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ほっこり中国茶しませんか?

英語と中国語を駆使しつつ美味しいお茶に巡り合う方法を模索しています。中国茶と、お茶にまつわる歴史が大好物です。

世界の茶商シリーズ。
 
第2回目は、お茶をたしなむ人ならば誰でも知るイギリスの世界的企業『Twinings』(トワイニング)を取り上げます。
 
トワイニング?お手頃なティーバッグの会社でしょう?子供の頃は飲んだけど、お茶にはまった人が手にとる商品じゃないよね』
 
と思ったそこのあなた。
 
そう、すでに茶沼に引きずり込まれているあなた
 
本家本元の『Twinings(イギリス)』と『トワイニング(日本)』とは商品ラインナップも、企業活動の範囲も全く異なります。
 
日本で販売されている商品は計35種類と種類も少なく、お手頃なティーバッグや粉末のスティックティーが主戦場です。
 
しかし、本家本元のイギリスのトワイニングでは低価格帯から高級路線までの様々な商品群を持ち、伝統的な商品から、現代的な商品まで幅広く取り扱うお茶の総合商社です。
 
今回も深くて広いお茶の世界へ飛び込んでいきたいと思います。
 
Twinings HP(イギリス)
トワイニング HP(日本)
 
トワイニングの歴史
 
日本のトワイニングのHPには『トワイニングストーリー』という年代ごとに歴史をまとめたページがあります。
 
1706年に創業したトワイニングの歴史を1700年代、1800年代、1900年代、2000年代(現在)と世紀ごとにまとめてあり、企業の歩みを大まかにつかむことができます。
 
 
創業300年の歴史を語ると長尺になるため、各年代の日本のHPの写真と、代表的な出来事を羅列して紹介に代えさせてもらいます。
 
1706年 1号店 Tom's Coffee House開店
1707年 2号店 イギリス初の紅茶専門店Golden Lion開店
1787年 TWININGSの名称、シンボル決定
1837年 ヴィクトリア女王より王室御用達授かる
 
 
商品のラインナップ
 
種類別の商品数をグラフにまとめました。横軸は商品数、分類はトワイニングの商品分類に合わせています。
 
いわゆる六分類の中では、紅茶と緑茶の二つに特化していることがわかります。
 
紅茶は
 
Black Tea(紅茶)30種類
Darjeeling(ダージリン)12種類
Assam(アッサム)8種類
 
と、分かれているのが面白いですね。
 
Black Tea(紅茶)=ブレンドティー」という位置づけで、複数の産地の茶葉をブレンドしたイングリッシュブレックファーストや、アールグレーなどの有名商品はこの紅茶(Black Tea)カテゴリーの中に含まれています。
 
茶葉を含まない商品は、ハーブティー42種類、ルイボスティー10種類、カモミールティー15種類、ミントティー23種類と数、バリエーションともに多いです。
 
全てティーバッグの商品であることが一番の特徴で、手軽+ローカロリー+カフェインレスというのが売りの商品です。
 
ギフト
 
Gifts(ギフト)の商品を見ていきます。これは見ているだけで楽しい!まずはお茶のお店なら定番の詰め合わせセット。
 
ふんふん、まあよくありますよね。様々な商品が一つの箱に詰まっていて、色々選べてうれしい!!って感じの商品です。こちらは木の箱に入った高級バージョン。
 
これを見て、「うん??どこかで見たような??」と感じたあなたは、海外の高級ホテル通です(笑)。
 
そう、ちょっとお高いホテルだとこのトワイニングの木箱をよく見かけますよね。ホテルの備品として各部屋のポットの横に置かれたあいつです。
 
 
だから、ほら。木箱だけで売られちゃってます。大きな木箱は一つ£44(5,911円)、結構なお値段ですね。
 
次は、Filled Jars(ジャー)。ティーバッグを詰め込んだガラス瓶です。
 
 
ジャーというと個人的には「タイガーマイコンジャー、炊っきったて」というフレーズが頭の中を駆け巡りますが(昭和ですね)、それは置いておきましょう。
 
蓋つきのガラス瓶のジャーはオランダに住んでいた時によく見ました。
 
この中に、クッキーやビスケットが入っていて、子供がぐずるとお母さんが「しょうがないなあ」と、かぱっと蓋を開けておやつをくれる。そんなどの家庭にも一つはあるものです。
 
 
詰め込まれている商品は散茶の入った三角パックのティーバッグです。三角パックは英語だとPyramid(ピラミッド)だそう。ほうほう。
 
 
 
 
Teaware(茶器)のページでは日本に関連する商品がありました。
 
Tokyo Design Studio』は2010年に設立されたデザインスタジオで東京とオランダに事務所を構え、商品はすべて日本の職人の手で作られていて、麻の葉文、青海波などの着物の文様をモチーフにされています。ティーポット、可愛いなあ。
 
気になる商品
 
個人的に深掘りしたくなったのは、『Superblends』というシリーズ。
 
茶葉をシリーズごとに並べた「Our Favorites」というタグがあるのですが、そこのトップ。つまり人気商品だと推測されます。
 
 
これも欧米でよく見るのですが、お茶と言いながら漢方のような効果を期待している商品です。
 
商品名も 
 
Vitarity(生命力)
Sleep(睡眠)
Calm(平穏)
Defence(防御)
 
とストレスの多い社会人が思わず手に取りそうなものばかり。有閑マダムはまず手に取らなさそうな、闇を感じる商品です。
 
 
Calm(平穏)は焙煎したチコリの根にカモミールを加えバニラフレーバーをつけ、ビタミンB3を配合した商品です。
 
お茶というカテゴリーで語っていいのかどうかわからない盛りまくった商品ですが、商品レビューにも闇を感じましたのでご紹介します。
 
"I now feel calm during the apocalypse."2020/3/21
私は今、この黙示録の中にいることを穏やかだと感じている。
 
イギリス人はどんな時でもブラックジョークを口にすると聞きますが、『黙示録』=『コロナが蔓延する世界』を指しているのだと思います。
 
やはり、闇が口を開けているようなブラックな商品でした、くわばらくわばら。
 
定番商品
 
トワイニングの定番人気商品と言えば、二大巨頭のイングリッシュブレックファースト(14種類)とアールグレー(25種類)があげられます。
 
特に、アールグレーは、1831年にリチャード・トワイニングが、当時のチャールズ・グレイ首相(アールグレイ伯爵)の依頼を受けて作ったことから始まったトワイニングが世界に広めたブレンドです。(起源については諸説あるようです)
 
このアールグレー25種類の内訳をみると、企業としてのターゲットが見えてきます。
 
 
まずはお手軽ライン。ティーバッグ100個入りで£4.99(669円)。レビュー272件ですから、横綱級の人気商品です。
 
トワイニングのティーバッグにはEnvelope一般的な平たいもの)と、Pyramid三角パック)の二つがあります。廉価版はもちろんEnvelopeタイプです。
 
 
続いて高級ラインの『Discovery Collection London Strand Earl Grey』。
 
三角のティーバッグ入り。中には散茶(Loose Tea)が入っており、見た目も美しいです。
 
15個入りで£6.50(871円)、一つ当たりの単価は廉価版の約10倍ですから特別な時に楽しむお茶という位置づけでしょうか。
 
"Strand"というのは本店のある住所の地名です。「地名を商品名に入れる=看板商品」と解釈できるところから、トワイニングが自信を持つ商品であろうと推測できます。
 
 
 
上記のLoose Tea(散茶)商品もあります。100g£9.50(1,274円)。
 
最高級ラインは『Earl Grey Citrus Loose Leaf Tea Gift Box
 
100g£25(3,353円)。ふう!!強気の値段!
 
Signature Blends』というシリーズの一つです。和訳が難しいですが「署名入りブレンド」が妥当でしょうか。
 
トワイニングが誇るマスターブレンダー茶師)が世界中から集めた特別な素材を使い作り上げたお茶だそうです。
 
 
Earl Grey Citrus Loose Leaf Tea: Philippa Thacker
English Morning Loose Leaf Tea : Michael Wright
Zanzibar Chai Loose Leaf Tea   : Andrew Whittingham
 
トワイニングに所属するマスターブレンダー達が独自にブレンドした紅茶は全7種類。
 
「ロンドンに出張に行ってきたから」と、これをお土産でさらっと渡されたら、くらっとくるお茶沼界隈の人は多そうです(笑)
 
こちらのアールグレーは中国東部の安徽省産の高品質なキームンの葉に、2000m以下の低地のセイロンをブレンドし、ベルガモットの風味を加えているそうです。
 
2000m以下の低地」とわざわざ書いてしまうあたりにイギリス人のいけずを感じますが、美味しいアールグレーは正義ですからね。素直に飲んでみたいです。
 
おわりに
 
今回の世界の茶商シリーズは、間違いなく横綱級のトワイニングを取り上げました。
 
書ききれませんでしたが、トワイニングの本店ではTea Experiences(茶体験)というお茶の試飲やブレンドができる体験型のプランもあって、行ってみたいです。
 
あと、レシピのコーナーではティーバッグを使った簡単に作れるアイスティーのコーナーがどれもおいしそう!

 
全体的に感じたのは、紅茶に興味のある人、ない人、お茶にお金をかけたい人、かけたくない人、全ての人々を対象とした、間口の広い会社だということです。
 
地引網のように根こそぎからめとる、そんな商売の上手さを感じました。
 
こちらのHPも見ているだけで楽しいですよ。こんな時だからこそ、ご自宅でウィンドーショッピングをお楽しみください!
皆様、お変わりなくお過ごしでしょうか。
 
私の住む関西も緊急事態宣言を受けて外出自粛に入り、人通りも車通りもまばらです。朝一番に耳にするのはウグイスの鳴き声。
 
静まり返った街並みの中を歩くと、桜の花びらが音もなくひらひらと舞い落ちてゆきます。SFの世界の中に紛れ込んでしまったのではないかと、時折不安な気持ちになります。
 
さて、大変な時だからこそ楽しく過ごすことも必要です。2019年12月から開始した『世界の中国茶店』のシリーズを今回は少し枠を拡大して、『世界の茶商』を紹介していきたいと思います。
 
The Republic of Tea

The Republic of Tea』はアメリカ、カリフォルニア州ラークスパー市にある企業です。サンフランシスコの北部、サンフランシスコの名所ゴールデンゲイトブリッジ(赤いつり橋)を渡ったところに本社があります。
 
 
なにその会社?聞いたことないよ?とお思いの方も、北米の現地スーパーにてお買い物されたことのある方なら、このパッケージ見たことある!と思うはずです。
 
日本の成城石井のような高級路線のスーパーTrader Joes、Whole Foods Marketなどでは、棚一面に色とりどりの茶缶が並んだ光景をよく見かけます。
 
 
企業背景も面白いです。『The Republic of Tea』は直訳すると『お茶共和国』。
 
なんだか聞き覚えのある名前だなあと思ってGoogle先生にお伺いを立てると、この会社はバナナリパブリックの創業者のMel Ziegler,Patricia Zieglerご夫婦が1992年に創業した会社だということです(Wikipediaより)。
 
ええっ!そうなの??と驚きながら書いていますが、創業2年後の1994年に会社はRon Rubin氏に譲渡され、2007年に入社した彼の息子のTodd Rubin氏とともに、全米の有名ブランドに育て上げたそうです。
 
The Republic of Tea』という設定を忠実に守るために、従業員を"Ministers"(大臣)、顧客を"Citizens"(市民)、商品の取扱店舗を"Embassies"(大使館)と表示しています。ユーモアを忘れないアメリカの会社らしいですね。
 
茶葉のラインナップ
 
 
茶葉の種類別の商品数をグラフにまとめました。横軸は商品数です。
 
欧米では『Tea』は一般的には『紅茶』を指します。紅茶の商品数が圧倒的に多いのだろうなと思っていたらさにあらず。紅茶79種類、緑茶78種類と、意外なことに緑茶と紅茶の商品数が拮抗しています。
 
欧米では緑茶や抹茶がブームだとニュースで時折見かけますが、『意識高い系だけの話だろう』と斜に構えてみていました。緑茶ブームは本当なのかもしれません。
 
緑茶の商品数が多いと言われると、商品のラインナップが気になります。
 
しかし、ずぼらで雑なアメリカ人たち(失礼)が、急須と茶器を温めたのち冷ましたお湯を注ぎ煎茶を淹れるというような手続きを踏んでお茶を飲むとはとても思えません(笑)。
 
きっと神経質で細かすぎる日本人の度肝を抜く独創的な商品が並んでいるはず!!早速、緑茶の商品を見ていきましょう。
 
緑茶の商品紹介
 
緑茶は大きく3種類の商品から成ります。
 
ティーバッグ(Tea Bag) 42種類
茶葉(Full-Leaf) 20種類
抹茶(Powder) 11種類
 
ふむ、一番人気は予想通りお手軽派のティーバッグです。意外にも抹茶は11種類と健闘しています。緑茶は世界各国で作られていますが、抹茶は日本の商品なので素直にうれしいです。がんばれ、日本の茶農家の皆さん!!
 
 
では、緑茶の人気上位8商品を見ていきましょう。見ていただきたいのはお値段。安い商品は$10.75、高い商品は$24ですから、毎日飲める日常のお茶という価格帯を狙っているのがわかります。
 
 
売上第二位のOrganic Turmeric Ginger Green Tea(有機ウコン生姜緑茶)。詳細ページを見ると、お値段の手頃さがよくわかります。ティーバッグ50個で$13.5。
 
ウコン+生姜+緑茶を組み合わせるというのがぶっ飛んでいて商品内容が頭に入ってきませんが、お値打ちですね。ウコンの香りが強くて緑茶の香りはかき消されそうですが、そこがまあアメリカンなんでしょう、うん。
 
そして栄えある売上第一位はDay of Tea Stackable Tin。三種類のお茶がそれぞれ小さな缶に入っていて、それを積み上げて一つの細長い缶になるように設計されています。
 
楽しい!気分によって好きなお茶が飲めるのはうれしいです。
 
 
 
三種類のお茶は、Ginger Peach Black Tea(生姜桃紅茶)、Honey Ginseng Green Tea(はちみつ朝鮮人参緑茶)、Good Hope Vanilla Rooibos Tea(希望のバニラルイボスティー)。( )内の和名は私の直訳ですのでニュアンスをお楽しみください。
 
 
第三位のGet Lost® Stackable Tea Tinは面白い!これも第一位Day of Tea Stackable Tinと同様に、三種類の缶を積み重ねた商品ですが、ダイエットを目的としたお茶です。
 
三種類のお茶は、Get Lean®(痩せよう)、Get Lost®(落とそう)、Get Burning®(燃やそう)。パッケージはカロリーを燃やすイメージで赤のグラデーションになっています。
 
遊び心がうれしい!ダイエットを決意したその日に、つい買い物かごの中に放り込んでしまいそうなお茶です。
 
抹茶の商品紹介
 
 
続いては抹茶の商品を見ていきましょう。人気上位は、ごく普通の抹茶で面白みに欠けるので、抹茶ブレンドシリーズ『U•Matcha®』を見ていきます。
 
左上から
 
Ginger(生姜)
Yuzu(ゆず)
Natural(自然)
Chia Seeds(チアシード)
Charcoal(炭)
Chai(チャイ)。
 
 
色々突っ込みたくなりますね。
 
まず、Charcoal(炭)、はい来た予想の斜め上。
 
色が黒っぽいですよね。なんと抹茶に『竹炭パウダー』入っちゃってます。そして飲み方はアイスティーにして飲む。斬新、斬新すぎるよ、お母さん。
 
 
次はChai(チャイ)、いや抹茶だけでいいやん、なんでさらにチャイぶっこむん??と頭の中に?が乱れ飛びますが、味わい方はさらに独創的。
 
カフェラテや朝のオートミールにブレンドしてお召し上がりください。
 
ええっ、つまりシリアルに抹茶パウダーと牛乳かけて食べろってこと??すごい、自由だなあ。
 
京都に行って、コーンフレークに欠けるための抹茶を下さいと聞いたら、
 
「いや~、すんまへんなあ~。うっとこそんなんおいてやしまへんわ。角の薬局行ってきはったらどうだす?」
 
(直訳:あんたみたいな素人に売る商品はない。とっとと帰りな)と、婉曲かつばっさりと切り捨てられそうです。
 
その他の人気商品
 
商品が面白すぎて、文章がなかなか前に進みません。The Republic of TeaのHPは自社商品を紹介する場でもあり、壮大なエンターテイメントの場でもあるという、不思議なワンダーランドです。
 
最後まで書ききれるのか不安に思いつつ、その他の人気商品を紹介していきたいと思います。しかし、いつも不安になるのは、商品を一切飲まずに文章を書いていることです。
 
当ブログはお茶の味ではなく、お店の特徴や商品のパッケージやホームページの楽しさだけをご紹介していることはお含みおきください。
 
 
春から夏にかけての暑い季節の人気商品と言えばアイスティー。もちろんあります、シリーズ名は『Iced Tea』全46商品。一番人気も飛ばしてますねぇ、Organic Matcha Coconut Water Iced Tea Pouches(有機抹茶ココナツウォーターアイスティー)。
 
 
そして、面白い商品も見つけました。Sonoma Rose Iced Tea(ソノマ薔薇アイスティー)。
 
ソノマと言えばナパバレーに近接する全米有数の高級ワインの産地です。アイスティーの茶葉の代わりに、ソノマで収穫された高級ワイン用のブドウの皮を利用されているそうです。
 
ワインの製造過程で出るブドウの皮は一般的には廃棄されるものですが、こんな使い方があるんだと目から鱗です。日本には入ってきていないだろうなあ。どんな味なんだろう、飲んでみたい。今度行ったら探してみよう。
 
The Republic of Teaの本社から、ソノマまでは車で30分ほどの距離。私も2009年に住んでいたエリアなので、親近感がわく会社です。
 
ワインの生産地の周辺には、美食の街や企業がつきものです。The Republic of Teaは、美味しいものにはお金と手間ひまを惜しまないというカリフォルニアという土地のDNAから生まれた会社のように感じます。
 
おわりに
 
今回は、全米の有名茶企業『The Republic of Tea』をご紹介しました。
 
文字数制限があって今回はここまで。ほかにもダウントンアビーとタイアップした商品のパッケージの可愛さとか、お茶の味は無視してもっとパンチの効いた香りをつけろと熱く語るコメント欄とか、突っ込みどころ満載で、お茶好きで英語もそこそこ読める人なら、半日ぐらい楽しめるHPの仕上がりになっています。
 
全体を通して感じるのは、『気軽に楽しくお茶を飲もうよ』というメッセージです。この姿勢は貴族社会のアフタヌーンティーの習慣から広まったイギリスの紅茶文化とは違うんだろうなと、アメリカのお国柄を感じることが多かったです。
 
毎日そばにいてくれてちょっと気分を上げてくれるそんな魅力のある商品たちでした。

さて、『世界の中国茶店』巡りの旅。二店目はイギリスはロンドンにある『The Chinese Tea Company』を紹介致します。まずお詫びですが前回の『The Chinese Tea Shop』とほとんど店名が一緒で分かりにくい!!

 

同感です。しかし、こちらのお店はとても情熱的です。オーナーが足しげく中国の茶産地に通って、自分の目で見て納得したものだけを提供しているため商品情報が充実しています!それに加えて商品としての中国茶だけではなく、体験としての中国茶のプログラムも魅力的です。

 

さて、今回はどんなお店なのか楽しみに書いていきたいと思います。

 

The Chinese Tea Company

 

The Chinese Tea Company』はイギリスのロンドンに実店舗を構えるお店です。今回も行ったことのないお店のため、お店のHPの写真をお借りしながら説明させていただきます。

 

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◎住所

 14 Portobello Green Arcade,

 281 Portobello Road, London W10 5TZ, U.K.

◎HP

 https://the-chinese-tea-company.com/

 

創業者

 

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写真のJuyan Websterさんが『The Chinese Tea Company』の創業者です。名前と現在イギリス在住であることから察するに、イギリス人と結婚され、ロンドンで会社を興されたようです。

 

Juyan Websterさんは龍井茶の産地として名高い浙江省出身。彼女の実家はお茶の生産を家業にしており、彼女自身も子供のころから茶摘み、茶葉の加工、販売に携わってきました。

 

当初は、友人や同僚にお茶をグラム単位で販売する程度のスモールビジネスだったのですが、2010年に会社を興して本格的な商売を開始しました。

 

"Tea is in her blood."

 

彼女の血液はお茶で出来ている(意訳)。印象的なフレーズです。

 

ABOUT US』によると、彼女は毎年、5つの茶産地に足を運び、それぞれ一週間滞在し、納得したバッチの茶葉だけを買い付けて来ているそうです。

 

熱量のある文章は、英語であってもその熱が伝わってきます。日に焼けた化粧っけのない顔、茶畑での作業風景などの写真を見ても、誠実な仕事をする人柄が感じられます。

 

茶葉のラインナップ

 

The Chinese Tea Company』の『お茶の種類と商品数』をグラフ化しました。横軸は商品数です。岩茶は青茶(Oolong)にカウントされていましたが、明確にカテゴリーが分かれていたため、グラフ内では『岩茶の商品数=10』として表示しています。

 

一見すると青茶が多いものの、全種類バランスよく商品を持っているように見えます。

 

下の写真はHPのお茶の一覧ですが、『Oolong Tea』つまり青茶に4つの小分類が設けられています。いいですねえ~。こだわりの始まりです。

 

Oolong Tea』の小分類を見ていくと『Tie Guan Yin』(鉄観音)、『Phoenix Dan Cong』(鳳凰単叢)、『Wu Yi Rock Tea』(武夷岩茶)、『Alisan』(阿里山烏龍茶)の4種類です。

 

おそらく彼女が毎年茶産地に足を運ぶのは、この4つ+故郷の龍井の茶畑なのだと思います。さて、次の項でそんな彼女の熱いお茶の解説を見ていきたいと思います。

 

 

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茶葉の商品紹介

 

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彼女が通う茶産地の一つ、武夷山の岩茶『Wu Yi Rock Tea-Big Red Robe-Da Hong Bao』(大紅袍)の紹介を見ていきます。

 

茶王ともいわれる、武夷岩茶の中でも最も有名なお茶です。ただし、本物の母樹は3本しかなく(これは4本、6本など諸説あり)、偽物が多く出回りやすいお茶だともいわれています。

 

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商品紹介

 

大紅袍の商品紹介です。福建省北部の武夷山で栽培され、花と樹木の両方の香りを併せ持つ、味のバランスの良いお茶。大紅袍の希少性、明王朝で驚くほどの値段で取引されていたそうです。

 

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Tasting Note

 

これは日本語訳すると『試飲メモ』とでも訳すのでしょうか。試飲メモだと一気に間抜けな感じがするのは私だけ??(笑)

 

それにしても、イギリス英語は美しくてお茶の香り、味の表現も洗練されているなあとうっとり。短く端的で詩的な文章を読んでいると、お茶の香りまで伝わってくるような気がします。

 

 


産地

 

この図は分かりやすいです。赤で示されているのは産地の福建省。武夷山の茶師Wuさんの茶畑でつくられているそうです。畑まで指定されているところが、信頼性を高めてくれます。

 

 


収穫時期と製茶方法

 

2018年5月に一芯三葉で摘まれて半発酵させた後、高温で二度加熱します。

 

 


お茶の入れ方
 
一般的な入れ方と、工夫茶の入れ方の両方が載っています。infusionsはお茶の抽出という意味で使われています。

 

体験型イベント‐テイスティング
 
The Chinese Tea Company』には体験型のプログラムがいくつか用意されています。一つ目は『Tea Events』、テーマに沿ったお茶を試飲して飲み比べていくイベントです。月1~2回の頻度で開催され、お値段は一人£30ポンド(4,285円)
 

2020年2月に開催される烏龍茶をテーマにした回の内容を見てみましょう。
 
 
紹介されるお茶は下記の5種類。
 
①『Tie Guan Yin』(鉄観音:青茶)
②『Bai Yai Strange Orchid』(奇蘭:岩茶)
③『Da Hong Pao』(大紅袍:岩茶)
④『Phoenix Dan Cong-Duck Shit Aroma』(鳳凰単叢‐鴨糞香)
⑤『Alishan High Mountain』(阿里山高山茶:青茶)
 
定番の①鉄観音から始まって、②岩茶→④鳳凰単叢で力強く体を温めるお茶を頂き、最後に⑤阿里山で口の中を爽やかにし、中国茶の余韻を楽しむというメニューですね。いいなあ。私も体験してみたい。
 
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そのほかにも、生プーアール、ビンテージ茶の試飲会も催されています。人気のようで、すでに売り切れている商品もあります。

 
体験型イベント‐中国茶を巡る旅
 
二つ目の体験型イベントは『Tea Tour of China』中国茶を巡る旅です。お値段は12日間で一人£2,850ポンド(407,081円)、食事、宿泊代込み。飛行機代は含まれないということです。さて、詳しい内容を見ていきましょう。
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一日目
上海に現地集合。
二日目
江蘇省宜興市に赴き、宜興茶壺(Yixing Teapot)の陶房を訪問し、制作過程の説明を受けた後、著名な陶工の指導の元、紫砂の粘土を使って自分のオリジナル急須をつくります。
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三日目
緑茶と黄茶の生産で有名な浙江省の莫干山に移動。茶摘み体験をした後、製茶工場にて製茶過程を見学し、様々なグレードの緑茶、黄茶、紅茶の試飲をします。
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四日目
杭州の西湖のほとりで一休み。
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五日目

国立茶葉博物館を見学した後、龍井村に向かいます。観光地化されていない生産地の村にお邪魔して、食事をとり、龍井の茶畑で茶摘みを体験します。

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六日目

杭州→安徽省黄山に移動。ケーブルカーで山頂に上がりそこで宿泊。

七日目

黄山ハイキングを楽しむ日。

八日目

黄山→福建省武夷山に移動。

九日目

武夷山市下梅に滞在。

(このあたりは移動が大変そう)

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十日目

岩茶の里、武夷山にある大紅袍の母樹(樹齢350年以上)を見学します。午後は茶農家のテイスティングルームを訪れて岩茶の試飲と、10種類の闘茶(どのお茶かを当てるゲーム)を行います。(現地で岩茶の飲み比べ、贅沢すぎて涙が出ます)

 

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十一日目

茶師Wuさんの茶畑を訪れ、岩茶はどのような茶状態の茶葉を摘むのか、岩茶の生産過程などを教えてもらいます。最後に工夫茶方式で、岩茶の淹れ方を練習をします。

十二日目

最終日。上海に戻る。

 

おわりに

 

すごい!とにかくすごい!これが書き終わった感想です。茶葉の知識が豊富な方ならたくさんいると思うのですが、彼女の知識は実際に茶葉生産の全過程を体験して習得した『生きた知識』です。

 

各地の茶農家に顔を出し、作業を手伝い、長い時間をかけて信頼関係を築いて、生産過程を教えてもらうのにどれだけの時間が必要なのでしょうか。積み重ねてこられた時間と情熱が、彼女の周りに幾重にも重なった茶文化を形成しているような、そんな深い知性を感じるお店でした。