177年前からの新種スイレン――キュー植物園 | 歴史ニュース総合案内

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 英ロンドンのキュー王立植物園は7月4日、1845年に現在のボリビアで採取された巨大スイレンの標本がオオオニバス属の新種だったと発表した。野生で葉の直径が3mになる世界最大種という。

 キュー植物園のカルロス・マグダレーナ研究員はボリビアのサンタクルス・デ・ラ・シエラとラ・リンコナダ植物園の種子コレクションを調査。外観だけでなくDNA分析も施し、パラグアイオニバスでもただのオオオニバスでもない第三の種「ヴィクトリア・ボリビアーナ」と結論し、キュー植物園が数年間他のオオオニバスと区別せずに栽培してきたことが判明。キュー植物園にある177年前の標本もまた新種と結論した。

 人が乗っても沈まない葉のオオオニバスは1年草である。オオオニバスはブラジルのアマゾン河から1852年に持ち込まれた種が学名上の代表種(ヴィクトリア・アマゾニカ)となっている。チチカカ湖に生えている巨大な睡蓮として登場するこのオオオニバスは、白から桃色に変わる花を咲かせる。