先日、印鑑入れの中に手紙を見つけた。
2センチほどのそれは中学生の頃によくやった折り方の物で、慎重に広げてみた。
「ママへ」
と書いてあった。
娘からだ。
「ママとの約束を守れなかったので、鬼束ちひろのコンサートはママだけで行ってください」
と書かれていた。
ということは。
娘が中1である。
つまり、9年前!
それを入れたまま私は脱出し、今日まで放置してたのだ。
確か定期テストで全教科40点(目標低笑)とれたら鬼束ちひろのコンサートに連れて行くと約束したことを覚えている。
手紙には理科が38点だったと書いてあって吹き出した。
私は今もそうだが、鬼束ちひろの大ファンである。
模倣だか何だか知らないが、娘も幼い頃から聞いていたため大ファン。
当時娘は大号泣していた。
約束を守れなかった自分が悪いのだ、と。
モラハラ加害者は私が楽しそうなのが大嫌いなので、ガンガンに怒り散らしていたが、鬼束ちひろだけは譲れない。
譲れないったら譲れない。
点数なんてええやんええやんと親子で初の生ちーちゃんを堪能してきた。
その時の手紙が2022年、私に届いた。
娘に見せたら、38点て!と大笑い。
この娘。
脱出してから数年は、気でも狂ったのかと思わんばかりに私を攻撃してきたのだが、もう22歳。
娘が高校生時分には、あんまりな娘にブチ切れて拳と拳を交えてガチ殴り合いをしたのもいい思い出。
(私が勝った)
ボロボロになったお互いを見て大爆笑。
そんな娘も今や立派に18歳から自衛官として働いている。
そして思い返していた。
娘が小学校に入学した年のこと。
その年の正月、義姉宅が火災に遭った。
全焼し、義姉の子ども2人が焼死した。高校生と中学生だった。子どもは2人だったので、一夜にして子ども全員を失ったのだ。
義姉は全身が焼けただれて意識不明。
旦那さんは溶けた雨どいを伝って脱出。
一階の義父の部屋が火元で、義父は軽い火傷で済んだ。
私はというと3人目の子どもを生んで3か月だった。
その日から義父と同居することになり、小学校入学を控えた娘へと用意した部屋を義父の部屋とした。
義父は常に私に怒鳴っていた。
私の作る料理に毒が盛られてはいないかと監視しては怒鳴っていた。
モラハラ加害者の攻撃とも相まって頭がおかしくなりそうだった。
高齢の義父はおかゆ、モラハラ加害者にはご飯、子どもたちには子ども用、退院してきた義姉宅のご飯まで作っていた。
生後間もない赤ちゃんと、5歳3歳の子どもの世話をしながら。
遺体確認をしたのも私だし、義姉にお子さんが亡くなったことを伝えたのも私だ。
何もかものことをさせられすぎて麻痺していた。
正常な神経ではいられなかった。
そんな中、義父が私の顔を見るのも嫌だと言いだし1人暮らしをすると言い出した。
こっちの台詞やろと思いながら、離れられるならなんでも良かったからなけなしの金で用意をしたらその新居に入って1週間後に自殺した。
足下には30通ほどの私への恨みの手紙が散乱していて、一応不自然死ということで警察で事情聴取もされた。警察署で泣きながら授乳し、警察官に背中をさすってもらった。もちろん疑惑は晴れたし、そもそも疑ったわけではなく形式的なものらしかった。
モラハラ加害者はとことん私を無視した。
汚い物を避けるような、臭いそぶりをして私を避けた。
そしてとんでもないほど霊現象が続いた。
5歳の娘と3歳の息子が部屋のあちこちで
「おじいちゃんおる!」
「○○ちゃんや!」と指差すのだ。
部屋ではいつもどでかい怪音がしてその度飛び上がった。
もう私には手に負えなかった。
何もかも。
義父の遺骨を置いた仏壇では、扉を閉めているのにチーンと鳴ってるし、早く墓に埋葬したかった。
モラハラ加害者は、埋葬するときに義父からの恨みの手紙を燃やしてくれると約束してくれたから私は必死で頑張った。
しかしモラハラ加害者は約束をいともなげなげに破り、恨みの手紙を持ち帰る。
その手紙には
「あの女が生んだ子どもなどかわいくもくそもない」と書かれていた。だから燃やして欲しかった。
私は墓地から帰り、トイレにこもって泣いた。
泣けるのはシャワー時かトイレぐらいだ。
その時、トイレのドアの下から紙がスススと入ってきた。
「ままへ
ままがんばてる
なかないで
ままだいすき」
と書いてあった。
泣かないでと言われても泣いてしまうよ。
まだまだ私がモラハラなんて知らない頃のお話。
知らないから、まだまだモラハラ加害者の機嫌を取り続けるんだけど、娘からの手紙は本当に嬉しくて嬉しくて、辛い時は何度も見た。
育児ってさ、本当に思い通りにならないことをこれでもかと知るためにやるようなものだよね。
本当しんどかった。
でもそんな娘と今では2人で買い物行ったり、2人てカラオケ行ったり、アホな話で延々と爆笑したりしてるの。
帰省してきたら風呂も2人で入って大熱唱。
奇跡や。
「私」をしっかり持って、凛とした娘を見てたら
私なかなかええ育児したんちゃう?って誇らしくなるんだ。今まではずっと、こんな私なんてとかやってきたけどね。
共依存を抜けたその先にはこんなオプションあったよ。
娘に出会えて良かったって心から思う。
たまにはモラハラなしもええやん?
シマヘビを巻いて喜ぶ娘。
娘とファイティングポーズ。
なんとはなしの写真。
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モラハラやDVにはめっぽう詳しいです。
反抗期や親子関係などにも強いです。
行政や警察などへの対応なども詳しいと思います。
脱出後の1番苦しい時にも是非使ってね。
私、それ経験してるからきっとあなたの気持ちに寄り添えるよ。
umechobin@yahoo.co.jp
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