帝王切開当日~手術 | シンガポールで不妊治療&妊娠、育児の記録

シンガポールで不妊治療&妊娠、育児の記録

2019年12月からシンガポールで不妊治療を始め、採卵2回、5回目の胚盤胞移植を経て2021年に妊娠することができました。

2022年7月に無事出産し、現在は慣れない育児に追われています。

私の経験が誰かのためになればと思い、ブログに記録を残すことにしました。


手術室に入り少しするとクリニックでお世話になっている主治医の先生も到着しました。
手術室は想像よりも多くの機械があり、物々しさに少し怯んでしまいましたが、いつも診ていただいている先生のお顔を見ると安心できました。

まずは手の甲への点滴から始まりました。
何度も経験しているものの、やはり痛いんだろうな…と少し憂鬱でしたが、今回は違いました!
それは点滴用の針を刺す前に刺す部分の感覚を麻痺させる注射のお陰です。
この注射の針はとても細く、少しチクッとするだけであまり痛みはありません。

この後に点滴用の針を刺されても、感覚はあるものの全く痛みはありませんでした。
余りの感動に、麻酔医の先生に全然痛くないです。ありがとうございます!とお礼を伝えました。


そのすぐ後に、局所麻酔を背中に打つ準備が始まりました。
注射を打つ前に、ゾクゾクと寒くなるくらいに背中全体に消毒液を何度も塗られました。
手術室自体が寒いのもありガタガタと震えが来てしまいました。
局所麻酔の前にも感覚を麻痺させる注射を打ったため、麻酔の注射針が入る痛みはありませんでしたが、(恐らく)薬が入っている時に、鈍いような重いような感覚が背中を伝っていきました。これは少し気持ち悪い感覚でした。

手術台に上ってからは、麻酔が効いているかのチェックがありました。

冷たいアイスパックのようなものを胸と足にあてられて、感じ方に違いがあるかを質問されました。

最初のチェックでは足も冷たい感覚があったものの、数分もすると何も感じなくなりました。

もちろん意識ははっきりしており、話もできますし、手も動かせます。

どういう仕組みで下半身だけ麻痺させることができるのかとても不思議でした。科学の進歩に感謝です。

 

 

麻酔が効きだして少しして夫が手術室に入ってきました。
帝王切開のため立ち合いは無理だと思っていたのですが、立ち合い可能ということで、夫にも誕生の瞬間を見てもらうことができました。
これはシンガポール独特なのでしょうか?逆の立場だったら、私は立ち合いに躊躇してしまうかもしれません…


手術自体は順調に進み、開始してから5分くらいで産まれました。
麻酔が効いているためもちろん痛みはありませんが、私の体の中から何かが引きずり出される感覚はありました。
とても不思議な感覚でした。
産まれる直前に麻酔医の先生が赤ちゃんが早く出てこられるようにと、私のお腹をぎゅうぎゅうと押してくださっていたのには少し驚きました。

ただ、感覚がないことと、胸から下は隠されて見えないようになっているため、産まれましたよ!と声を掛けてもらうまで分かりませんでした。


産まれるとすぐに看護師さんが赤ちゃんの体重測定&身体を拭いてくださりました。
少しして大きな産声が聞こえ、感動して涙が止まりませんでした。
不妊治療中のこと、妊娠中のことが一気に頭の中を駆け巡っていきました。
妊娠出産は本当に奇跡だという事を実感し、本当に全ての人に感謝する気持ちが溢れました。

産まれてからは傷の縫合に30分ほど時間が掛かり、その間も麻酔医の先生がきめ細やかに状態を確認してくださりました。
驚くことに、縫合している間に麻酔医の先生が主治医の先生との写真を夫が持ち込んでいた携帯でたくさん撮ってくださいました。
とても良い記念になりました。