『吹田事件控訴審最終弁論要旨』(朝鮮研究-195) | 安部南牛 | 朝鮮文化資料室

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表紙に日付が付いている。1967年11月20日~29日。

刊行者は吹田事件弁護団。この部厚い「弁論要旨」は多くの朝鮮人が吹田操車場の示威行動に参加したのは、、、、延々と大日本帝国の朝鮮統治政策批判から解き明かして説明している。贖罪史観に基く、国際共産主義運動を善、アメリカ帝国主義を悪とする論理で貫いての弁護である。そして松本清張の黒い霧と重なる表現に突き当たる。

吹田操車場にて示威行動に参加した金時鐘を描く一級資料であるだけでなく、松本清張の作品分析に欠かせない資料にもなっている。