以下の問題について考えます。

問題

2x+5y=1 ・・・①

という方程式の整数解を求めよ。


これは、
なにか一個解を気合いで探してきて(こういう解を“特殊解”という)、
辺々引いて1を消して解くのでした。

たとえば(x,y)=(-2,1)は解の一つ(特殊解です)なので、

 2・(-2)+5・1=1 ・・・②

が成り立ちます。①-②をすると、

 2(x+2)+5(y-1)=0

となります。変形して、

 2(x+2)=-5(y-1)

右辺が5の倍数より、

 x=-5k-2 (kは整数)

①に代入して

 5y=1-2(-5k-2)
  y=2k+1

kがどんな整数であったとしても、このx,yは①を満たすので、
すべての整数kで、このx、yは①の解です。よって、答えは

 (x,y)=(-5k-2,2k+1) kはすべての整数

となります。


こうして、特殊解を使って解けるのですが、
この問題を、グラフの平行移動を使って解くこともできます。


問題

2x+5y=1 ・・・①

という方程式の整数解を求めよ。


まず、右辺を0にした

 2x+5y=0・・・③

という方程式を考えます。

 2x=-5y

より、右辺が5の倍数だから

 x=5k (kは整数)

③に代入して、

 y=-2k

すべての整数kで、このx,yは、③の解です。

この状況をグラフで見ると(下図)、
直線2x+5y=0の格子点が(5k,-2k)(kは整数)だということです。

(縮尺の関係で、上図の格子はx、yともに偶数のところしか引いてないので注意。)

ところで、問題で聞かれているのは、
直線2x+5y=1の格子点です。

直線2x+5y=0を平行移動して直線2x+5y=1に重ねましょう。

どれだけ平行移動すればいいかというと、

 2(x-p)+5(y-q)=1

となるようなp,qを頑張って見つけて、
x軸方向にp、y軸方向にqだけ平行移動すればよいです。

 p=-2,q=1

とするとうまくいきます。

他の値でも、たとえばp=3,q=-1などでもOKです。
これが、最初にやった解法の“特殊解”を見つける作業に相当します。

グラフで見ておくと、

赤線に沿って平行移動しています。
(また縮尺の関係で、升目は1/2区切りになっています。)

平行移動する前の直線上の点を(x,y)、
平行移動した後の直線上の点を(x',y')とすると、

 2x+5y=0
 2x'+5y'=1 ( 2(x'-p)+5(y'-q)=1 )

であり、

 x=x'-p,y=y'-q ・・・④

の関係があります。④より

「x,yが整数」⇔「x',y'が整数」

なので、さっき求めた方程式③の解を使って、

 x'=x+p=5k-2
 y'=y+q=-2k+1

が求める解となります。

ちなみに、p、qは他の値を使っても同じ答えが出てきます。
式としては一見違う形でも、k=…,-1,0,1,2…を代入して
解全体を見れば同じです。



最後に、

今回は2x+5y=1という方程式を扱いましたが、

2、5の部分は「互いに素な整数」なら同じ解法が使えます。

また右辺の1も、“特殊解”や“どれだけ平行移動したらよいか”さえ
発見できるならどんな整数でも大丈夫です。
§0.はじめに

2次方程式の解は、

 1)2つの相異なる実数解
 2)実数の重解
 3)2つの相異なる虚数解

のいずれかだった。

「実数解と虚数解1つずつ」というのはない。フグ

3次方程式や4次方程式にも、このような
実数解や虚数解のパターンがだろうか?


§1.2次方程式と判別式

さっきのフグのところには少し疑問が残る。
 
という方程式の解は「実数解と虚数解1つずつ」ではないのか?
展開してみると、
 
となり、係数が虚数になる。
このように係数が虚数の時は2次方程式といえども、先述の3パターンに収まらない。

そもそも、この「3パターン」は2次方程式の解の公式から出てきた。
つまり、
 
において、√の中身(=判別式)が正なら実数解、負なら虚数解であり、
さらに、√の前に±があるために、解が2つ出るとういものだ。
√の中身が0なら、±0だから解は1つになる。

ここで、「√の中身が正なら実数解」と言うとき、
√の外が実数であることが暗黙の了解になっている。
a,b,cが実数なら、√の外は実数であるから、
係数が実数の時は、例の3パターンは正しいということになる。

係数に虚数が入っている時は、3パターンのどれにもならない場合がありうる。
(たとえば、さっきの(x-1)(x-i)=0。)


以下では、方程式の係数は実数とする。


§2.3次方程式の解のパターン

3次方程式は1次方程式と2次方程式に“分解”できることを確認しておこう。


どんな3次関数でも、グラフを描くと必ずx軸と交わる。クマノミ

  クマノミ
  数Ⅲの知識で証明できる。
  x→∞のときの極限とx→-∞のときの極限が異符号の無限大であることから、
  中間値の定理よりy=0となるxが必ず存在する。

ゆえに、どんな3次方程式でも少なくとも1つ実数解をもつ。

よって、因数定理より、3次方程式は、

の形に書ける。うお座

  うお座
  もうちょっと詳しく言うと、
  存在が保証された実数解をx=αとすれば、因数定理よりx-αを因数にもつから
  3次方程式は、(x-α)Q(x)=0と書ける。
  左辺は3次式なのだから、Q(x)は2次式でないとおかしい。
  よって、上記のような形に書ける。

したがって、3次方程式の解は、
 または 
の解と同じである。

このように3次方程式は、1次方程式と2方程式に分解される。

3次方程式の解は、
実数解x=αと2次方程式の解からなるので、
2次方程式の解3パターンのそれぞれに、実数解αを付け足したものになる。

αが、分解して出てきた2次方程式の解と一致することもあるので
重解についてはあまりきれいな結果は得られない。
そこで、重解を重複して数えるブタネコことにすると、3次方程式の解は

 1)3つの実数解
 2)1つの実数解と2つの虚数解

  ブタネコ
  わかると思うけど、念のため書いておくと、たとえば
  
  の解を3つの実数解と数える、ということである。

の2パターンになる。

<わかったこと>
実数係数の3次方程式は少なくとも1つの実数解をもつ。



§3.4次方程式の解のパターン

4次方程式は、3次方程式と違って、実数解をもつとは限らない。
4次関数で、グラフがx軸と交わらないものは、すぐ見つかる。

では、“複素数解”なら必ずもつといえるだろうか?


筆者にはよくわからない(今のところ証明できない)ので、
とりあえず、実数解が存在する場合を考えてみる。

実数解が1個あれば、因数定理より、
1次方程式と3次方程式に分解される。

よって、このとき4次方程式の解は、§2の結果から

 1)4つの実数解
 2)2つの実数解と2つの虚数解

の2パターンが考えられる。

実数解がないときは、

 3)(解があるなら)すべての解が虚数解

ということになる。
実数解がないときに、4次方程式が解をもつことを
今回は証明できてないので「(解があるなら)」付き。
また、虚数解のときはあったとしても何個あるのか今のところ不明。おやしらず

  おやしらず
  まあ、“4次”方程式というくらいだから、4つなんだろうけどネ。

まとめると、
実数係数の4次方程式の解は、あるとすれば、

 1)4つの実数解
 2)2つの実数解と2つの虚数解
 3)すべて虚数解

の3パターンである。
以前の記事『円と放物線が接する/重解』
http://ameblo.jp/accade/entry-11759949499.html
を改訂したものです。
旧版が冗長で却って読みにくい気がしたので、
簡潔を心がけ書き直すことにしました。
メインの問題は同じですが、
旧版が「グラフ上の変化」に重きを置いた説明だったのに対し、
「方程式の解の意味」に重きを置いた説明に変わっています。
同じ記事の修正版というよりは、「似たような」異なる記事になりました。


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今回は、次の問題がテーマです。

問題
と放物線
が接するようなkの値を求めよ。

解答ではなく、

1.接している状況を座標平面に書くと
  どんな感じか。何通りあるか。

2.「接する 判別式=0」なのか。

という2つの観点からこの問題を研究してみましょう。



≪1.について≫

まず、問題文から分かることとして、

 円は中心(0,0)で半径1、
 放物線はkに応じてy=x^2上下に平行移動したもの

であることをおさえておきましょう。

単位円を描いた後に、放物線を上下に動かして考えればいいわけです。


「接している状態」を思いつく限り描いてみます。





さらに、



最後のやつに関して、
「(1,0)(1,0)では接してないから違うんじゃないの?」ペンギン
と思うかもしれませんが、
放物線の頂点(0,-1)で接してるので、「接している」仲間に入れておきます。

  ペンギン
  「違うんじゃないの?」という気持ちはごもっともで、
  たしかに、「内接」や「外接」はしていません。
  最後のやつは内接や外接でない「接する状態」です。


こうして、
証明はしていませんがカメ「接する状態」は以上の3通りだとわかりました。

  カメ
  放物線の頂点で接する場合は、明らかに上図1番目と3番目しかありえない。
  頂点以外で接する場合も・・・たぶん上図2番目しかありえない。



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≪2.について≫

「接する」ことと「判別式=0」との関係を探って行きましょう。

円の方程式と放物線の方程式を連立させます。
を消去して、


この方程式で、判別式D=0として見ると、
より

となります。

kが放物線の頂点のy座標であることから
k=-5/4は、さっき描いたグラフの2番目


の状態であることがわかります。

D=0から1番目と3番目の状態は出てきません。

つまり、
D=0は接している状態の2番目と対応しているが、
1番目3番目とは対応していないのです。

「D=0」⇒「接している」

は言えますが、1番目3番目のように
「接している」からといってD=0とは限らず、
逆は言えないことがわかりました。




では、
D=0から1番目3番目が出て来ない理由はなんなのでしょう?


そもそも、方程式の解は、共有点のy座標を表しているのでした。
もっと正確な言い方をすると、
「共有点のy座標全体のうちの異なるy座標」を表しています。

例えば、3番目の図(k=-1の場合)で見ると、

において、共有点は(-1,0),(1,0),(0,-1)ですが、
それぞれのy座標0、0、-1のうち、異なるものは0、-1であり、
このy=0,-1が、2次方程式(k=-1)の解
になっています。

よって、D=0とは、
「共有点のy座標のうち異なるものが1個」の状態ということになります。

確かに、2番目のグラフは共有点のy座標のうち異なるものは1個です。


しかし、1番目

も見たところ、異なるy座標は1個です。

図よりk=1であることを使って、Dを計算してみると、
 D=5+4k=9>0
となります。

図では解は1個のはずなのに、判別式では2個と出ている…
音はすれども姿は見えずというやつですね。

犯人を捜すためにを解くと、
 (y+2)(y-1)=0 より y=1,-2
です。
y=1は図に現れている接点のy座標ですが、
y=-2の方は・・・-2ということは円の外なので共有点にはならないから、
図に現れるわけがない。

y=-2のときのxを求めると、となり、虚数解です。

y=-2が実数だったからうっかりしていたが、
今は未知数が2つあるから、両方実数ではじめてグラフ上に現れるのです。

よって、1番目の図というのは、

 yについては2つの異なる実数解だが、xについては虚数解

という状態であることがわかりました。



ここまで、知識がそろえば、
3番目の
が方程式的にどういう状態であるかもわかります。

yについては異なる2つの実数解です。

xについても基本的な考え方はyと同じて、
連立方程式からyを消去してできる方程式の解は
共有点のx座標のうち異なるものを表します。

図より、異なるx座標は3つあるので、
xについては異なる3つ!の実数解となります。

ここで、yを消去してできる方程式は

という4次方程式であることに注意しましょう。
4次方程式ですから解が3つあっても大丈夫です。

また、ちょっと考えると、
異なる3つの実数解のうち一つは重解であることがわかります。ウサギ

  ウサギ
  『円と放物線が接する/重解』(旧版)のように2つあった解が一つに重なる様子を
   考えてもいいし、今度書く予定ですが、2次方程式にわけても考えてもいいと思います。
   4次方程式の解の性質を考えることでもわかります。
   http://ameblo.jp/accade/entry-11931585889.html
   ↑方程式の解の個数に関する記事を書きました。ただし、2次方程式に
   わけて考えるのではなく、1次方程式と3次方程式にわけることで、
   実数係数の4次方程式の解は、(重解を重複して数えて、)
   1)4つの実数解 2)2つの実数解と2つの虚数解 3)すべて虚数解
   の3パターンであることを証明しています。
   よって、4次方程式が相異なる3つの実数解をもつときは、
   1)のパターンであり、3つのうち1つは重解ということになります。(2014年9月28日)