ほっこり中国茶しませんか?

ほっこり中国茶しませんか?

英語と中国語を駆使しつつ美味しいお茶に巡り合う方法を模索しています。中国茶と、お茶にまつわる歴史が大好物です。


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久しぶりの世界の茶商シリーズは、カナダのCamellia Sinensis(カメリア・シネンシス)を取り上げたいと思います。

 

カメリア・シネンシスとは『茶の木』のこと、茶沼住民はこの言葉を聞くと、なんとなくそわそわし始める魔法の言葉でもあります(笑)

 

このお店を知ったのは『Tea-History Terroirs Varieties』という本を読んでからです。

 

Tea: History Terroirs Varieties

 

 

 

直訳すると『茶-歴史、土地、品種』という題名のこの本は、ページのほとんどを中国、日本、台湾、インド、スリランカ、ネパール、ベトナム、東アフリカなどの代表的な茶産地での茶の歴史、製造工程、代表的な品種などをまとめた本です。

 

英語で書かれた本ゆえに、写真や項目の拾い読みになりますが、ざっくり目を通していくといくつかの特徴がありました。一つ目は下記に示す各国の掲載ページ数です。

 

一昔前、英語圏の国では『お茶』といえば『紅茶』を意味していました。ですので、お茶に関する本もほとんどが紅茶に特化したものが多かったです。

 

自ずと『お茶』に関する本も紅茶に焦点をあてて書かれたものが多く、10年ほど前の本屋のお茶コーナーには英国流のお茶の指南書がずらりと並んでいたものでした。

 

 

さて、この本の中の各国の掲載ページ数を図示したものを見ていきましょう。

 

紅茶の主な産地のインドこそ32Pと掲載ページ数は多いものの、他の紅茶産地の東アフリカ(主にケニア)、ネパール、スリランカの扱いが小さいことが分かります。

 

いわゆる六大茶の全てを作る中国の扱いが54Pと最も大きく、緑茶に特化した日本が36P、烏龍茶に特化した台湾が30Pと東アジア勢の勢いが強いことが分かります。

 

世界各国の茶商のHPを見ていても、緑茶、抹茶、烏龍茶、台湾茶の扱いが大きくなっていることは感じていたのですが、数字で出すとどこに興味がもたれているのか一目瞭然ですね。

 

日本茶の今後の伸びしろも見通せる図です。

 

もう一つこの本の特徴として挙げられるのは、『歴史のうんちくが少ない』こと。これ、割と大事だと思います。

 

私も世界各国の茶商からポチポチお茶を購入しているのですが、うんちくが長すぎるお店はまず避けます。

 

お茶は農産物ですので、環境、生産方法、生産時期、生産者の方針など、『どのように作られたか』を丁寧に説明してあるお店を選ぶと、外れ茶葉を引き当てる確率はぐっと下がります。

 

説明が丁寧=茶商が自ら直接現地に足を運んでいることが多く、中間マージンがカットされるため価格も抑えられていることが多いです。

 

逆に歴史のうんちくがやたら長く、茶葉の価格が高い店は要注意。雰囲気で茶葉を売ろうとするお店なので、正直コスパが悪いです。

 

本に関しても同じで、うんちく本は主観的な文章ばかりで写真、図に乏しく内容がスカスカのことが多いです。特に中国語で書かれた中国茶の本は要注意、現物を見ないと絶対に買えません。

 

Camellia Sinensis

 

今回取り上げるカメリア・シネンシスは『Tea-History Terroirs Varieties』の著者である4人の白人男性が経営する茶商になります。

 

経営者のお写真はこちら。好きなことを仕事にしている自由な感じが顔に滲み出ています。

 

 

実店舗もあって、カナダのモントリオールに2店舗、ケベックに1店舗を構えているようです。

 

ケベック州と聞くと高校時代の地理の勉強が頭をよぎりますが、カナダ東部に位置し、カナダ国内では唯一公用語がフランス語となる州です。

 

それもあってか店舗のHPは英語(EN)と、フランス語(FR)の二つの言語で書かれています。

 

 

モントリオールの実店舗の写真です。

ううっ、ずらっと並んだ茶缶が素敵。

 

 

茶葉だけじゃなく茶器も充実してます。外出して茶器をふらっと買いに行けない今現在、この写真は目に毒です(泣)

 

茶沼住民はね、ペタペタ触って感触を確かめてから買いたいんです、茶器に関しては。

 

 

更に喫茶部門もあるようです。カナダ東部在住だったら間違いなく通います。寒い異国の地で温かいほうじ茶とか出てきたら泣きそうになる自信があります。

 

商品のラインナップ

 

種類別の商品数をグラフにまとめました。

 

横軸は商品数、分類はカメリア・シネンシスの商品分類に合わせています。

 

 

六分類のお茶は全て網羅していて、きれいに白茶から順に分類されています。

 

紅茶の78商品に対して、緑茶は80商品。著書のページ配分に似て、緑茶の取り扱いが多いのが印象的です。黒茶も35商品と取扱数が多いですね。この数だけ見ても、中国茶、日本茶沼に焦点が当たっている感触がします(笑)

 

ホームページの特徴

 

 

カメリア・シネンシスのHPで素敵だなあと思うのはお茶や茶器の種類を示すアイコン。

 

可愛らしいだけではなく視覚的にも見やすく、私のような英語、フランス語が母語ではない人間が見ても楽に商品を選択できるようになっています。

 

 

そして、アイコンが充実しているためにお茶の絞り込み作業が楽ちんです。緑茶の茶葉を選択してみると、上記のような画面が出てきます。

 

注目してほしいのは左側の絞り込みのためのアイコンの数々です。上から見ていくと下記のような順に絞り込みができるようになっています。

 

 

Tea Style     (茶種)

Country  (国)

Culture   (有機、フェアトレード)

Type       (フレーバー、チャイ等)

Format   (散茶、ティーバッグ等)

 

絞り込み機能自体は珍しいものではありませんが、英単語だけで書かれるよりもアイコンがあると選びやすいなあと感じます。

 

そして、商品のバリエーションの幅広さにも目を見張るものがあります。

 

日本では緑茶=煎茶、玉露、ほうじ茶、番茶以上。みたいな鉄の掟がありますが、ここでは日本茶、中国茶の普通の散茶に加えて、ニルギリの茎茶や、緑茶のチャイがあったり、もちろんフレーバーティーもあり、自由な世界が広がっています。

 

私が海外の茶商に惹かれる理由は、このおおらかで自由にお茶を楽しむ姿勢なんだろうなぁ。

 

国別茶葉銘柄数

 

 

 

国別の茶葉銘柄数をグラフ化しました。

 

中国の茶葉が多くなりそうなのは先ほどの黒茶の35商品からも察していましたが、ぶっちぎり第一位の96商品。次点はインド56商品ですが、日本も健闘して40商品。

 

カメリア・シネンシスの地元ケベックが5商品きちんと別項目で記載されているところも好き。

 

 

カナダは寒いのにお茶作れるのかしらと思ったら、お茶ではなくハーブティーですね。でも、地元の商品を大事にしてラインナップに入れる姿勢は企業として大事だと思います。

 

気になる日本茶の商品の内訳をグラフにします。

 

 

Wow、マニアック!

 

煎茶だけで13商品あります。もちろん深蒸しかそれ以外かもきっちり商品表示あり。深蒸しは一種類でした。

 

英語圏のお店だと、妙に抹茶と玉露がゴリゴリ押されて後は商品展開が適当だったりするのですが、カメリア・シネンシスは日本茶に本気だってことがよくわかります。

 

和紅茶、釜炒り茶、かぶせ茶というラインナップは、相当日本茶を知り尽くしていないと手に取らない商品です。

 

それがカナダで普通に売られているというのは驚きです。日本のお茶屋さんの商品数をしのぎそうな気すらします。

 

日本茶の英語名

 

日本茶の英語名をまとめてみました。

 

 

煎茶   (Sencha

玉露   (Gyokuro

抹茶   (Matcha

番茶   (Bancha

茎茶   (Kukicha

玄米茶    (Genmaicha

ほうじ茶 (Hojicha

釜炒り茶   (Kamairicha

かぶせ茶   (Kabusecha

 

中国茶とは違い、そのままローマ字読みで表記されることが多いです。

 

えっ、それでいいの?と若干拍子抜けする直訳加減です。

 

 

 

カメリア・シネンシスの日本茶のラインナップです。上記で半分程度。

 

この写真だけでも、日本茶へのこだわりがよくわかります。茶葉の写真が美しいですね。

 

玉露の茶葉の違い(色合い、細さ、直線性)なども写真である程度見分けられます。『玉露』一つをとっても6商品と選択肢が多いため、違いを分かってもらうための工夫が写真に表れているなと思います。

 

茶葉の紹介ページ

 

さて、カメリア・シネンシスのHPでは、商品紹介で個々のお茶を紹介するページもまた味わいがあります。

 

一例として台湾の阿里山烏龍茶(Ali Shan)を見ていきたいと思います。

 

 

茶葉を選択するとトップページは上記のようになります。

 

一瞬、あれテキスト情報少なくない?と首をかしげましたが、じっくり見ていくとさにあらず。

 

まず、茶葉の写真の下に小さな写真が載せられていてそれを見ていくと、

 

 

カメリア・シネンシスの中の人が直接茶畑に足を運び、生産者に話を聞いている写真が載っています。

 

この時点で美味しいのは決定ですが、この現地情報をきっちりキャッチしている部分が、右下のアイコン表記部分。

 

Cultivatar          (品種)

Producer           (生産者)

Altitude             (標高)

Date of Harvest(収穫日)

 

収穫日の記載=茶農家との関係が緊密ということになりますし、生産者が顔を出しているということは、品質の確かさを保証していることを意味します。

 

収穫日をあいまいにして、古い茶葉を売る店も残念ながら存在しますから・・・。ありがたい情報です。

 

 

さらにスクロールして進むと、産地お茶の飲み方が書かれています。

 

お茶の飲み方は茶葉の量、湯温、洗茶の有無、一煎目、二煎目、三煎目までの抽出時間が一覧になっています。

 

二煎目、三煎目がフォーマットとして普通に表記されているのもすごいことです。一煎でスカスカになる茶葉、ありますもの(涙)

 

地図の仕組みも面白いです。

 

普通なら産地をテキストで書きたくなるものですが、ここでは地図内に産地がプロットされるだけ。

 

これで終わりかと思いきや更に一工夫。

 

 

地図をクリックすると台湾全体の地図が現れます。

 

緑色の山マークは烏龍茶、茶色い+マークは紅茶の生産地(日月潭)を示します。

 

もちろんそれぞれのマークをクリックすると、茶葉の商品ページに誘導される仕掛けです。

 

すごいこだわり。そして感覚的に扱えるよくできたHPです。意図的に文字情報を減らしてるんだろうな。

 

 

そしてページの最後に大事な情報が!

 

フレーバーホイール、つまり香りの傾向を示した図です。下記の六種類に分類されています。

 

Floral      (花)

Fruity      (果実)

Wooded  (樹木)

Earthy     (大地)

Spice      (香辛料)

Vegetal   (野菜)

 

オンラインショップでお茶を買うときに困るのが、『どのお茶を買うべきか?』ということ。

 

カメリア・シネンシスで台湾烏龍茶を選ぶと16商品が出てきます。

 

この中からどれを選ぼうかというときにはまず『香り』から選ぶと予想と違った・・・という外れが少ないと思います。

 

華やかな香りがお好きな方はFloral(花)、

果実の香りがお好きな方はFruity(果実)

野菜の香りがお好きな方はVegetal(野菜)、

 

私は焙煎の強い鉄観音が好きなのでWooded(樹木)、Earthy(大地)が強いタイプを選ぶと、好みのお茶が届く確率がぐんと上がります。

 

100gが飲みきれない問題

 

ここまで見てきて、カメリア・シネンシスは購買者への気配りが行き届いた会社だなぁと感じ入っているところなのですが、私が一番素晴らしいと感じたのはなんといっても『サンプル』。

 

あれこれ飲みたい茶沼住民を悩ませる問題の一つは、

 

50g、100gが多すぎて飲みきれない

 

これもうねえ、結構切実ですよ。

 

毎日入れ替わり立ち代わり、世界各国のお茶をいただきたいのに、販売単位は高級茶を除いて『50g』もしくは『100g』のことが多いんです。

 

私は大体一回に4gの茶葉を使うのですが、100gだと25回飲まなきゃいけないんですよ。

 

しかも中国茶は半日飲めたりするから25日同じ茶葉を飲み続けるとか・・・、拷問です。

 

ただしそのお茶の個性をつかみ取るまでに3~4回程度かかりますので、15g~20gのパッケージがあると本当にありがたいんです。

 

さて、そんな茶沼住民の願いを実現しているのがカメリア・シネンシス。

 

 

青でマーカー引いた箇所に、サンプルが別項目である!

 

 

で、サンプルをぽちっと押すとずらっと商品が出てくるんですが、その数なんと

 

162商品!

 

すっごい。茶葉が全268商品なので約半数にサンプルが存在することになります。

 

 

先ほどの阿里山烏龍茶の商品選択の部分をクリックすると、

 

サンプル15g、25g、50g、100g、250g、500g、1kgから商品を選ぶことが出来ます。

 

ティーバッグや、贈答用の箱入りのお茶以外は全てサンプルが存在します。

 

内容量は10g~20g程度で、価格も$3.37~$7.57程度。嬉しい値段設定、$10以下だと財布の紐ゆるゆるになります。

 

これ、紅茶沼であれこれダージリンの飲み比べをしてみたい人や、普洱茶沼で餅茶を買う前にサンプルで味を確かめたい方にもうれしいサービスだと思います。

 

おわりに

 

すごいなというのが書き終わった印象です。

 

お茶に対する造詣の深さ、経験値の高さがビシバシ感じられるお店です。

 

それでいて購入者への目配りも忘れない、お茶の敷居を低くしようとする努力もあちこちに見られました。もちろん価格的にもお手頃です。

 

私、近い将来にサンプルをしこたま買ってしまいそうです。中国緑茶が飲みたい。

 

オリジナルで普洱茶を作っている店には弱いなあ。絶対美味しいと猛進してしまう(笑)

 

久しぶりに購買意欲に火が付いた茶商でした。

 

世界の茶商シリーズ

 
過去の世界の茶商シリーズはこちらです。
 
◎ The Republic of Tea(アメリカ)→
◎ Twinings(イギリス)→
◎ Mariage Freres(フランス)→
◎ Kusmi Tea(フランス)→
◎ Dilmah前編(スリランカ)→
◎ Dilmah後編(スリランカ)→
◎ TEMA Tea(インドネシア)→
◎ DAVIDsTEA(カナダ)→
◎ HATVALA(ベトナム)→

 

 

ご無沙汰しております。

 

早いものでもう8月も終わり。2021年の2/3が終了です。今年も何も出来てないかも…と虚無感に襲われるのも年中行事です(笑)。


40代になると時間の流れは台風並みにごーっと音を立てて過ぎ去ります。さて、今回は最近のあれこれを書いていきたいと思います。

 

祝!幼稚園入園!

 

我が家の2021年の出来事で一番大きかったのは、これです。

 

私の住んでいる地域は、それほど幼稚園入園は難しくないのですが、息子を入れたいと思っていた幼稚園は、礼儀作法をきっちり仕込んでくれると人気の園だったため、入園倍率高めでした。

 

そこで入園の一年前からプレというお試し登園&入園優先枠を取るべく奔走し、何とかプレも通わせ、幼稚園に入園させることもできました。

 

息子は最初のころこそ行きたくない病を発病したものの、幼稚園のお友達や先生方が大好きで毎日楽しく通っています。

 

夏休み明けの現在はコロナのために、休園期間が長くなったりクラスを半分に分けて半分ずつ通園することになったり、落ち着きませんが、登園の日を楽しみにしている息子を見ると、いい幼稚園に出会えてよかったとつくづく思います。

 

私も関西に引っ越して10年以上経過しますが、初めてご近所に何人ものママ友が出来て、心穏やかに過ごしています。子育ての悩みやあれこれを笑いながら話せる環境はありがたいなあと思います。

 

新しい仕事

 

息子が幼稚園に入り、平日の日中に少し余裕が出来たある日のこと、東京に出張に行って帰ってきた主人が私に仕事を紹介してくれました。


聞けば私と主人の共通の知り合いが在宅で仕事をしてくれる人を探しているとの話でした。

 

メールで簡単に面接?をした後、あれよあれよという間に話は進み、その週には仕事のためのデスクトップパソコンを発注し、机、椅子など環境を整えました。


書斎部屋を乗っ取られた主人は若干おかんむりでしたが、主人の居場所もしっかり作って家族みんなが快適に過ごせるようになりました。

 

第一弾の仕事は完了、久しぶりに報告書を書きあげました。しばらく専門的な仕事から離れていたのでどうなることやらと思っていましたが、試行錯誤するうちになんとか形になりました。(最初の2~3週間は涙目で仕事してましたが(笑))

 

やれやれ一仕事終わったなと思っていたら、今度は別口からお仕事の声がかかります。


コロナの影響で、オンラインで仕事が出来れば、わざわざ会議室に出向かなくてもよい時代になって、子育て中で家に縛り付けられている主婦には追い風が吹いているように感じます。

 

自宅での仕事は、時間泥棒の通勤がないし、人に会わないのでコロナにかかることもなくて最高です。ただし、夏休み中は息子に散々邪魔されるのが玉に瑕でした。

 

「おかーしゃん、おといれぇ」

「おかーしゃん、こえみてぇ」

「じょうずにかけたでしょ、こっちきてよぅ」

 

私がパソコン仕事をしていると、おやつ、ごはんの時間以外は遊んでもらえないので、時計を読むのが上手になったのは良い副反応だったかなあと思います。

 

ワクチン接種

 

主人、私のワクチン接種2回目まで終わりました。主人は職域接種で8月上旬、私は大規模接種会場で8月末に打ち終わりました。

 

私は個人事業主なので職域接種の制度はないため、Twitterで情報収集をして、大規模接種用の接種券を早めに手に入れて、その後白熱の大規模接種会場の予約枠争いを制してようやく予約枠を手に入れられました。

 

2回目接種後は、ご多分に漏れず39度の発熱、倦怠感で2日ほど起き上がれませんでしたが、主人と息子の協力があって何とか副反応を乗り切れました。


特に主人が接種翌日の夕食にデリバリーの手配をしてくれていたのは助かりました。とてもご飯を作る気力はなかったです。

 

私は実家、義実家ともに親が高齢で面倒を見なければいけない状況なので、打つという選択肢しか考えていなかったのですが、打たない選択をする家族、知人もちらほら。


打つ打たないの意見の違いで分断が出来てしまうのもなんとも言えない虚しさを感じます。

 

お茶

 

お茶関係はTwitterで楽しんでおりました。タグをつけて毎日飲んだお茶を投稿する、他の茶沼の皆様のTweetにいいね!をつけて、写真の美しさや、どんなお茶を飲んでらっしゃるのかを見ているだけで、幸せな気持ちになります。

 

今年は海外のお店を開拓して、良質な中国茶をお手頃価格で手に入れたい!というのが大きなテーマだったので、Twitterでお茶を飲んで感想を言葉にして書くという作業がとても勉強になりました。

 

茶葉の状態、香り、口当たり、味など、自分でも書いて、先人の皆様の表現に触れているうちに、中国茶であれば文章を読んだだけで立体的に味が想像できるようになってきました。

 

茶沼といってもすそ野が広くて、カップ収集が好きな方、ダージリンなどの茶園ごとの味わいの違いに特化している方、写真を撮るのが好きな方、茶沼の入り口で恐る恐る足を踏み出している方、仙人の域に達している方、茶葉の収集育成に力を注ぐ方、まあ千差万別で見ていて飽きません。

 

茶葉はどれだけ高くても20g2000円程です。私の場合、茶葉にかけるお金は、毎月2000円~1万円ですので、お洋服1枚いかないくらいのお値段で毎日を豊かにしてくれるいい趣味に出会えたなあとつくづく感じます。

 

更にTwitterならではの楽しみは、日本茶の茶園をフォローしてお茶の感想を書き込むと、茶園の中の方からコメントを頂けることです。


今までならば、お茶の販売会に足を延ばさなければ言葉を交わすことのなかった生産者の方とやり取りをさせていただくのは、心躍る出来事でした。

 

でも、早く普通にふらっと実店舗に行って世間話しながらお茶を選びたいなあ。試飲しながら、あれでもないこれでもない、えっなにこれおいしい!これもください。こちらもお好きだと思いますよなんて会話をしながら1万円くらい散財したい。

 

そしてそのとっておきのお茶を、友人にさりげなく出して「何これ!おいしい!」って言わせたい。

 

普通の毎日が一日も早く戻ってきますように。9月の新学期がコロナの影響なく穏やかに始まりますように。祈るばかりです。

 

 

 

『中国茶の英語名』シリーズ、勝手ながら発足させていただきます。

 

目的は完全に自分の欲望のためです。海外サイトで手頃かつ高品質なお茶を探したい!そして、その情報が役に立つならシェアして、中国茶沼をさらに深掘りしたい。

 

いったい自分がどこに行こうとしているのか、我がことながら全く分かりませんが、『世界中から美味しいお茶を手に入れる』を目標に、今日も新しいお茶の世界を覗いていきたいと思います。

 

第一回目は『花茶』。

 

発酵度の低い順からいうと緑茶から始めるべきなんでしょうね。ただ緑茶はボリュームが多い。

 

中国茶辞典』(工藤佳治著)の中に記載された緑茶銘柄数は1000点を超えます。す、すごいボリュームです。

 

1000点に全部に目を通し、代表的なお茶を選び出すだけでも大仕事になりそうな予感がプンプンしますので、先送りしたいと思います。

 

仕事でもなんでもそうですが、大変な工程は中盤以降にとりかかるのが定石ですものね。

 

こほん。言い訳はこれぐらいにして、まずまずのボリュームで、見目も麗しい花茶の英語訳から開始していきたいと思います。

 

花茶の定義

 

中国茶の本』(平田公一著)によると花茶には三つのタイプがあるそうです。

 

 ① 茶葉に花を混ぜたもの

 ② 花の香りを茶葉に移したもの
 ③ 花自体をお茶として飲むもの

 

①+②は一つの表にまとめました。

 

の花自体をお茶として飲むものについては、『中国茶の教科書』(今間智子著)の中で茶外の茶として詳しく書かれています。

 

ご著書の中では、だけではなく、植物の種乾燥させた果実など、幅広い種類が紹介されています。

 

そこで、③茶外の茶

 

  • (Chinese Flower)
  • ハーブ(Chinese Herb)

 

の二つのカテゴリーに分けて紹介していきたいと思います。 

 

さて、早速華麗なる花茶の世界に飛び込んでいきましょう。

 

花茶生産地

 

まずは花茶生産地を見ていきましょう。

 

 

 

上記の中国地図は『中国茶辞典』(工藤佳治著)を参照し、花茶を生産している省をプロットしたものです。

 

中国南部、お茶の産地としても有名な下記の6省が花茶の生産地になります。

 

  • 四川省 (Sichuan)
  • 安徽省 (Anhui)
  • 広西チワン族自治区 (Guangxi Zhuang)
  • 湖南省 (Hunan)
  • 福建省 (Fujian)
  • 江西省 (Jiangxi)  

 

花茶銘柄数ランキング

 

次いで、『中国茶辞典』に記載された計10点の花茶の生産地の内訳をみていきましょう。

 

 

 

縦軸中国の省名、

横軸花茶の銘柄数、

 

を示しています。

 

そもそも銘柄総数が計10点と少ないため、一番銘柄数の多い四川省でも3銘柄。

 

表にしても見ごたえはありませんので、さらっと流してください(笑)

 

花茶生産地トップ3

 

次に花茶生産地トップ3を図にしてみました。

 

 

  • No.1 四川省(3銘柄)
  • No.2 安徽省、広西チワン族自治区(2銘柄)

 

生産量ではなく、中国茶辞典に示された銘柄数を比較しているため、ジャスミン茶の里、福建省がトップ3に入ってきません。

 

四川省安徽省広西チワン族自治区と、花茶の産地は地理的にもバラバラな印象です。

 

花茶英語名

 

 次に花茶の英語名を示します。

 

 

上記表の中の中国茶の銘柄は『中国茶の本』、『中国茶の教科書』を参考にしました。

 

中国茶辞典』に記載された花茶はピンイン検索、漢字検索してもヒットしない商品が多く、表中には記載しませんでした。

 

これは『中国茶辞典』の刊行が2007年と少し古いためなのか、生産地以外で流通しない局地的な銘柄が多いためなのか、詳細は不明です。

 

さて、本題に戻ります。

 

英語で花茶を検索すると出てくるのはジャスミン茶(Jasmine Tea)が圧倒的に多いです。日本でもジャスミン茶は人気がありますが、世界的にも同じ傾向のようです。

 

それもあってか、ジャスミン茶(Jasmine Tea)、小さな球状にまとめたジャスミンパールPearl Jasmine)は英語名は統一されています。

 

私たちが通常飲んでいるジャスミン茶は、緑茶に香りをつけた福建省産のものが多いそう。

 

それとは別に、四川省もジャスミン茶の一大産地で、こちらは茶葉にジャスミンの香りをつけ、最後に乾燥したジャスミンの花をたっぷり入れたものだそう。

 

奈良の日本茶・中国茶専門店の心樹庵さんのHPから、四川省の銘茶『碧潭飄雪』のお写真をお借りしました。

 

ジャスミンの淡い黄色の花びらが贅沢に入っている様子がわかると思います。

 

Photo by  心樹庵

 

四川省の銘茶碧潭飄雪の英語名は、検索できた範囲で下記の3つです。
 

  • Snowflake Over Jade Pond
  • Snow Drop Jasmine
  • Snow Jasmine

 

深い青みを帯びた沼の上に大きな雪片がはらはらと舞い降りる。

 

美しい情景ですね。

 

英語で中国茶を調べていると、そういう叙情性に惹かれて中国茶沼に足を踏み入れた人も多いように感じます。線が細くて優し気で繊細な方が多い印象です。

 

リア充マッチョが是とされる国の、非マッチョ勢がほっとできる場所が、中国茶日本茶ZEN(禅)などの東アジアの精神的な世界なのかなと、ふとそんなことを思いました。

 

花(Chinese Flower)

 

次に茶外の茶(Chinese Flower)をまとめました。

 

 

一気に分量が増えましたね。こちらは『中国茶の教科書』を参考にまとめました。

 

中国茶にブレンドする花というと、私は玫瑰Rose Buds、中国語読みだとメイグイ)をまず思い浮かべるのですが、それより菊花の種類が豊富なのに驚きました。

 

  • 胎菊(Chrysanthemum Buds)
  • 杭白菊(White Chrysanthemum)
  • 黄山貢菊(Huang Shan Chrysanthemum)
  • 崑崙雪菊(Snow Chrysanthemum Flower)

 

以上、4種類。


菊花には目の疲れをやわらげたり、体の余分な熱を冷ます働きもあり、生薬として使われることもあるそう。

 

日本ではお刺身の付け合わせ生の菊花が添えられることはありますが、乾燥した菊花を口にする機会はほとんどありません。ところ変われば文化も変わるものですね、面白いです。


 

Google検索からお写真をお借りしました→

 

ハーブ(Chinese Herb)

 

次に茶外の茶ハーブChinese Herb)を示します。こちらも『中国茶の教科書』を参考にまとめました。

 

 

日本でもなじみのある檸檬ゴーヤクコの実などから、なかなかお目にかかることのない羅漢果玉蝴蝶苦丁茶など幅広い品ぞろえです。

 

〇〇片というのは、果物、野菜などを輪切りにして乾燥させたものです。



檸檬片(Dried Lemon Slices)


紅茶などに入れるレモンスライスを乾燥させたものと考えていただくと、分かりやすいかと思います。

 

念のため写真を検索して載せてみましたが、想像通りですよね(笑)

 

Google検索からお写真をお借りしました→

 


苦瓜片(Dried Bitter Melon Slices)


いわゆる乾燥させたゴーヤの輪切りです。


こちらも念のため写真を載せてみましたが、想像通りです。種の部分も取り除かず干しましたという感じですね。


輪切りの乾燥ゴーヤ。苦くないの?苦いとしたらブレンドして苦みが引き立つ茶葉って何?と疑問がつきません。詳しい方がいたら教えてほしいです。


 

Google検索からお写真をお借りしました→

 


玉蝴蝶(Jade Butterfly Tea)


は初めて聞きました。ソリザヤノキの種だそうです。分かったような分からないような・・・。


写真を見ると、お湯の中で蝶が羽を広げたように優雅に揺らめくようです。

 

検索過程で工芸茶の写真も出てきましたので、おそらくいわゆる映える見た目のハーブなのかと予想されます。

 

Google検索からお写真お借りしました→

 

おわりに

 

中国茶の英語名、今回は花茶を調べてまとめてみました。

 

さらさらと書いているように見えて、一番難航したのが『中国の省名』。正直に言いますと、全く分かっていなかったことが、判明しました。

 

中国の省名と地図上の場所とが完全に一致していたのは、上海市浙江省のみ(えっ??)

 

行ったことのある場所だけ知ってたという惨状ですわ。こんなに中国茶中国茶ゆうてたのに、そんなことも知らんのかい!と自分に突っ込み入れましたよ。あぁ情けない。

 

日本地図でいうと大阪と、京都だけ地図上の場所がわかっている状態。他の県名は聞いたことはあるけど、場所がどこかわからないという、中国の小学生以下の知識しかなかったことがよくわかりました。

 

なので、地図に色を付け、省名を書きながら、省の名前を少しずつ覚えるという、なんともお恥ずかしい状態でしたが、非常に勉強になりました(はぁ恥ずかしい)

 

あと、個人的に知らなかったのは四川省のジャスミン茶、碧潭飄雪のこと。

 

ジャスミン茶は、ここ10年程ずっと飲み続けてきたのですが、今まで四川省産には出会いませんでした。そしてもっと早く出会いたかった。これは早速取り寄せて試してみたいと思います。

 

ちなみに碧潭飄雪を調べると、HOJO TEA鈴茶堂心樹庵さんなど、中国茶ガチ勢がヒットします。リンクを張りましたので、中国茶沼に足を踏み入れたい方は、是非飛んでみてくださいね。

 

四川省の場所もわからんのに上から目線で言うなって感じですが(笑)、いずれのお店もHPを見ているだけで幸せな気分になります。

 

参考文献

 

中国茶の英語名を調べる際に下記の文献を参考にしました。