極度の興奮状態で終えた一日目と比べて、
麻酔が少しずつ切れ、痛み止めの点滴と薬に切り替った二日目は痛みとの戦いでした。
朝に主治医の先生が回診に来てくださり、体の状態を確認してくださりました。
有難いことに食欲があり、またガスも出ていたため問題はありませんでした。
フットポンプも無事に取れたため、今日の目標はトイレに行くことと言われました。
私が経験した帝王切開でのお産ではこれに一番苦労しました。
個室に入院していたため、距離としてはベッドから数メートルでしたが、果てしない距離に感じました。
そもそも歩く前に、ベッドから体を起こさなければなりません。
一日中横になっていたことと、お腹に力が掛けられないため、びっくりするほど力が全く入りませんでした。
手すりにつかまりながらかなりの時間をかけて何とか体を起こした後は、やっと歩き始めることができました。
生まれたての子馬のように足がガクガクという表現がありますが、まさにその通りで、一歩を踏み出すのに全力を振り絞らなければなりませんでした。
笑ってしまうくらい一歩一歩を本当にゆっくりと踏みしめ、やっとたどり着いた時にはかなりの疲労感でした。
腰を下ろすのにも一苦労でしたが、面白いことにベッドに戻る時には少し体が楽になっていました。
本当に辛いですが、一度歩いたことで血液の循環が良くなったのかもしれません。
とは言え、まだ痛みもあり、元気いっぱいというわけにはいきません。
日本ではどうか分からないですが、シンガポールでは積極的に痛みのケアが行われるため、痛み止めをたくさん出してもらえたことがありがたかったです。
二日目を過ぎると、三日目はリハビリと赤ちゃんのお世話に専念することであっという間に過ぎ、四日目の朝に退院となりました。
三日目は少し痛みと違和感があったものの、四日目には痛みは感じませんでした。
これには個人差があるかと思いますが、主治医の先生の処置が良かったのかもしれません。
日本では帝王切開のお産は一週間程度入院すると思うので、それと比べるとスパルタな入院生活でしたが、何とか退院できてほっとしました。