ひき続き安保徹先生の
「40歳からの免疫力がつく生き方」からです




私たちは食べることによってエネルギーの素を得て
呼吸によって取り入れた酸素で食べたものを燃やしてエネルギーを得ています

ただこの体内の燃焼というのは酵素反応で37度から39度ぐらいの温度で起こっているのです

さらに酸素を使わないでエネルギーを得る生体反応の系統が私たちの中にはあるのです


それは食べ物から取り入れた糖を酸素なしで分解してエネルギーを得るもので
これを解糖系と呼んでいます

例えば陸上の短距離の選手はほとんど無呼吸で200㍍を走ります
この時に使われる瞬発力の必要な筋肉は解糖系の細胞なのです


反対にマラソンなどの持久力を必要とする活動は有酸素運動です
こちらはミトコンドリのエネルギー産生系です


では何故人間は生きるエネルギーとして2系統の産生系を持っているのでしょうか


それは人類誕生の秘密と関わってくるのです



私たちの先祖細胞はこの地球上に38億年前に誕生しました


そして20億年前までは私たちの祖先に当たる生命体には解糖系しかありませんでした

この頃までは地球上にはまだ酸素は存在していなかったのです
だから瞬発力と分裂の解糖系だけがすべてだったのです

そこにシアノバクテリアが進化して繁栄しました
シアノバクテリアは太陽エネルギーを使って光合成をすることができたのです
光合成は炭酸ガスからデンプンを作るのですがその時に酸素を出します

光合成細菌が進化することによって海や大気に酸素が現れてきたのです

この頃の地表は鉄、アルミニウム、シリカなどでできていましたが酸素の出現で酸化が始まり地上は赤茶けてきました

それまで酸素なしで生きてきた生命体は新しい環境の中で酸素の害に悩まされました
酸化することで錆びてしまうのです

その一方で酸素の好きな生命体が進化を始めていました
ミトコンドリア生命体です


そしてある時
私たちの先祖に当たる解糖系だけの生命体に酸素の好きな生命体が寄生したのです

この二つの生命体は8億年の年月をかけて一つの生命体として安定したのです

いまから12億年前
ようやく原核細胞からしっかりした真核細胞が生まれたのです

これでミトコンドリアによって安定したエネルギーを得て
また核によってその生命体固有の大事な情報を守ることができるようになったのです


エネルギーの産生は二本立てになり
そのはるかな真核生命体の末裔が私たちなのです





とても不思議な話ですね

私たち人間は38億歳なのです

38億年の気の遠くなるような進化を経験して得た私たちの体は
いろいろな病気を自ら治す偉大な力を持っているのです

自分たちの眠っている不思議な力を呼び覚まして
健康を取り戻したいものです。






最近 免疫学者の安保徹さんという方の
「40歳からの免疫力がつく生き方」
という本を読んでいます

この方は人間の免疫システムについて研究されている方で
がんも膠原病もアトピーも潰瘍性大腸炎も
そのほか生活習慣病と呼ばれているあらゆる慢性病も
もともとそなわっている免疫力を高めることで治せると言っています


「からだは間違いを犯さない。だけど私たち人間は間違った生き方を選ぶ」


例えば風邪を例にとって免疫システムを考えてみると
その時体の中で何が起こっているのでしょう?

私達は自覚できる症状が出た時に風邪にかかったと言ってますが 実はその数日前にウイルスに感染しています

ウイルスと闘うのはリンパ球ですが普段リンパ球はほとんど核しかない小さな姿で休眠しています

マクロファージから抗原が侵入したという連絡を受けるとリンパ球は目を覚まして細胞分裂をくり返します
この分裂の過程で細胞内器官を発達させ大リンパ球になります
大リンパ球は休眠リンパ球の1000倍に増え闘う準備が完了します
ここまでにかかる日数が潜伏期間です

リンパ球とウイルスの闘いが始まるとポタポタと鼻水がたれてきます
これはリンパ球が闘っていることを示す炎症です

次に起こる発熱はリンパ球が働きやすい環境を作っているからです

リンパ球がウイルスを退治しその役割を終えると
顆粒球が優位となって雑菌の後始末をします

やがて水っぽい鼻水は収まり黄色の粘度の強い鼻水に変化します

この濃い鼻水は顆粒球が闘って処理した雑菌の死骸です
この頃には熱が収まっています

発病が起こるのは感染初期に出勤したリンパ球が闘っているときだからです

病というものは免疫系のシステムによってやがて癒えるのです
発熱 喉の痛み 患部が熱いのも悪い事ではありません

免疫システムが正常に働いている証なのです

しかし私達は鼻水が垂たり発熱するとれいう治癒の過程が進むことを嫌なことと感じてしまいます

病というものは免疫系のシステムによってやがて癒えるのです


ただしこれはリンパ球系が正常域である人の場合です

おとなの場合 白血球分画でリンパ球が30~45%を占めている時が正常域です


だから健康になりたいと思うのであれば免疫力を高めることが必要です

リンパ球をこの範囲内に保つことが重要なのです



とても考えさせられる本です

現代医学はレベルアップしているといわれますが
病気の原因を明らかにし根本から治してくれる医者はいません
ほとんどの医者は症状を抑える薬をくれるだけで
「これでも症状が良くならなかったらまた来てください」
と言うだけです


自分の健康は自分で守らなくてはならないと思う今日この頃です。






まだ携帯電話も無かった頃
夜の東京の地下鉄で突然停電事故が起こった
車両内は真っ暗になり
仕事帰りの人々の悲鳴と怒鳴り声で車内はパニックになった
しばらくの後
一人の青年がポケットにたまたま入っていた油性マジックとマッチを取り出し
マジックの芯に火をともした
その明かりによって人々は冷静さを取り戻したのだった

その簡易ランプが安全か危険かどうかよりも
人々は青年のとっさの機転の素晴らしさに拍手を送ったのだった


この話を聞いた時
僕は少年時代の古い友達の事を思い出した
小学5年生の夏の終わりに彼は僕の学校に転校してきた

彼は頭のいい子だったがいわゆる優等生ではなく
学校の授業には全く興味のない子だった
例えば理科の授業で先生に
「宇宙の銀河の果てには何があるんですか?」
と質問して困らせたり

社会の授業で
「マヤ文明はなぜ滅びたのですか?」
などと質問したりしていたのだった

放課後は校庭の隅でよく一人で遊んでいた
でも孤独ではなく
誰かに話しかけられると笑顔で話し込んでいるのを何度も見かけた
僕が話しかけた時も彼はにっこり笑って
「いま蝶道を調べているんだ。分かってきたよ」
と言った

「蝶道って何?」
「蝶が必ず通る道があるんだ。蝶は毎日その蝶道を飛ぶんだ。だからそこで待っていれば捕まえる事も簡単さ」
「凄いね!君って頭いいんだね」

そういうと彼は珍しく照れくさそうに笑った

6年の秋になる頃には僕達は友達になっていた

ある日
校庭の裏で彼は奇妙な事を言った

「人間ってね みんな知らないけど すごい力を持っているんだよ」
「どんな?」
「簡単に過去や未来に行けるんだよ」
「そんなのできっこないよ」
「簡単さ こうやるんだよ」
と言って彼は片足で立ってバレリーナのようにクルクルと回りだした

僕が呆気にとられていると
「いいかい 右に回ると未来に行けるんだ。左に回ると過去に行けるんだ」
「でも君 回ってるだけだよ」
「君は過去に回っている僕の残像を見てるだけなんだ」
「なんか説得力ないよ 分かりやすく証明してよ」
「分かった 何か困っている事ないかい?」
「昨日 財布を無くしてしまったんだ探したけど見当たらないんだよ」
「よし分かった 明日の放課後にここにきてよ」

次の日の放課後
彼は校庭の裏で待っていた
「はいこれ」
それは確かに僕の財布だった

「どこにあったの?」
「3日前の君に聞いてきたんだ」
「でも…僕は3日前には君に会ってないよ」
「僕が過去に戻ったから違う過去になったんだ。時間は螺旋階段のようになってるんだ」
「僕には難しくてよくわからないよ」
「今度 未来に行ってくるよ。また明日会おう」

次の日に会うと彼はとても興奮していた
「未来は凄いんだ みんなが幸せに暮らしている。争いごともなくみんなが平和なんだ。僕はもっと未来に行ってくるよ」
その次に会うと彼はひどく落ち込んでいた

「どうしたの?」
「僕はできる限りの力でうんと遠い未来に行ってきたんだ。でもそこには何も無かったんだ。人間も植物も何も無かった…。人間は地球をどうしてしまったんだ…」
「分からないよ僕には…でも君は未来に行く時 何故次の日に戻るの?今に帰ってくればいいじゃない」
「それはね 同じ時間、同じ空間に、同じ人間は存在できないんだ。僕は二人存在できないから時間をずらすんだ」

僕には訳が分からなくなってきた
「う~ん じゃあもっと過去に行ってみれば 違う発見があるかもされないよ」

彼は はっと何かを思いついたように顔をあげた
「そうだね。君はいい事をいうね。僕はいまからうんと過去に行ってくるよ。また君に報告するから待っていてくれよ」
そう嬉しそうに言うと校舎の裏に走って行った

僕は何だか不安な気持ちになり
少し遅れて彼の後を追った

しかし
校舎の裏側には誰もいなくて
人間ぐらいの大きさのつむじ風が
プラタナスの落ち葉を集めて
クルクルといつまでも回っているだけだった

あれ以来
二度と彼を見る事は無かった

不思議な事に
それ以来
先生も彼の事は一言も口にする事はなかった

彼は本当に存在していたのか
いまとなっては
長い夢を見ていたような不思議な気持ちになるのだ…。