地図の博物館が新装 | 歴史ニュース総合案内

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 地図会社のゼンリンが所蔵する古今の地図を集めた「ゼンリンミュージアム」が福岡県北九州市の小倉城近辺で6月6日に開館した。前身の「ゼンリン地図の資料館」から展示面積と公開点数を大きく広げた。

 北九州市の戸畑に本社を置くゼンリンのメセナ事業。リバーウォーク北九州デコシティの14階で新装した同館の主な展示内容は日本地図の歴史。黄金の国ジパングのイメージを与えた西洋人のリンスホーテンパウルス・メールラらの世界地図、伊能図より前の日本地図として使われたイグナシオ・モレイラやケンペル、アドリアン・レーラントらの日本図をはじめとする「世界の中の日本」、シーボルト事件で流出した伊能忠敬の地図に基づく西洋製の日本図を紹介する「伊能図の出現と近代日本」、都市の姿を扱う「名所図会・観光案内図・鳥瞰図の世界」の3部で常設展を構成する。

 

 昭文社と並ぶ地図会社のゼンリンは1948年に創業。道路マップを提供するのは出版社でもある昭文社だが、地図そのものがネット検索できる時代になって停滞。ゼンリンはカーナビへの地図データ提供で優位に立っている。2003年にできた前身の資料館を含め、本業と関連しているところが好ましい。