョイントを持つ
多数の商品がユーザーに対して提供されていることが重要である。
精緻なフィギュアと乗り物遊び、そのコンセプトが受け入れられ、
継続して多数商品を送り出せた結果「有形ブロック」としての
遊びが生まれたのだと僕は思っている。
アッセンブルボーグやムゲンバインはハナっから
「ブロック玩具」を標榜している。「ブロック」であって
「有形ブロック」に分類しているのはユーザーのほうである。
ユーザーも参加してではあるが「組み替え例」も提示されている。
まあ、アッセンブルボーグに関しては「玩具」ではなく「フィギュア」だが。
「有形ブロック」というコンセプトはキャラマーチャン全盛の
現代の玩具においては受け入れられにくい。
合体も変形も極力映像作品どおりに「組み替え・差し替え」を回避し
余剰パーツが出ないことが是とされている。
「ミクロマン」という稀有な玩具が成立した時代背景や、
当時の玩具事情、子供たちの玩具への意識なども考えず、
まったく同じコンセプトを現在の子供たちに提供しても、
新しくも何にも無いので、受け入れられるはずが無い。
我々アラフォー玩具マニア以外に「有形ブロック」をアピールしても
ピンとくるはずが無い。それは我々世代のみの「幻想」なのである。
写真は2002年にPLAYMIND(香港SUNCO)社より発売された
ブロックトイ「X-JOINT」シリーズの商品である。
鉄アレイのような二重ボールジョイント(ジョイント径は共通)で、
パーツを組み替える。
末端肥大のデザインを効果的に使ったジョイント形状である。
大きいロボットに対してサポートメカがいる。
パーツを組み替え、補完して遊ぶことが出来る。
こんな風にバラバラになる。
ジョイント以外は個性的な形をしているので、
組み合わせられるものとそうでないものがある。
さらに、チープトイメーカーゆえの悲しさか、
勘合の渋みも一定ではなく、せっかくの組み合わせても
ポージングや形状を保持できなかったりする。
アッセンブルボーグのように全部が全部組み合わせられるのではなく、
形状の都合で組み合わせに制限があったりするので、
創造力にもよるとは思うが、ある程度の段取りで、
それなりのものが簡単に形作られる。
これも有形とはいいがたいがまさに「ブロック玩具」である。
サポートメカには、こういう四足歩行のものや、
鳥形のものもあった。
フックトイメーカーにしては野心的な玩具であったが、
現在は販売されていない。
ここへきて、ガンダムもパーツ換装で遊ぶようになってきた。
オリジナルのブロックトイがメジャーになるのは難しい時代なのである。
子供にどっちが欲しいって訊いたらそりゃ「ガンダム」って答えるだろうなw