捨てる
わたしはここのところ、毎日、大量のモノを捨てている。
家のなかのモノを、どんどんどんどん、大きなごみ袋に抛りこむ。
あっという間に袋はいっぱいになり、両手に持ちきれないくらいのごみ袋を、
わたしは毎晩、団地のなかのごみ捨て場へもっていく。
捨てる、とゆう行為はクセになる。
気持ちがよくて、楽しい。
捨てれば捨てるほど、いかに自分が不要なモノたちの中で生活してきたかということにぞっとする。
捨てる、ってものすごいことだ。きもちいいけれど、怖いことだ。
きもちいいのは、自分の周囲からモノをすくなくすることだ。
わたしはもともと、何にでもそんなにこだわりはもたないほうだとおもう。
だから、モノにも服装にも執着がない。
でも貧乏性なので、一度手にしてしまうと必ず「もったいないなー」となってしまう。
だから、いちばんいいのは、モノなど始めから極力持たないことだ。
モノってつまりはしがらみで、過去だから。
モノに囲まれてるとゆうことは、過去に囲まれ、過去に縛られてることになる。
わたしは、わざわざ振り返って見るほど、自分の過去にも興味がない。
モノが過去だっていうのなら、常に自分の周りに新しいモノだけ置いておけばいいのか?
そんな恐ろしいこと・・・
モノは古くなるからモノなのだ。そこから目をそらすことほど、恐ろしいことはない。
「大切なモノだから、きちんと片付けときなさい」
と言われれば、ハイ、とおもう。
大切なら、何か記念にモノにして取って置きたい、という気持ちも確かにある。
けれど、大切なら、モノなどにしないほうがずっといい。
大切なものは、なくしたときが悲しすぎる。
なくしたときのことを想像するから、余計に大切なのだ。
だったら、はじめから記憶の中にだけあるほうがいい。
などと、極度の怖がりで不安症なわたしは、おもってしまうのです。
だから、きょうもわたしはどんどんどんどん、ためらわずにごみ袋に投げ入れる。
失いたくないものもあるけれど、捨てることも、必要なことだとおもうから。
今度住むのは、坂道の多い街。
坂道は、歩くぶんには平坦な道よりおもしろい。
あの背中を地面に引っぱられるかんじ、
昇ってから振り向いたときのかんじが、今から楽しみ。