なかなかにハードな2週間を過ごしました。よく耐えました私ですこんにちは。
そんな今日のハッピー。
ムーミンビスケットに、レアご先祖さま(左下)入ってた〜😊
心がげっそり痩せてしまったので、カロリー摂取です。生きるんだ!ムシャリ
さて、ちんたら書いおります古代エジプト展:天地創造の神話@富士美のメモ、その3です。
今日は「死者の書」についてなど。今回でラストにしたいので、長文ねじ込み読み苦しいです。
冥界のガイドブック「死者の書」
《タレメチュエンバステトの『死者の書』》プトレマイオス時代初期, 前332-前246頃
「死者の書」は、死後に必要なあらゆる知識が呪文と挿絵で記されたパピルス文書。
こちらは、タレメチュエンバステトという女性のものだそう。
垂れ目ちゃんバステト?(違う
復活を望みミイラとなった死者は、数々の試練が待ち受ける冥界の旅へ出ることとなる。
その旅路の安全や来世の生活のために、「死者の書」をはじめ様々な副葬品が用意された。
「ウジャド(ホルス)の眼」や「ハートスカラベ(復活の呪文入り)」など数々の護符、来世で使う日用品や、死者のために働く身代わり人形シャブティ等々。
ハートスカラベ例。これまた驚愕のデザイン。
《人間の頭がついたハート・スカラベ》新国王時代, 前1550-前1070頃
こうしたミイラ安心セットを納めた棺は、ナイル川西岸にある墓に運ばれ、「開口の儀式」という、死後も死者が五感を使えるようにする重要な儀式が行われたのち、埋葬される。
↓「死者の書」より、審判の場面。
「死者の書」にある呪文を唱えながら危険な道のりを経た死者は、ミイラ作りの神アヌビスに「2つのマアトの広間」に導かれ、審判を受ける。
まずは42柱の神々の前で、生前の行いについて42の無実を誓う。(この時点で無理ゲー
それをクリアすると、死者の心臓は「真実の羽根」と天秤にかけられる。
真理を司る女神マアトの羽根
Image Credit:WIkimedia Commons *展示外
古代エジプト人は、「人は心臓で思考をし、罪を犯せば心臓が重くなる」と考えていたので、天秤が釣り合わなかった場合は、罪人であるとみなされた。
その心臓は怪物アメミトに食べられ、永遠に復活はできないと信じられた。
「君の心臓をたべたい」
こうしてオシリスの審判を乗り越えた死者は、楽園「イアル(アアル)の野」に向かうことを許される。
エジプトと変わらない風景のそこで、生前と変わらない暮らしをして、呪文を唱えれば日中はバー(魂)に変身して現世に戻れると信じられた。
バーが乗ってるトトメス像。可愛い
《棺台の上のトトメスの小像》新国王時代・第18王朝,アメンへテプ3世治世, 前1388-前1351頃
バーは、古代エジプト人が考える「人間の霊魂の5要素」のひとつであり、ほかにイブ(心臓)、シュト(影)、レン(名前)、そしてカー(精神)からなるとされた。
そして死者は楽園にて、バーとカーが合体したバカもとい「アク」となり、永遠に生きられると考えた。*1
↓その他の部分拡大
足の生えた蛇神サ・タや、ホルスの目?に翼と足が生えたヘンテコもいる。
エジプト神話の「世界の終わり」
エジプト神話では、いつの日か創造神アトゥムがこの世の全てを消し去り、再び原初の海ヌンだけが横たわる暗闇に戻る…と伝えられた。
そして、唯一生き残ったアトゥムと冥界の神オシリスが世界を再生する。
かつて世界の始まりがそうだったように、ヌンから再びアトゥムが出現し世界を1から造り上げ、オシリスが秩序ある確かな世界に再生させるという…
古代エジプト人は、人の命や太陽だけでなく、この世界そのものにも「死と再生」があると考えたのですね。
▲▲▲
以下、私のとんちんかんタイムです🙃
ところで、この「世界の終わり」に死者の楽園は含まれますか?バナナはおやつに含まれますか?
含まれるとしたら、いつか終わりが来るわけで、それは“永遠に暮らせる”とは言えないですよね。頑張ってミイラ作ったのに!
てことは、やはり滅びるのは「現世」のみで、冥界/楽園は永遠なのでしょうか。
あらゆる存在の起源であるヌンから生まれ、世界を始めた創造神アトゥムは、世界そのものであり、その死は世界の破壊であるのですよね。
でも冥界は別次元か何かで、ノーダメってこと?では冥界の起源は?冥界はいつどうやってできたの?*2
仮に別次元として、オシリス以外の冥界にいる神々はどうして生き残れないの?
いや同次元だけど、むしろオシリスは既に死んでるからこれ以上死ねないってこと?
ていうか神々さえ消されるのに、楽園に行った人間はセーフなの?…あれか!オシリスを信ずる者はみなオシリスになれるってやつだからか?!え、オシリス多過ぎない?
ううむ、私はまたトンチンカンな疑問をしている?…おしえて古代エジプト人!
おまけ
その他、興味深かったものをねじこみまして、ごきげんよう。
これ欲しい。へんてこ!
《デモティックが記された香炉》プトレマイオス時代, 前323-前30頃
欲しいその2。ステキな鏡
《ハトホル女神の象徴のある柄鏡》新国王時代・第18王朝, 前1550-前1292頃
これ面白い!カーメス王の石碑。
《樹木の女神を描いたカーメスのステラ(石碑)》新王国時代・第19王朝, 前1292-前1186頃
木の中から、人がニョキッと出てきてる!
この人は樹木の女神で、シコモアの木から果物と水を差し出しているところ。
↓全体図
保護や思いやりと関連し、来世でも死者を保護する豊かな自然を擬人化したものとのこと。
以上でございます。もいもい
参考:古代エジプト人の魂/Wikipedia, アトゥム/無限空間, 古代エジプト解剖図鑑(近藤二郎著)
*1:ちなみに、もともと死者は「現世によみがえる」と信じられてきたが、何百年経っても誰も帰ってきてないことに気づき始めて「楽園で来世を永遠に生きれる説」になっていった、という話をどこかで読んだ気がするんだけど真偽不明、ソース見つかったら追記したい。
*2:Wikipediaによると、ドゥアトについては統一された解釈というものがまったく無かったようであるけど…要検索。
図説エジプトの「死者の書」 新装版/村治笙子/片岸直美/仁田三夫