【世界の茶商】HATVALA(Vietnam) | ほっこり中国茶しませんか?

ほっこり中国茶しませんか?

英語と中国語を駆使しつつ美味しいお茶に巡り合う方法を模索しています。中国茶と、お茶にまつわる歴史が大好物です。

 
世界の茶商シリーズ、8店目のご紹介は、ベトナムのHATVALAです。
 
現在開催中の、阪急うめだ主催のイベント『World Tea Festival』に出展しています。
 
 
この催事、関西のお茶好き達が集い、マダムの財布から万札が飛び交うガチンコのイベントです。茶葉も、茶器も本気の本物だけが集まるため、見ごたえがあります。
 
HATVALAの茶葉の、日本総輸入販売店は『unithe』さん。オンラインショップではHATVALAの代表的な茶葉を購入することができます。
 
 
限定商品の、「お茶の時間をはじめるセット」が素敵。このポット、DAVIDsTEAのワンプッシュ式()に似ていますね、ズボラな人でも扱いやすそうで心惹かれます。茶葉が選べるのもうれしいです。
 
さて、今回はどんなお茶に出会えるでしょう?HATVALAのお茶の世界に飛び込んでいきたいと思います。
 
ベトナムの茶産業
 
まずはベトナムの地図を見ていきましょう。
 
 
ベトナムはインドシナ半島の東側に位置し、南シナ海に面しています。ASEAN(東南アジア諸国連合)の一員で、近年は「脱中国」の流れを受けて、中国からベトナムに工場移転する企業(アップル、任天堂など)も増えているようです。
 
移転する理由は、地図を見るとよくわかります。南北に細長いベトナムは、東側がすべて海に面しているため、輸出入ともに船による物流が容易です。
 
また、人口も9,367万人(2017年ベトナム統計総局データ)と多く、平均年齢は31歳。働き盛りの若者をたくさん抱え、労働人口が多い点も移転に有利なのでしょう。
 
さて、ベトナムのお茶に関しては蓮茶(Lotus Tea)以外は知らないよ?と調べ始めると、中国の唐時代の茶人、陸羽が書いた『茶経』の有名な一節にたどり着きます。
 
 
茶は南方の嘉木なり
 
嘉木」とは、美しい樹、立派な樹のことです。
 
そして、「南方」はチャノキの源を示しており、中国雲南省の奥地ミャンマータイラオスベトナムなどの国境付近が原産地だといわれています(お茶を楽しむより
 
お茶を楽しむからお写真お借りしました。
 
東南アジアのタイミャンマーラオスの3国がメコン川で接する山岳地帯のゴールデントライアングルにも近い場所です。こちらはアヘンの生産で有名な場所です。現地に飛び込んでアヘン生産に携わった高野秀行さんの『アヘン王国潜入記』、面白かったなあ。
つまるところ、ベトナム北部チャノキの源を輩出した地域にあたり、茶の生産環境には申し分のない恵まれた地域だということ。
 
そして、ベトナムの茶葉の生産量世界第7位茶葉の輸出量世界第5位と、世界有数の茶葉生産国なんです。
 
えっ、そうなの??初めて知りました。個人的には、日本国内でベトナム茶が販売されているのを目にしたことはありません
 
何故、ベトナム茶は影が薄いのか?
 
これは「Vietnam tea exports ranked fifth worldwide」という記事に、答えがありました。
 
 
生産量が多いにもかかわらず、ベトナム茶の一トン当たりの単価は、世界平均の半値しかつかない。主な原因は、ベトナム茶が各国の定める農業基準を満たしていないためだ。また、国際的に知られるベトナム茶のブランドが存在しないことも一因である。」
 
ベトナム茶の最大の輸出国はパキスタンで、次いでロシア、台湾、インドネシア、米国、中国、マレーシアの順になります。この辺りは、レッドチーム(旧社会主義国)のつながりを感じますね。
 
ブルーチーム(民主主義&資本主義)に在籍する日本において、ベトナム茶がそれほど流通していない理由にも納得がいきました。やはり歴史を深掘りしないと、お茶の世界は見えてきません。面白いです。
 
HATVALA
 
さて、茶葉の生産量世界第7位ベトナムですので、若く勢いのある茶商は当然出てきます。その中で、英語で世界に発信している企業が今回取り上げるHATVALA(ハトヴァラ)です。
 
About Us』が素敵なので抜粋を記載します。
 
 
「私たちは、お茶を購入することは喜びへの投資であると考えています。
 
私たちは、他の国で生産されたお茶のコピーではなく、ユニークなベトナムのお茶を提供することを目標としています。」
 
情熱のある文章は何語で書かれていても、熱量が伝わってきます。理想や夢、お茶への愛情がぱんぱんにつまった文章です。ぜひ英語で読んでみてくださいね→
 
HPには、創業時期、創業者等の細かな情報はありませんでした。Twitterの最初の投稿は2013年9月ですので、おそらく創業は2013年。
 
創業者はNgocさん、現地の茶畑や原生林の奥地までガシガシ入り込むパワフルな女性です。
 
さて、早速ハトヴァラのお茶の世界を見ていきましょう。
 
商品のラインナップ
 
種類別の商品数をグラフ化しました。横軸は商品数、分類はハトヴァラの商品分類に合わせています。
 
 
まず意外なのが、青茶(Oolong Tea)の種類が多いこと。ベトナムはフランスの植民地だった時代があるため、紅茶が多いと思っていたのでこれは予想外でした。
 
そして、農園茶(Farm Tea)、野生茶(Wild Tea)という分類は初めて見ました。野生茶12種類、この時点で、美味しい予感しかしません。
 
野生茶(Wild Tea)
 
 
誰もが気になる野生茶をまずは見ていきましょう。
 
全12種類。白茶緑茶青茶紅茶黒茶まで多様な野生茶がそろっています。お値段が、泣けてくるほどありがたいプライス。
 
最安値:Wild Boar Black Tea 50g $3.75
最高値:Floating Cloud White Tea 50g $15.30
 
手摘みの野生茶は貴重なんですよ。一例を見ていきましょう。
 
Forest Genie Dark Tea
 
生茶タイプの黒茶(プーアール茶)です。お茶のプロフィールは産地(ベトナムと中国の国境付近のレッドダオ地区)、香り、製茶方法について明記されています。
 
 
茶葉の紹介写真は、
 
① 乾燥した茶葉
② お茶の水色
③ 抽出後の茶葉
 
上記の情報をきっちり伝えてくれます。
 
 
買い手としては、③抽出後の茶葉の状態はすごく大事な情報なんです。
 
茶葉が開いた後に、葉の端の細かなギザギザまで判別でき(茶葉が壊れていない)、しっとりと元の葉の状態に戻っている(柔らかく新鮮な茶葉を使っている)。
 
この写真の情報だけで、買いじゃない??と私の中の悪魔がささやきます。
 
そして、極めつけは茶葉の製茶動画

 

 

野生の茶葉を摘み、屋外の窯で熱を加え、粗熱が取れてから揉み、太陽にさらして乾燥させます。

家業としてお茶づくりをする一家の、お茶を扱う手つきの迷いのなさ、優しさにうるっと来てしまいます。
 
Flavour Tea (フレーバーティー)
 
 
ハトヴァラのもう一つの看板商品は、フレーバーティーです。
 
フレーバーティーと言っても、ヨーロッパ派閥のように香料、添加物をガシガシいれることはしません。茶葉に本物の花を混ぜ込み着香する、手間のかかる作業を経て、ジャスミン茶や蓮茶を作ります。
 
Lotus Tea(蓮茶)
 
最も高価な商品です。20g$15.99。茶葉には野生の緑茶を使用し、蓮の産地として有名なハノイの西湖で製茶を行います。
 
 
蓮花の香りを移すため、茶葉に新鮮な蓮花を混ぜる工程を繰り返します。その回数は二週間で最大7回、時間と根気の必要な作業です。

  1キロのお茶を作るのに1,000~1,200本の蓮花が必要です。高価なのも納得がいきます。
 
こちらも、動画があります。

 

 

早朝に摘み取られた蓮の花を解体し、香りの強い雄しべの先端を抜き出し、茶葉に混ぜ込んでいきます。動画後半には、茶葉に混ぜ込まれた古い雄しべを取り除き新しい雄しべを混ぜ込む様子が紹介しています。
 
このほかにも、生花を使って着香しているお茶は下記の通り。
 
◎ Autumn Jade Jasmine Tea
◎ Black Jasmine Tea
◎ Jasmine Oolong Tea
◎ Pomelo Flower Green Tea
◎ Sweet Osmanthus Tea
◎ Tiny Daisy Tea
 
 
ジャスミンティーは茶葉の種類が緑茶紅茶青茶の三種類あります。
 
生花以外で着香しているLady Trieu Earl Greyには、「イタリアから輸入した本格的なベルガモットオイル」を使い、その他の人工香料は使っていないと明記されています。
 
説明文は短く簡潔ながら、必要な情報がつまっています。自慢話やうんちくは一切なし。店主のさっぱりとしたお人柄が伝わってくるようです。
 
おわりに
 
今回は、ベトナムの茶商ハトヴァラを紹介しました。
 
ベトナムの深い森の中に迷い込んだような、野生のお茶の生命力を強く感じるお店でした。

ホーチミンの実店舗では、試飲して商品を購入することもできるようです。パッケージも素敵ですね。
 
 
そして、私も今回は魅力にあらがえず、商品を購入しました。まだ手元には届いていませんが試飲するのが楽しみです(笑)
 
世界の茶商シリーズ
 
過去の世界の茶商シリーズはこちらです。
 
◎ The Republic of Tea(アメリカ)→
◎ Twinings(イギリス)→
◎ Mariage Freres(フランス)→
◎ Kusmi Tea(フランス)→
◎ Dilmah前編(スリランカ)→
◎ Dilmah後編(スリランカ)→
◎ TEMA Tea(インドネシア)→
◎ DAVIDsTEA(カナダ)→
◎ HATVALA(ベトナム)→