ラテン語さんがラテン語を語る | 歴史ニュース総合案内

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 ラテン語の魅力を筆名・ラテン語さんが『世界はラテン語でできている』をSB新書から1月7日に刊行し、3月までに5刷に達する話題書となっている。ツイッターやノートで想像よりも広く使われているラテン語の世界を伝えている。

 全国通訳案内士の資格を持つも、ラテン語さんはまだ若いので、マルティン・ルターの「95か条の論題」とかを論じても、類書『教養としてのラテン語の授業』を刊行した韓国人神父教授のラテン語随筆のように人生訓を垂れる訳にはいかない。それでも、ローマ帝国の歴史紹介とそれを支えるラテン語の世界を中心に綴った。カルペ・ディエム(今を楽しめ)などの定型句から、日常生活で見受けられるラテン語の優雅さなどを紹介していく。生物の学名や漫画に溢れるラテン語の世界は広く、韓国人のものより歴史と雑学に寄せており、親しみやすいだろう。

 

 新興ブログのノートでは、書籍の基になった一部エッセーも公開。ディズニーワールドの看板などには想像以上にラテン語を下敷きにした表現が溢れていると、ディズニーマニアの視点で紹介したりしている。「神の試練」は試練の通りで正しく、乗り越えられぬ試練を神は与えないという。西洋人にとってラテン語は真のエリートたるために学ばされる非実学の象徴なので、ラテン語はまだまだ溢れ続ける。