馬場シリーズ5回目。

今回は散水のお話。


散水することは馬場状態にも影響してしまうもの。
だからといって水を遣らなければ当然芝は枯れてしまう。
そのために注意を払いながら必要な分を適宜散水しているとのこと。


現在の日本では基本的に生長に必要な分だけを散水し俗に言われるパンパン馬場で開催されている。
これはできるだけ自然な状態で施行することに主眼がおかれているから。
そのあたり天気予報(雨が降りそうなのかどうなのか)なども参考(あくまで)にしながら散水しているそうだ。
そして意図的にJRAが馬場を云々と言われることがないように結構気を遣っているとも言われた。


これに対してヨーロッパでは馬場に意図的に水を撒いて日本で言う稍重に近い状態で施行されていることも多い。


日本でももう少し軟らかい馬場の方がいいのではないか?との声ももちろんあるらしい。
ただ現在はまだ主流意見ではないので実施はしていないとのこと。


ここで前々回の高速馬場や前回の芝丈の話とも若干関連することになるけど今後このあたりの声が大きくなってくれば変わってくることはあるだろうなと言われていた。



馬場シリーズその4回目。


今回は芝刈り・芝丈のお話。


芝刈りと行っても桃太郎のおじいさんじゃないよー(とボケをかましとく)



実は芝丈。
徐々に変化していて今の芝丈で施行するようになる以前はもう少し長かったそうな。
この辺りは各方面からの要望やらなにやらを勘案して変更した結果らしい。
なので今後もまた変わることがあるかもしれないなとのことだった。


芝刈り作業は基本的に開催が終わった翌日(月曜日)にすることがほとんどだという。
ただし雨降りの日や馬場に雨が残っているような時は行わずに後ろにずらすそうな。


あと冬場は芝があまり生長しないけど春からはよく生長するので思ったよりも芝丈が長くなることもあるとのことだった。



ところで先日産経大阪杯の日の最終レース後に芝刈り作業をしているところに出くわした。

(ツイ友のもりすくさん提供)

これを見ていてひょっとして翌週からコース変わりだしその作業かな?と思ったんだけど確信がなかったので聞いてみた。


答えは正解!


まずは写真のように仮柵の支柱を設置する部分を全周刈っていく。
ここで位置決めをしないと当然距離が間違ったことになってしまいえらいことになるから。

その後そこから内側部分を刈っていき仮柵を設置して終了となる。


ここで課長曰く
「しかし阪神競馬場は珍しいなぁというか大胆というか。こういう作業は基本お客様がいないとこでだいたいするんだけどなぁ。よっぽど早よ終わらせたかったんかな(笑)」と。

「しかしよく見てらっしゃいますねー」と感心もされちゃった。



さてあと1回ってことだったで今回でおしまいのはずだったのにまだ続いてしまうんだなこれが・・・(汗)
造園課長とのお話の3回目。


俗に言われる高速馬場について話してみた。


速い時計が記録されるGIで故障が発生したときによく話題になるこの話。

トレセンの獣医師とも話をしたことがあるけど複数の要因が重なって起こるもので馬場に原因を求めるのは・・・と。

ぶっちゃけ通年開催でしかも寒冷乾燥な冬から高温多湿な夏まで馬場を維持している技術はすごいと思うんだよな。



「高速馬場⇒故障って言われ造園課のがんばりは無視されて逆に悪の権化のように言われて大変ですね」

と話をしたところこんな回答が。

「どこかに原因を求めようとするとそういう声が出るのも仕方ないかな。ただ自分たちはできることを精一杯やるだけです。まぁなんの話題にもならないよりはいいかも」

これを聞いて信念を持った職人!と思った。



あと1回ほど馬場の話を。
馬場造園課長の話その2。

今回は野芝と洋芝について。


馬に乗って走ったこともなければ当然乗れるわけでもないので話を聞いてもぶっちゃけその感覚がわからず想像の域での話になっちゃうけど・・・(汗)


まず野芝と洋芝の根本的な違いから。

簡単に言ってしまうと野芝は横に根を張っていく。
洋芝は縦にスポンジのように根を張っていく。







この写真で見てわかるかどうかなんとも言えないけどオーバーシードの中山や阪神には白というか黄色というかの根があるけど函館にはそれがない。

ここがまず馬が駆けるときに影響している。


このネット状になっている根をグッと蹴ることでトランポリンのような感じになって推進力を生み出している。

前回の話で少し触れたけど根がビッシリと張っていればしっかりと馬の踏み込みを受け止めて当然その反発力も強くなる。
しかし芝を張り替えたところなどで根付きがそれほどでもなければ踏み込みをしっかり受け止めることができない。
またそのときに芝が剥がれることにもなるので反発力も弱くなる。

また昨年の春の中山のように重馬場での開催が続けば路盤が緩くなって馬が蹴るときに芝も一緒に跳ね上げてその部分は芝が剥げていくということになる。
そうなると剥げたところは路盤に根も葉もなく土の上を走ることになるのでトランポリンの効果がないので推進力もその分少なくなってしまう。


さらに洋芝の場合は前述の根の違いだけでなく葉自体の水分量が野芝に比べて高いとのこと。
それが馬が駆けるときに脚に絡み付くような感じになって重く力が要るということになるんじゃないかということだった。
29日栗東トレセンで「馬に親しむ日」が開かれ今年も行ってきた。

その会場で警備要員として出務されていた馬場造園課長と話をすることができた。
(騎手も多く参加している中で「造園課長さんいらっしゃいますか?」と探すボクは相当奇特やな・・・・汗)

そのときの話からいろいろと書いていきたい。
今回はとりあえずその1回目として京都Aコースについて。


例年この京都Aコースは1回開催(1月)と4回開催(10月)で使用されるコース。
よく言われる内枠天国・前行ったもの勝ちとも言われるコース。

どうしてそんなことになるのか?ということを次のように解説してくれた。


このコースは開催後にB→C→Dと仮柵を移動していく中でまったく使用されていないので順調に芝は生育している。
そして他のコースは開催後に芝の張り替えを行うことがあるがここは芝が十分成長するので基本的に張り替えを行うことがない。

つまり地面にしっかり根付いた芝であるのでグリップが効き推進力を生み出しているんではないかとのことだった。

したがってどうしても前が止まらずなかなか差しが決まらない。
もし差すとしたらディープインパクトの東京優駿やゴールドシップの有馬記念のようにそれこそ大外ぶん回ししないとムリじゃないかなと。
(これはさっきの話の関連で普通に外を回すつまりB・Cコースのラチあたりであれば張り替えた芝という場合もあるので根付きにどうしても差ができてしまうから)


となるとよほどの脚を持った馬でないと差し切ることは難しいということになるのかなと思った。