自分はよく、シャントの概念を患者様に説明するときに
シャントを高速道路に例えます。
たとえば私は群馬県民なので関越自動車道で話しますと…
動脈は下道(国道とか)
吻合部はインターチェンジ
シャント本管は高速道路
目的地である心臓(右心系)は練馬出口
となります。
高速道路に車がよどみなく、適切な量が流れている状態が良いシャントというわけです。
これらのどこかに問題があると、シャントはうまく流れず 詰まったり痛みをともなったりします。
一つ一つ説明しますと、
動脈硬化などでシャントの元栓である動脈血流が低下していると、シャントに流れ込む血流が少なくて脱血不良になったり詰まったりします。
これは高速道路の乗り口のある国道の自動車通行量がすくなければ、高速道路の通行量は自然と下がるということです。
次にインターチェンジでオープンしているレーンが少ない場合
下手な表現ですいません(;^_^A
吻合部に狭窄があるということで、これも血流量が少なくなってしまいます。
レーンが多すぎると、逆に交通量が多くなりすぎてしまい、下道である国道の交通量が激減してしまいます。
これがいわゆる盗血症候群(スティール)ってやつです。シャントに血流がかすめ取られすぎてしまい、指先に向かう血流が低下するため指先が冷たくなったり痛くなったります。もともとの動脈(国道)の血流量が少なければさらに起きやすいですよね。
ただしいずれも車が走っていれば、シャント音は聞こえています。
シャント音は笛と同じで、狭いところがあればそこで音が聞こえるのです。
すべての高速道路の中で、いちばんせまい道はインターのレーンですよね?
だから吻合部でシャント音がいちばんよく聞こえるわけです。
では高速道路そのものに問題がある場合どうなるでしょうか?
続きは次回以降~