転院の書類が全て揃い、新しいクリニックの初診へ夫と共に行ってきました。
持参した検査結果に目を通した後、今後どのように治療を進めたいのかを先生から聞かれました。
正直なところ、胚盤胞は残ってはいるものの、質が良いものではないので移植するよりも採卵を行うのが良いのか、それとも、少しでも若いうちに移植を行った方が良いのか迷っていました。
それを先生に話すと、確かに胚盤胞の質は良くないので、二個移植する場合は移植できるが、この一つのみはお勧めしないという事でした。
それでも決めかねていた私に対して、「胚盤胞移植が上手くいかない場合でも、不妊治療を続ける気持ちがあるのなら、採卵を勧めます。自分が一番納得する方法を選んでください」と冷静に言われました。
セカンドオピニオンの時は優しい印象の先生だったので少し驚きましたが、確かに先生の言う通り、私が納得して治療が受けることが大事で、そのために転院したと言っても過言ではないのです。
その場で移植ではなく採卵をお願いしますと決断しました。
私の決断を受けて、先生から採卵は早い方が良いし、二人以上の子供を持つ場合にも少しでも若い方が良いと言われました。
先生が仰ったことは当たり前のことなのですが、この言葉を受けて不覚にも涙が止まりませんでした。
それは、一人の子供を授かるにもこんなに苦労しているのに、二人なんて考えられないという気持ちからでした。
その様子を見た先生は、物事をポジティブに考えるべきで、もっとリラックスする必要があること、また、納得できる治療方針を決めたのだから、後はクリニックに任せて心配しなくて良いからねと声を掛けてもらいました。
クリニックからの帰り道、不妊治療を始めてから初めて先生と本心から話し合うことができたと感じました。将来のことは分かりませんが、この新しいクリニックでは後悔のない治療を送れそうだと思いました。