地震や津波など大規模な自然災害が相次ぐインドネシアで、みずからはがんと闘いながら被災地の人々の命を救おうと情報発信に努めてきた防災当局の広報官が7日亡くなり、多くの人たちからその死を悼む声が寄せられています。
亡くなったのはインドネシア国家防災庁のストポ・プルウォ・ヌグロホ広報官です。7日未明、療養先の中国の病院で息を引き取ったということです。49歳でした。
ストポ氏はインドネシアで相次ぐ地震や津波、火山の噴火などにともなう防災情報の発信を2010年から担ってきました。
記者会見で報道機関に情報を伝えるだけでなく、ツイッターなどのSNSも積極的に活用して、どこにどんな危険があるのか、救助や物資の支援はどこまで届いているのかといった情報を刻一刻と変化する現場の状況に応じて次々と更新し、被災地の人々に直接届ける努力を続けてきました。
不安や混乱をあおるウソの情報が拡散するのを防ぐことにも力を注ぎ、海外のメディアからもその活動ぶりが注目されていました。
ストポ氏は去年1月にステージ4の肺がんと診断され医師からは長くて3年の命だと告げられましたがその後も広報官の仕事を続け、容体が悪い時には病床から情報を発信することもありました。
先月中旬に情報の更新が止まったストポ氏のツイッターには多くの人たちからこれまでの活動に感謝するとともにその死を悼むメッセージが次々と寄せられています。