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ほっこり中国茶しませんか?

英語と中国語を駆使しつつ美味しいお茶に巡り合う方法を模索しています。中国茶と、お茶にまつわる歴史が大好物です。

 ※2020年5月加筆(図、データ修正)


中国語を勉強し始めて8年が経過しました。

私が勉強を始めた2012年ごろは、平均的な日本人の中国に対する感情はいわゆる『熱烈歓迎』状態でした。

 
13億人の人口を抱える中国は世界の工場としても、消費者としても有望な新興市場であるという市場優先型の考え方が日本を席巻していました。
 
その後、尖閣諸島問題や南シナ海問題などを通して、中国政府のこわもての素顔が明らかになる過程で、日本人の中国に対する感情は残念ながら悪化しているように思います。
 
中国語検定受験者数の推移

その国民感情の変化を顕著に表しているのが、上記の中国語検定の総受験者数の推移です。

中国語検定とは日本中国語検定協会毎年3月6月11月年3回実施している検定試験です。こちらの協会は情報開示が進んでおり、受験者数合格者数試験問題とその解答などの受験者が知りたい情報を、誰でも自由に見ることが出来ます。
 
特に試験問題とその解答がなんと試験の翌日にHP上にUPされ、自分の合否がすぐに確認できるのは本当にありがたいです。

日本中国語検定協会HPのデータをお借りして、2006年~2019年11月実施試験の総受験者数をグラフにしてみました。

2006年から2009年までは2万人程度だった受験者が、2010年にぐっと増加し、2011年に最大値の2万5千人に達し、その後がたっと受験者が減って2019年には約1万2千人に至るという経過をたどります。
 
つまり、中国語勉強者はピーク時の半分に減少したということになります。う~む。データでみるとちょっとショック。

学習者が減るということは、ビジネス上の即戦力となる上級者が増えないということです。では、本当に中国語は今後勉強するに値しない言語なのかを考えるために、材料を一つ提示したいと思います。
 
国別の訪日外国人数

上記に示したのは日本政府観光局(JNTO)の推計をお借りして作った、国別、地域別の2016年~2019年来日外国者数の推移です。
 
国別でみると、
 
第一位 中国
第二位 韓国
第三位 台湾
第四位 香港
 
の順に来日外国者数が多くなっています。
 
2016年以降、いずれの地域でも年を追うごとに人数が増えていることがわかります。個人的にはASEAN諸国の観光客が予想外に多くて驚きました。第三位の台湾に迫る勢いですね。
 
 
次に、来日外国者数の累積図を示します。数値の単位は万人です。
 
年々来日外国者数は増加していて、2018年と2019年は3000万人の大台を突破しています。2018年、2019年ともに中国台湾香港韓国ASEANアジア勢の来日外国者数だけで2500万人を稼いでいます。
 
また、EU北アメリカオセアニアなどの先進国の富裕層や、中東ロシアなどの潤沢なオイルマネーをもつ富裕層にとって、『日本=魅力的な滞在先』と見えていないことを示した図でもあります。真の観光立国にはまだ時間がかかりそうです。
 
さて、ここで注目したいのは、来日外国者数の上位四か国中国韓国台湾香港の中で、中国語を母国語とする国が3つもある点です。どれくらいの割合か示すため、同じ図を使用言語別に示してみました。
 
来日外国者数の使用言語

 

使用言語別に作り直すと上記のようになります。

中国台湾香港の使用言語中国語として図示しています。また、北アメリカオセアニアEUの使用言語英語として図示しています。
 
中国語に関しては、中国と台湾では漢字の字体が異なったり、香港では広東語を使用したりと細かな違いはありますが、普通語(Putonghua)と言われる標準語を理解できる人数ということで、簡便にまとめています。
 
英語に関しては、EUの使用言語英語としてカウントしています。これも乱暴だとは承知しています。

ただし、EU文化圏では中学生以上になると、第一外国語第二外国語の学習が必須であることも多いため、中流以上ではほぼ全員が英語を話すと仮定して計算しました。(ヨーロッパ各国の言語教育と日本語教育参照

来日外国者数の中で、使用言語=中国語の人数は、2016年では1238万人2019年では1678万人年々増加し、全体の約半数を占めることがわかります。
 
年間1678万人って驚きの数字です。毎日4万5千人の旅行者が日本を訪れている計算になります。そりゃあまあ、飛行機も中国線の増便が相次ぐはずですわね~。

日本を訪れる中国人の爆買いが収まりつつあるとは言いますが、1678万人という数字だけを見てもまだまだ中国語のニーズが高い状態は続くだろうなあというのが、率直な私の感想です。
 
日本国内で生活する分には、実は英語よりも中国語の方が役に立つという、驚きのデータです。
 
中国語って簡単に身につくの?

必要性は高くなっている、しかしその分野に詳しい人間は減りつつあるとなると、中国語を取り巻く環境はいわゆる『ブルーオーシャン』という競争相手のいない凪の状態になります。
 
すぐにでも勉強をし始めて、このお得な業界に飛び込みたいところですが、それを阻むのが中国語学習の壁です。

中国語学習は他の言語と同じく、初級中級(私は今ここ)⇒上級と徐々にレベルアップをしていく言語です。しかし一つだけ他の言語と違うと言われているのが、中級を抜け出すのが難しいということです。

上級にいきたい!でも行けない!中級中国語学習者は、『さまよえる中級』と総称されます。どなたが考え出したのかわかりませんが、ユーモラスでそれでいて途方に暮れている状態をよく表現できているネーミングですよね(笑)

つまり即戦力となる上級者になれる人はほんの一握りだとということです。
 
日本人は小学生のころから漢字の書き取り、読み取りに励んできているので、中国語の文章を読む能力、その文章を写す能力は苦労せずに身に付きます。
 
私もここはクリアしたのですが、現在も泣かされているのが発音の複雑さと、自分の語彙の少なさです。

今はこのさまよえる中級から抜け出すために、発音に特化した教材をようやく見つけて、こつこつと勉強中です。
 
目標は頭の中で日本語変換することなしに、つるつると中国語が口から流れ出す状態までレベルを上げることです。先は長そうですが(笑)、成果が出ればまたご紹介したいと思います。
 
中国語中級者へのおすすめ教材
 
 
この本は、時間と根気は必要ですが、耳で聞いた中国語を、即座に中国語で理解できるようになります。母国語をかませずに外国語を理解するまでの道のりがね、険しいんですよ(泣)
 
 

左側のページにはピンインで書かれた文章、右側のページには漢字で書かれた文章が記載されています。学習方法は、①ピンインを見ながら音声に合わせてシャドーイング×50回→②漢字を見ながら音声に合わせてシャドーイング×50回
 
計100回のシャドーイングを繰り返しながら、ピンイン発音漢字言葉の意味ピンイン発音漢字言葉の意味と体にしみこませるように勉強していきます。
 
100回もシャドーイングする意味ある??って思いますよね。正直、最初のうちはただの苦行です。ですが、回数を重ねるごとに、徐々に発音できる単語が増え内容を深く理解できるようになり、100回に近づくと早く正確に発音できるようになります。
 
一番素晴らしいのは、出てくる単語の四声を完全にマスターできることです。中国語は四声を間違えると伝わらない厄介な言語ですから、四声が安定し、語彙が増えるこの教材をマスターすれば上級者にぐっと近づくように思います。
 
中級を抜けたい『さまよえる中級』の方々にお勧めする教材です。
 
世界の茶商シリーズ、第六弾。
 
今回は、インドネシアのTEMA Tea(テマティー)を取り上げたいと思います。
 
「初めて聞いた、知らないよ?」
 
ええ、当然です。

2017年創業した新しいお店です。

そして、始めて見ました!お茶のお店で効果的インスタを使っているところ。全体的にインスタ映えするアイテム満載の、おもちゃ箱のようなお店です。
 
今回はどんなお茶に出会えるか、深い海に潜っていきましょう。
 
 
TEMA Tea
 
場所
 
TEMA Teaはインドネシアの西ジャワ州ボゴール県セントゥル市に実店舗を構える会社です。インドネシアの首都ジャカルタから南に40㎞ほど離れた場所にあります。
 
 
ジャワ島を「」と見てしまうと小さそうに感じますが、日本の本州の約半分の面積があり、日本の人口よりも多い1億4000万人の方々が住んでいます。
 
 
そしてジャワ島と言えばJAVA TEA(ジャワティー)でおなじみの紅茶の生産地としても有名です。インドネシアの茶葉の生産量世界第7位(2013年)、その多くがジャワ島で生産されています。
 
ジャワティーのHPを拝見したところ、見覚えのある紅茶の商品(レッド)に加えて白茶を使ったホワイトという商品もあってまたびっくり。白茶のペットボトルって、初めて見ました。
 
 
創業者
 
創業者はどんな方か、『About Us』からは読み取れませんでした。しかし、YouTubeTEMA Teaの動画を一つ発見しました。

 

 

 
 
若いインドネシア人の女性二人が、インドネシア語でテマティーの商品を開封して紹介しています。4種類のお茶の水色の違いがきれいでしたよ!
 
内容は理解出来ませんが、二人の役割分担は見て取れました。
 
左側のヒジャブ(頭に巻いたストール)をかぶった女性は商品開発担当、右側のボブカットの女性は広報担当だと推測されます(私の主観です)。
 
インドネシアのイスラム教率は87%、敬虔なイスラム教徒の国ですから、ほとんどの女性はヒジャブをかぶっています。
 
その中、ヒジャブをかぶっていない=海外生活が長い=英語が堪能な人材だと推測しました。
 
途上国の茶商のHPは、正直に申し上げると品質が高くないことが多いです。荒っぽい英語の文章が書かれ、更新されず放置されているページを見つけてはそっと閉じること数十回
 
そんな中、テマティーを見つけた時の嬉しさは格別でした。商品開発担当の女性の作る美しいお茶を、広報担当の女性が優しく簡潔な英語の説明文と、美しい写真を使って引き立てます。
 
さて、インドネシア女子の築き上げたテマティーの世界を覗いていきましょう。
 
商品のラインナップ
 
テマティーの散茶の商品計19種類と少なめです。そのため、HP内で商品分類がされていません。
 
そこで、少種類だからできる全商品の洗い出し作業を行い、分類を行いました。
 
① 茶葉
② フレーバーティー(茶葉+α
③ ハーブティー

以上の3種類に分け、茶葉の種類別に表示します。今回、ティーバッグ(Tea Bags)は商品数にカウントしていません
 
 
ジャワ島の会社ですから、紅茶の商品が圧倒的に多いのだろうと想定していましたが、紅茶青茶緑茶白茶バランスよく商品化されています。
 
ベースになる紅茶青茶緑茶白茶の茶葉はそれぞれ一種類ずつ。そこに、ハーブや、果物の皮、花弁、香料などを添加してフレーバーティーが作られています。
 
ハーブティーが3種類と多いのも、女性の作る会社ならではですね。夜眠る前や、妊娠中の女性など、カフェインが不要な場面に配慮があるのはうれしいです。
 
Four Season
 
茶葉のリストを見て、まず目につくのは四季の名称を持つお茶です。ベースとなる茶葉も違って面白いので、深掘りします。
 
Spring
 
緑茶ベースのフレーバーティー、パッケージの詩が素敵です。
 
Wind blow in the willow (柳を風が揺らす)
Spring of joy (春の喜び)
Dew of life (命のしずく)
 
内容物:緑茶、ライチ、ココナッツ、クランベリー、ミント
 
Summer
 
ハイビスカスティーベースのフレーバーティー。
 
南国の暑い夏に咲くハイビスカスを、水に溶かしたような淡いピンク色の水色がきれいです。
 
内容物:ハイビスカス、カモミール、りんご
 
Autumn
 
刺激的なスパイスをたっぷり含んだ紅茶ベースのフレーバーティー。
 
黒胡椒を入れるなんて斬新ですね。ミルクティーにして砂糖をたっぷり入れるとおいしそう。
 
内容物:紅茶、シナモン、クローブ、カルダモンフェンネル、生姜、黒胡椒
 
Winter
 
蝶豆ベースになる青い水色のフレーバーティー。
 
蝶豆を知らなかったためWikipedia先生に伺いましたところマメ科の植物で、花弁から青色の染料が取れるため、青いハーブティーに使われることがあるそうです。ふむふむ、知らなかった。
 
冬のフレーバーティーですが体が冷えそうな気がするのは私だけでしょうか(笑)
 
南国のインドネシアには冬がないため、冬には体を温めるという習慣がないのかもしれません。
 
内容物:蝶豆、レモングラス、ミント
 
Tea Bags
 
テマティーのティーバッグの商品も可愛いので見てください!
 
 
ブログ記事『Inside Story of Tea Bags』では、ティーバッグへのこだわりを書いています。
 
「テマティーは環境にやさしい企業活動を目指しており、化学薬品やプラスチックなどを極力使用しないように心がけています。
 
その一環として、ティーバッグは漂白をしない木製パルプの商品を使っています。また、このティーバッグは、口を糸で縛っているだけなので、再生して何度も使用できます。」
 
 
パルプ袋に糸を通す人工のかかる作業を、さらっとできてしまうのは、インドネシアならではですね。
 
中に入っている茶葉は、散茶Loose Leaf)と同じ品質のものが使われています。
 
ラマダンに向けた商品
 
テマティーではラマダン(断食月)向けの商品も用意しています。
 
イスラム教の国々では、ラマダンの期間中、日の出から日没にかけて一切の飲食を断ち、貧しい人々への共感を育み、苦しみを共有することで、連帯感を強めます(Wikipediaより)。
 
2020年のラマダンは4月23日~5月23日の期間です。
 
テマティーのラマダンに向けたメッセージが素敵なので紹介します。
 
「ラマダンは家族や友人と過ごす特別な時間です。しかし今年のラマダンは、一人で過ごす方もいるでしょう。
 
今年は、家族や友人への贈り物だけではなく、自分へのご褒美の商品もご用意しています。
 
皆様がこの時期を元気に過ごし、どこにいてもラマダンの喜びを感じ続けられることを願っています。」
 
女性らしい思いやりにあふれた優しい言葉ですね。ほろっとしてしまいます。
 
 
TEMA TeaのIT戦略
 
テマティーのHPを見ていると、インスタ時代の女性ならではの発信方法に、感心することが多かったです。
 
発信の方法は、
 
① ホームページ (HomePage)
② ブログ (Blog)
③ インスタグラム (Instagram)
 
の3つですが、①、②は基本的にすべて英語で書かれています。ただし、インスタ英語インドネシア語をうまく使い分けていて、
 
商品紹介英語
ワークショップインドネシア語
 
とターゲットにあわせて言語を使い分けています。
 
インドネシア語は表記にアルファベットを使いますので、言語が英語に変わっても違和感はありません。
 
むしろ英語を使うと商品に高級感を与えるように感じます。この辺りは戦略として上手ですね。
 
 
インスタのハッシュタグ♯を見ると、テマティーが大事にしているものが見えます。
 
#tematea (店名)
#indonesiantea (インドネシア産のお茶)
#artisantea (職人が作るお茶)
#sustainabletea (持続可能なお茶)
 
パッケージの可愛さや、商品を美しく見せるスタイリングに目が行きますが、強いメッセージを内に秘めた会社だと感じました。
 
おわりに
 
今回の世界の茶商シリーズは、2017年に創業したインドネシアテマティーを取り上げました。若きインドネシア人の女性達が作り上げる商品にわくわくしました。
 
その反面、最初に商品を見たときに「えっ、茶葉をガラス瓶に入れるの?日光で茶葉が劣化するよ?」と、「これだから最近の若いもんは」モードに入りかけました。
 
しかし、深掘りすると「環境に負荷をかける梱包材は使わない」ことは、彼女たちの大切なこだわりの一つ。

「すぐに廃棄されるプラスチックは使いたくない」。
 
うむ、納得です。日光で劣化するなら、その都度新鮮な商品を買えばよいだけです。
 
 
また、テマティーの商品は、原材料の80%にインドネシア産の原料が使われています。自国を第一に考える姿勢に共感を覚えました。
 
こだわり信念のある所に人は引き寄せられます。まだまだ大きく飛躍しそうな企業だと感じました。
 
Find Our Tea』を開くとインドネシア国内テマティーを取り扱うお店が記載されています。
 
ジャカルタボゴールバンドンバリなどでも販売されていますので、見かけた方はお手に取ってくださいね。
 
商品価格は茶葉単体ならば、$5~$10程度とお求めやすい値段です。女子受け間違いなしですから、インドネシアのお土産にも最適ですよ!
 
ティーバッグの一番人気は、ハーブティーのSerenityです。パッケージもよきですなぁ。
 
 
世界の茶商シリーズ
 
過去の世界の茶商シリーズはこちらです。
 
◎ The Republic of Tea(アメリカ)→
◎ Twinings(イギリス)→
◎ Mariage Freres(フランス)→
◎ Kusmi Tea(フランス)→
◎ Dilmah前編(スリランカ)→
◎ Dilmah後編(スリランカ)→
TEMA Tea(インドネシア)→
 
 
さて、ディルマ後編に入っていきます。
前編を見てないって方は前編に!→
 
ディルマの紅茶は、廉価品高級品と商品の幅が広いのが特徴です。
 
特にティーバッグ商品は、シリーズの細分類も多く、商品を比較しにくいという印象を持ちました。
 
比べやすいと思ったのは、『t-Series』です。四角い缶に入ったシリーズで、日本の代理店でも取り扱っています。
 
しかし、日本のt-Series5種類なのに対して、本国は60種類の商品を扱っています。商品数の多い『t-Series』を深掘りして、ディルマの商品へのこだわりを見ていきましょう。
 
参考までに、日本のt-Seriesのラインナップは、下記のとおりです。
 
① キームン・スペシャル・リーフティー
② オリジナル・アールグレイ
③ シングルエステート・ダージリン
④ シングルエステート・アッサム
⑤ ブリリアント・ブレックファースト
 
全て散茶の商品です。
 
シングルエステート(単一茶園)はどの茶園か、説明はありません。キームンは中国安徽省の商品と説明されているので、スリランカ茶葉2種類インド茶葉2種類中国茶葉1種類というラインナップです。

 
 
t-Series
 
では、スリランカ本国のt-Seriesから、気になる商品を見ていきます。

高級茶
 
高級茶を探すため、値段を$95以上にして探してみます。4件ヒット。
 
◎ White Tea-Ceylon Silver Tips
 白茶-セイロン銀針 240g US$150
◎ Keemun Special Leaf Tea
 特級キームン茶600g US$99
◎ White Litchee-No.1 Hand Rolled Tea
 ライチ白茶(工芸茶)600g US$99
◎ Jasmine Pear Dragon White Tea
 ジャスミン珠白茶 600g US$141
 
意外にも中国茶が選ばれました。

紅茶メーカーのディルマ中国茶を作ると、手間がかかる分コストが高くなるということでしょう。しかし、中国茶沼の人間としては、普段買うお茶の値段と比較しやすくて助かります。
 
 
白茶240g$150Silver Tip(銀針)は、白い産毛に覆われた茶葉が、細長い針の形に整えられています。
 
ディルマのHPでは、高級茶になるほど茶葉の状態抽出したお茶の色合いなど、複数の写真を使って詳しく説明されているため、安心感があります
 
 
これは贅沢の極み!白茶のジャスミン珠茶
 
私は先日、青茶(烏龍茶)で作られたジャスミン珠茶を100g3,000円で安いなと思いつつ買いました。値段を比較するために100g当たりで計算します。
 
600g$141(15,051円)→100g$23.5(2,508円)
 
うむ。600g単位でしか買えないのが難ですが、美味しければ個人輸入もありですね。しかしそのオプションを発動したら、ますます茶沼に引きずり込まれる(笑)
 
生産地別
 
生産地別に、気になる商品を見ていきます。
 
◎ Galle District OP 1

 スリランカ南西の港町、ガレ北部で栽培された最高級のオレンジペコ(OP1)
 

◎ Prince of Kandy Tea

 キャンディ地方の高地で作られたSingle Region Tea(単一産地茶)(B.O.P)。
 

◎ Dombagastalawa Single Estate FBOP

 スリランカ中部ドンバガスタラワのSingle Estate Tea(単一茶園茶)。 
 
ディルマの茶葉を説明する写真は非常に分かりやすいです。
 
パッケージ
茶葉
抽出したお茶
 
の三点セット。
 
比較しやすいように、すべて同じ配置になっています。ガラスのコップに入れているため、お茶の水色透明感が見てわかり、味が想像しやすいです。
 
茶分類別

◎ The First Ceylon Oolong

 ディルマは計31の茶園を所有する茶農家でもあります。茶園を複数経営していたら、新製品、新品種へのチャレンジなど、新しいことに挑みやすい企業風土があるんだろうなと推測できますが、これもそんな商品の一つ。
 
スリランカ南西の港町ガレ北部Single Estate(単一茶園)で作られた、セイロンで初めて作られた烏龍茶。烏龍茶と言いつつも、等級はオレンジペコAのフルリーフ。

水色は淡い茶色なので、樹種は紅茶のままで加工方法のみ変えたのだと理解しました。どんなお味なんでしょうか?
 
 

◎ Ceylon Young Hyson Green Tea

 海抜400m程度の低地で作られたSingle Region(単一産地)のセイロン緑茶
 
ほぉ~、緑茶も登場。茶葉は細かく裁断せずによじって丸めているため、お茶を入れると茶葉が大きく広がります。

茶葉の見た目は青みが少ない台湾烏龍茶のような姿です。こちらはGreen Pekoe1と記載があり、緑茶用の茶樹を使用されていると理解しました。
 
そうそう、ディルマの茶葉の説明にはお料理とのペアリングについても書かれています。ワインではよくありますが、お茶の説明で料理との相性に触れているのは珍しいです。
 
このセイロン緑茶は「特に魚料理やサラダとの相性が良く、アフタヌーンティーとしてもお楽しみいただけます」とのこと。新しい視点で勉強になります。
 
もちろん、ピラミッド型のティーバッグの商品もありますよ!
 
 
その他の取り組み
 
ディルマはお茶の生産から商品開発、販売までのすべてを行うお茶の総合商社です。
 
企業活動が幅広すぎて、どこまで全体像に迫れるか分かりませんが、これはすごいなあと感じた事業を取り上げていきます。
 

 ディルマの所有するTea Factory(製茶工場)、Tea Estate(茶園)の一覧です。製茶工場1箇所、茶園30箇所の大所帯です。
 
 
製茶工場のPark Green Tea Factoryは、スリランカ中部、高級茶葉の生産地として有名なヌワラエリヤ地域Kandapolaにあります。

標高2000mの高地にあり、緑茶を生産する工場としてはスリランカで最も標高が高い施設です。
 
茶園ごとに紹介ページがあります。茶園の高度規模生産量が説明され、建物や、茶畑、製茶の様子を写真で見ることができます。
 
 

 植民地時代に使われていた5つの茶園の領主館をリノベーションした宿泊施設です。
 
総客室27室、イギリス人に人気なんだろうなぁ。うやうやしくセイロン人にサービスしてもらうことまで含めて、シャーロックホームズの時代にタイムトリップしたような、大英帝国の名残を感じるサービスです。
 

 オンラインでディルマの茶検定の資格を取ることができるます。
 
 
Introduction to Tea certificate course
茶検定コース入門編(4項目) $50
 
Fundamentals to Tea certificate course
茶検定コース基礎編(14項目) $200
 
 
基礎編($200)を終えると認定証が郵送されてくるそうです。自宅にいながら英語でお茶の勉強をすることができます。

家籠りの今の時期にぴったりの勉強方法ですね。$50のコース、お試しで受講してみようかしら。
 
 
MJF慈善基金
 
ディルマは1988年に創業し、2020年現在、32年の歴史しかない若い企業ですが、スリランカで生産される茶葉の25%を取り扱い、100以上の様々な事業を行っています。
 
これほど早く巨大な企業を作り上げることができたのは、創業者のメリル・J・フェルナンド氏が経営者として優れているということもありますが、
 
良い商品を提供して、自国の人々の生活向上のために努める。」という、会社としての理念が周りの人々を動かした側面が大きいと思います。
 
日本語のHPに、MJF慈善基金(メリル・J・フェルナンド慈善基金)を通じて、ディルマが支援している社会活動の一環が記載されているので、見ていきましょう。
 
茶園での託児所、児童保育
 
茶園のHPを見ていると、茶摘み、製茶等を行っているのはほとんどが女性です。小さなお子さんがいても働きやすい環境を作るために、各茶園には無料の託児所、保育所が設けられています。
 
 
貧困からの脱出を図る事業
 
スリランカでは2004年のスマトラ沖地震の津波によって約35,000人の方が、2009年まで26年間続いたスリランカ内戦によって50,000人を超える方が命を落とされています。

長い冬の時代からようやく目覚めたスリランカには、支えを必要とする未亡人や子供たちが残され、荒れ果てた国土が広がっています。
 
ディルマは、夫を亡くした未亡人には教育と仕事の機会を与え、子供たちには専門教育を受ける奨学金を与え、未だに地雷が残る国土を緑で覆う活動を行っています。
 
 
おわりに
 
ディルマは1988年に始まった、スリランカ人が経営するスリランカ紅茶の企業です。わずか30年余りの歴史しかない会社ですが、幅広い事業を展開するお茶の総合商社に成長しています。
 
急成長した理由は複数あるのでしょうが、私は、メリル・J・フェルナンド氏が私財や本業から生じた利益を、目の前の困っている人々や様々な問題に惜しみなくつぎ込む様子に、人々は心を打たれたのではないかと思います。
 
ただ単に寄付をするのではなく、その人や地域が自立してお金を稼ぐことが出来るような仕組みを整える。国士という言葉が私は好きなのですが、メリル・J・フェルナンド氏にはその言葉がよく似合います。
 
ディルマの紅茶を買うことが、スリランカの人々の生活の向上に役立つ
 
お茶の持つ力の大きさを感じさせてくれた偉大な企業でした。
 
世界の茶商シリーズ
 
過去の世界の茶商シリーズはこちらです。
 
◎ The Republic of Tea(アメリカ)→
◎ Twinings(イギリス)→
◎ Mariage Freres(フランス)→
◎ Kusmi Tea(フランス)→
◎ Dilmah前編(スリランカ)→
◎ Dilmah後編(スリランカ)→