マヤ最古の暦記録 | 歴史ニュース総合案内

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 マヤ文明最古のとみられる断片がグアテマラで出土し、成果が4月13日付で米誌サイエンス・アドヴァンシズに掲載された。マヤのツォルキン暦で1日を表す「鹿の7」の石辺2つだ。

 米テキサス大学のデヴィッド・スチュアート教授らは、北部ペテン県のサン・バルトロ遺跡を探査し、壁画の一部だったのだろう石片を発見。遺跡の象徴である高さ約30mのピラミッド遺構内部で見つかった石片を同じ地層の木炭の放射性炭素を年代測定し、前300~200年頃と判断した。これまで最古とされてきた前1世紀の事例より100年以上古い。石辺には鹿のような動物が描かれているが、後期には鹿を文字で表現されるようになるため、初期の暦の事例ともなる。

 

 現在でも使用されるマヤのツォルキン暦(後世の名称)では、特有の名前をつけた20の日を13回繰り返し、260日で1年とする。7の日が鹿の日とするなら、6は死の日、8はウサギの日である。365日を測る時は、20日を固有名を持つ18の月に不吉なる無名の5日を加えて1年とした。この2つの暦を組み合わすと、1万8980日(52年)で一巡する。