人気セラピスト
そのお店を発見したのはまたしてもネット検索だった
が、有名なエステサイトにも載っているお店なのだ。
あれは一昨年の猛暑の最中だった。 8月のその日差
しは暑く強く、熱中症も多く発生し誰もが涼を取るのに
必死だった。
例によっていかに安く、そして満足させてくれるかを
テーマにそのお店の突撃を決意したのだが、セラピス
トのページに行くといつも 『当店人気ナンバー1、お勧
めです』 と出てくるAさん以外がいいな。と思っていた。
しかしその日も余りにも暑すぎたのでごく一般的なファ
ミレスで朝から生ビールを飲む。
「お客様、お車ではありませんか」
この頃にはお酒を提供する店では当たり前のように
訊かれるようになっていた。
「電車で来ましたから」
相変わらず余計なことを言ってしまう。
3杯ほど飲んで営業開始の11時に電話を入れる。
女性の受け付けで、僕は12時位に到着出来る旨を伝
えると、「もう少し早く来れますか」 「急いでみます」 。
ファミレスの支払いを済ませてそそくさと電車に乗り
指定された駅の降り口からまた電話を入れる。 がし
かし暑いのに大分歩くようだ。 せっかく飲んだビール
が汗になってしまう。 到着した場所は僕に言わせると
超高級マンションでその威容に圧倒されてしまった。
でも酔っているから大丈夫。 マンションの下から再び
電話を掛け、部屋番号を押してオートロックを解除して
もらい、エレベーターで目的の部屋へ。
「いらっしゃいませ」
「!」
僕は見た瞬間に人気ナンバー1のセラピストさんだと
分かった。 【違う人がよかったのに】 でも進むしか
ない。 身長170cmはあろうか、スレンダーで長い髪
と和風な顔立ちが印象的なセラピストさんだった。
つづく