「孤立のロ朝」(菊池嘉晃研究-13) | 安部南牛 | 朝鮮文化資料室

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19日の『朝日新聞』紙の1面を受けて3面の解説の見出しである。

「帰国事業」最大の課題はソ連と北朝鮮の軍事技術上での提携促進があった。この事の証明者に佐藤勝巳がいる。『北朝鮮帰国事業の研究』の索引欄に佐藤勝巳の名前が出てこない。もちろんだが萩原遼も出て来ない。そういう点で、この著作は大きな穴を作っている。

佐藤勝巳が在日と狸穴の関係者の会合に詳しかった背景を問うべきであった。萩原遼が平壌で動き回って北朝鮮当局から警戒された背景も深堀すべきであった。

1992年、在日の協力でロ朝合営機械工場が平壌近郊に建設された背景も、帰国事業との関りで調査すべきであった。その動きに一番敏感に嗅ぎまわっていた佐藤勝巳に取材して置くべきであった。不思議とそういう時代の場面に佐藤勝巳が登場する。