祇園の舞妓劇場に資料館ができる | 歴史ニュース総合案内

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 京都の祇園で花街文化を紹介する祇園花街芸術資料館が5月15日に祇園甲部歌舞練場で開館した。こうした資料館は他所にないと称している。

 「つばき団子」の赤提灯を象徴とする井上流の歌舞練場の北側に隣接していた「ギオンコーナー」に資料館機能を持たせた。芸妓や舞妓の着物や帯や簪を展示し、花街文化を概説する。舞妓と合法的に写真撮影できる場を設け、街の規制を懐柔する。改修された大正時代の池泉庭園を周遊し、舞妓が京舞を披露する。

 水曜日のほか芸妓が洗練された舞を披露する4月の「都をどり」や夏の祇園祭、秋の温習会など多客期には閉館となる。つまり、資料館は客を入れてやる一種の稽古場である。

 

 「マイコ」「ゲイシャ」のイメージ源たる京の舞妓だが、実際に就業する女性は減少し続けている。地区の人気が世界に広がっても、もとが花街の風俗ゆえに当の女性から否定される原因になっている。風習では20歳までが舞妓としての修業期間で、成人成長して芸妓(ゲイギ又はゲイコ)になるので、女性進学率の高まりの影響を否応なく受ける。

 舞妓や芸妓を取り囲む醜悪行為や風紀紊乱に抗して、南北方向への市道の花見小路通の小さな脇道に入らぬよう、これまでの表現を強めて罰金付きの警告の高札が現れるようになった。禁止看板が多いのが日本の特徴である。