豊臣秀長兄弟が大河ドラマに | 歴史ニュース総合案内

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 NHKは3月12日、2026年の大河ドラマを「豊臣兄弟!」にすると発表した。豊臣秀吉(木下藤吉郎ほか)の弟である豊臣秀長(1540~91)を主役に据え、太閤の秀吉が家族と協調して天下をとったことを示す。

 3つ上の兄の補佐役となり、その死を境に秀吉が暴君化したと語られる秀長(小一郎)は、秀吉と父母(弥右衛門と仲)を同じくする弟である。故郷の中村で農民を続けていたが、兄の藤吉郎が織田信長に仕官して地位を得るのに成功すると、弟として自分の家臣になるよう求められ、仕官することに。以降、兄の立身出世に連動して出世し、様々な戦役に加わった。

 戦争も指揮するようになり、秀吉の但馬攻めを合同で担当し、出石城の城代に。兄が本能寺の変から実権を確立すると、天下取りで四国攻めの総大将となり、阿波の一宮城で長宗我部元親を屈服させ、紀伊、和泉、大和の三国を担当した。大和郡山城が最も著名な拠点である。

 

 大河ドラマでは、堺屋太一の小説を原作とする1996年の「秀吉」の範囲とほぼ重複する。固有名はあっても、秀吉の陰で補佐している役回りが基本で影が薄い秀長(堺屋は氏の小説も執筆)を、脚本家の八津弘幸がどう特徴ある人物に造形するかが見物である。