ずいぶん前に、
小島政二郎の『眼中の人』についての
記事を投稿しましたが、

そこで、
「ガチャガチャ」という謎の生物が出てきたことを
書きました。


最近、『高村光太郎詩集』を読んでいたら、
『丸善工場の女工達』という詩の最後に、なんと

 がちやがちや

が登場しました!
「や」は大きい「や」でしたが、旧かなづかいなので同じです。
その行を引用すると、

 何処かでもうかちやがちやが啼き出した

です!


『眼中の人』では、がちゃがちゃはどうも「犬」らしい、
ということになりました。

この『丸善工場の女工達』から読み取れる、がちゃがちゃの性質は、
午後五時の夕立があがったときに鳴き出す、ということだけです。

夕方になると鳴き出す・・・

犬でもおかしくないですね。

やはり、がちゃがちゃは犬なんでしょう。。



しかし、知り合いに
「詩に、がちゃがちゃという謎の生物が出てくる」と話したところ、

 「クツワムシやろ。」

と言われました。なんでなのか聞いてみると

 「歌で、がちゃがちゃ鳴くやん。」

そうか、確かに「♪ガチャガチャガチャガチャクツワムシ」です。

クツワムシの生態はよく知らないのでWikipediaで調べようとしましたが、
やはり癪なので、埃を払い払い日本語大辞典で調べてみると、
思ったより簡潔な説明で、生態まではわかりませんでした。
そこで、仕方なくWikipediaで調べてみると、クツワムシは夜行性でした。

『丸善・・・』の設定には合っているわけです。


ところが、
『眼中・・・』では、ペットとして飼われていて、
半壊の家から助け出した上に、確か「吠える」と書いてあったように思います。
家から助け出すのはまあ、あり得るにしても
虫が「吠える」というのはおかしい。
どうなんでしょう? 機会があったら読み直してみたいです。

高村と小島で、別の動物のことを指している可能性もあります。。

今の段階では、いまいちよくわかりません。
チャールズ・ディケンズの『信号手』を読みました。

これは、

怪奇小説傑作集3
ラブクラフト他 著
大西尹明、橋本福夫 訳
東京創元社 1969初版 1974年18版

の二話目です。
訳は橋本福夫です。


ディケンズというと、どこかで聞いたことあるような名前ですが、
どこかで聞いたことあるようなだけあって、すばらしい小説でした。
(とはいえ怪奇小説ですが。)

読んでいる間に思い浮かぶ風景や色がきれいでした。


 雪が積もって暗い谷底
 足場の悪い段々道を下りて行く私
 隅のほうがしけった小屋
 線路とトンネル
 小型ベルの音
 手提げランプを赤色に切り替えて駆けていく信号手
 暗い中トンネルの傍で光る赤色灯


とくに赤色の光が強烈な印象を与えます。ペンギン


本当は、雪が積もっているとは書いていないのですが、
なんとなく最初からロシアだと思い込んで読みました。
(『ぽっぽや』の影響か?ゴーゴリの『鼻』をテレビでやってたから?)
途中で
 『「サー」という敬語をはさんだ』
という話が出てきて「あれ?」と思っていたら、最後の方で
 『英国中でもこの人くらい・・・』
とあって、実は、イギリスの話でした。
ディケンズがイギリス人だから当たり前か。

推理小説も怪奇小説もほとんど読んだことがないから
推理力がないだけなのかもしれませんが、
自分の予想はするごとに裏切られ、意外な結末に至りました。

決して良い終わり方ではないですが、
単に気味が悪いだけではない、感動がありました。

ディケンズすごい!


ペンギン
そういえば、斎藤茂吉の歌集に『赤光』があります。
現在、斎藤茂吉セレクションみたいなのを文庫で読んでいるのですが、
あまり赤!って感じがしません。もう一回読み直してみよー。
2次正方行列は4つの行列に分解されます。



右辺の一つの成分が1で残りの成分が0であるような行列を
行列単位と言います。
単位行列(対角成分が1で他が0の行列)とは異なるものです。

2次正方行列は4つの行列単位の和で表されることになります。
(a,b,c,dといった係数は要りますが。)

行列単位どうしの間の関係をまとめておけば
行列の計算や公式の証明を見通し良くできることが期待されます。

右辺の行列単位を左から順番にe,f,g,hと書くことにします。
計算すればすぐわかることですが、掛け算に関する関係を表にまとめておきます。



この表だけだといまいち規則性が見えにくいかもしれませんが、
実はfとgさえあれば事足りることがわかります。

<f,gに関する公式>
(冪零性) ff=0,gg=0
(はさみうち)fgf=f,gfg=g
(変異)  fg=e,gf=h


変異公式により、eとhはfとgから作ることができるのです。

すると、この記事の最初に出てきたa,b,c,dの行列は(これをAとすると)

 A=ae+bf+cg+dh
  =afg+bf+cg+dgf

と書けます。あじさい



応用として、これを使って、

 trAB=trBA

を証明しましょう。



とします。

AB=(afg+bf+cg+dgf)(xfg+yf+zg+wgf)
  =axfg+ayf+bzfg+bwf+cxg+cygf+dzg+dwgf
  =(ax+bz)fg+(ay+bw)f+(cx+dz)g+(cy+dw)gf

BA=(xa+yc)fg+(xb+yd)f+(za+wc)g+(zb+wd)gf
(a←→x,b←→y,c←→z,d←→wと入れ替えれば速い)

trAB=ax+bz+cy+dw
trBA=xa+yc+zb+wd

となり示された。




あじさい
基本的なこととして、
2次正方行列Aをf,gで表したとき、その表し方が一通りしかないことを
確かめておきましょう。つまり、もし

 afg+bf+cg+dgf=a'fg+b'f+c'g+d'gf

と書けるならば、a=a',b=b',c=c',d=d'であることを確かめます。

a=a'を示します。両辺に右からfを掛けると、

 af+cgf=a'f+c'gf

両辺に左からgを掛けると、

 agf=a'gf
 (a-a')h=0

hは零行列ではないので、スカラーを掛けて0になるということは
スカラーが0でないといけません。よって、

 a=a'

となります。
b=b',c=c',d=d'も似たようなことをすれば証明できます。
(他の行列単位が消えるように右や左からf,gを掛けるのがポイントです。)

まあ、行列単位だということを考えれば一通りいし書けないのは
明らかかもしれませんが、一応証明しました。

こうして証明したことで、
2次正方行列の行列単位に限らず、一般にf,gで、

(冪零性) ff=0,gg=0
(はさみうち)fgf=f,gfg=g

を満たすものがあるとき、これらの性質に加え、

 λf=0⇒λ=0,λg=0⇒λ=0

も満たされるならば、
afg+bf+cg+dgfという表しかたは一通りである、ということがわかります。