左遷者の哀しみ
わたしは出産したので会社では閑職に回され、日々くそつまらん仕事をさせられていて、つまりこれはれっきとした左遷であって、生きがいとかやりがいとか1ミリも感じられずただ、蜻蛉のようにカオナシのように決められた時間をデスクに向かって過ごしているわけなのですが。
そんな先日のこと。
産休に入るまえの仕事に関する郵便物やメールが、今でも1日に数通は届く。
その中の、あるお知らせに、わたしの目は釘付けになった。
それは一流マエストロによるオーケストラ演奏が映画になって、映画館の5.1サラウンドで堪能できるっていう試み。もうすぐ始まるそのラインナップも垂涎なのだが、それはさておき、わたしの目を惹いたのはそこではなくて。
その、マスコミ向け試写会でトークイベントが催されるらしく、そのゲストの中にあった、島田雅彦の名前。島田雅彦、それはわたしの愛して止まない作家である。
もし今、前の仕事をしてたなら。間違いなく、取材っつって島田先生のお話を聴きに出かけたはず。これがお金になるかどうかはさておき。だけど左遷って。左遷てどういうことよ。左遷のおかげで島田先生のとこにも行けないなんてひどすぎる(←問題はそこじゃないって?)
とにかくね、この左遷に対する憤りとか絶望感に苛まれるのは、この数ヶ月で何百回目か。
要するに、社会における女性の立場なんてそんなもんなんですよ。
これじゃ、仕事にやりがいを感じている女性は誰も子供なんか産みたくなくなる。苦労して築いたキャリアをドブに捨てることになるから。
保育園の前には長い行列ができているのに、幼稚園にはいつだって入れる。
この国では、女性は専業主婦になるのが正しい選択なのだろう。
ちなみに上記の映画館でオーケストラ演奏を上映するという試みは「シネ響」といって、これはこれでたいへんに魅力的☆
ラトルが振るラフマニノフもいいけど(ピアノは「のだめカンタービレ」でおなじみラン・ランらしいですよ、わたし好みではないけど)、わたしの興味はバレンボイム。どうしても映画館に行かなければ。さてどうする。託児施設はあるのか。