2020年、あけましておめでとうございます。新しい年が実り多いものとなりますよう心よりお祈り申し上げます。
さて、新年なので新しいことにチャレンジしてみようということで、英語圏の『世界の中国茶店』を紹介していきたいと思います。
『世界の中国茶店』なので、私も行ったことのない場所ばかりなのですが、どのお店も個性的で、商品ラインナップも店主のこだわりがあふれていて、中国茶愛好家としては見ているだけで楽しい気持ちになってきます。
当然、こんなマニアックな情報は日本語ガイドブックには載っていないので、自分で書いてしまって後日参考にしようという試みです。行きたいなあという希望も込めて早速書いていきたいと思います。
記念すべき第一号店は、カナダのバンクーバーにある『The Chinese Tea Shop』。昨年2019年にバンクーバーに行ったんですよ、でも知らなくてこのお店にはたどり着けなかったんです。うぅっ。下調べが少なすぎたという反省も込めてどんなお店なのか見ていきたいと思います。
以降、お店のHPの写真をお借りしながら説明していきます。
◎住所
101 E Pender St
Vancouver, BC CANADA V6A 1T6
◎Home Page
https://thechineseteashop.com/
下の写真の香港出身のDaniel Luiさんという方が、2002年にバンクーバーのチャイナタウンに開いたお店のようです。Daniel Luiさんは1997年に香港からバンクーバーに移り住まれたということ。
1997年といえば、イギリスから中国に香港が返還された年です。香港からカナダへの移民は返還直前の1986年~1998年がピークだった(谷垣真理子さんレポートより)ということですから、その時期にいち早くカナダに移り住まれたようです。昨今の香港の状況を見るにつれ、カナダでの生活の基盤を築く時期に先見性があったと感じます。
中国人の方と話をしていると、『子供の教育をどこで受けさせるか』ということがよく話題に上がります。
自国の政治体制に不安があるため、子供に英語と専門性を身に着けさせ、どこでも暮らしていけるようにする事が、未来への投資として捉えられているようです。
国を移るなんて普通のことで、なんなら子供の教育のために家族全員で移住してしまったりもします。きっとそんな、たくましい一族なんだろうなぁと想像しながら、HPを見ていくと味わい深く感じます。
お茶の分類は六分類と言われる、『紅茶、黒茶、青茶、黄茶、白茶、緑茶』に『岩茶』を加えた7分類で示していきます。
これは、お店によって『岩茶』の扱いが、『青茶』(いわゆる半発酵茶、烏龍茶等)に含まれる場合と、『岩茶』カテゴリーが独立している場合と両方あるため、あえて別分類にしてあります。
『The Chinese Tea Shop』の茶分類は下記のように、『青茶』→『Oolong Tea』と記載されており、岩茶も青茶に含まれます。この場合は『岩茶の商品数=0』として表示します。
取り上げる店の特徴を示すための指標として、『お茶の分類と商品数』をグラフ化して載せていきます。これは、その店がどのお茶に力を入れているのかを判断しやすくするためのものです。
『The Chinese Tea Shop』の特徴は何と言っても、プーアール茶の多さです。『黒茶の商品数=74』って!ちょっと尋常じゃない数ですね。
中国が発展する過程で特に年代物のプーアール茶に骨董品並みの値段がついて、贈答品として人気があると聞いたことがあるのですが、ターゲットはカナダ在住の中国系住民だということが透けて見えるようなラインナップです。
まず見ていただきたいのは、このプーアール茶の豊富なラインナップ。上から『生茶』、『熟茶』、『ビンテージ』、『餅茶』、『磚茶』(レンガ状に固めた茶)、『沱茶』(小さなおわん型に固めた茶)、『散茶』(ばらばらに分かれた茶葉)など計7種類。
どうだ!うちの店のプーアールはいいぞ!最高だぞとこれだけで店主の声が聞こえるようです。というか、こんなにプーアール茶の小分類があるHPを見るのは初めてです。熱い!松岡修造氏並みです。
『Pu-erh Tea』はいわゆる『餅茶』を主に扱っています。英語表記だと『Tea Cake』と書かれることの多い直径20㎝の茶葉のかたまりを示しています。私はプーアール茶は勉強中でまだまだ詳しくないのですが、大きく分けると『生茶Raw/Sheng』、『熟茶Ripe/Show』の二種類があります。
『生茶』は茶葉を蒸して発酵を止めて成形し、その後風通しのいい場所でじっくりと自家発酵させるお茶、『熟茶』は茶葉を蒸し発酵を止めるところまでは生茶と同じですが、その後高温多湿の場所で強制発酵させられるお茶で、味、品質は均一になるようです。
ビンテージワインのように時間をかけて熟成を楽しむのが『生茶』、効率重視で安く早く安定した品質のお茶を作る方法が『熟茶』ということでしょうか。プーアール茶の経験値が欲しい!説明不足ですみません。
下の二つの写真は『Pu-erh Tea』の商品の一例です。生産年、茶葉の種類、生産名、ロットナンバー、生茶か熟茶かなどを示しています。マーカー処理した部分は生茶か熟茶かの区別の部分です。
HP上に乗っているビンテージのお茶は1970年代のものだけですが、きっとバックヤードにはものすごい在庫が眠っているに違いない。そんな予感がびしびしするお店ですね。
The Chinese Tea Shopでは50g単位でプーアール茶の量り売りを行っています。これは私のような初心者にはありがたいサービスです。
プーアール餅茶の重量はひとつ350g。私は上海で餅茶のホールを買ったことがあるのですが、まあ持て余します。味が好みではない→量が飲めない→箪笥の肥やしになる。この三段階を経て、茶箪笥に死蔵され引越しを機に処分してしまいました。ごめんなさい。
そう、素人は350gの餅茶を一個なんて買い方をすべきではないんです。なのでこのお店の売り方はうれしい限りです。50g、100g、150g、350gの小ロットから購入できるので、まず50gを飲んで味を確かめるという作業が出来るのはすごく助かります。
さらに、HP上には茶葉の状態がわかるように餅茶の表裏、茶葉の拡大写真、実際に入れた茶の水色の変化なども詳しく載っていますので、安心して買うことができます。
行ったことのない世界の中国茶のお店について書く、そんな酔狂なことをしてみましたが、中国茶の知識があれば何となく英語の文章の意味はわかるし、想像より楽しく仕上げられました。
このお店の近所に住んで、店頭で試飲して、あれでもないこれでもないと言いながら、自分の定番プーアール茶を開拓してみたいなぁと思います。
というか、いかに自分のプーアール茶の知識、経験値が足りないかがよく分かりました。そういえば最近は岩茶、鉄観音、ジャスミン茶、緑茶と決まったお茶ばかり飲んでいました。久しぶりに冒険心を呼び起こしてくれたことに感謝します!
プーアール茶のことだけ熱く語りましたが、このお店の茶壺(急須のことです)のコレクションもすごいです。『Yixing Teapot』つまり宜興(江蘇省宜興市)で作られた茶壺がHP上に乗っているだけで約100種類。
一番高価なものだと、19世紀のアンティーク物が$7999.95USD(¥864,674円)。ひょえ~、こちらも手を出すと火傷する沼ですね。ふふふ、世の中にはまだ自分の知らない扉がたくさんあって、待ち構えていると思うと楽しいです。














