田中森一『反転』(推薦図書-102) | 安部南牛 | 朝鮮文化資料室

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「闇社会の守護神と呼ばれて」という副題である。

伝説の特捜エースは、なぜ「裏」世界の弁護人に転向したか。

南牛の購入本は2007年7月6日の3刷りである。初刷りが6月25日なので、猛烈な勢いで売れたのであろうか。

面白い。

ただし東日本育ちの方には判らない言葉のニュアンスがある。ヤクザとのやり取りはリアルだ。が、その場で息遣いは西日本の人、取り分け瀬戸内海文化圏、石門心学の教え、褒め殺しの風土を背景にする人々に理解される。

田中森一の検事を辞めた芯の処は、やはりこの人は石門心学の人だったのだ、と納得させられた。東京の、朱子学に俄プロテスタンティズムの融合の特捜部と会わなかったのだ。その朱子学と俄プロテスタンティズムの融合した正義を受け入れなくって田中森一は検事を辞めたのだ。

兎に角、瀬戸内海文化圏育ちの南牛には面白かった。

ヤクザの定義は田中森一さん、間違っておりましたが、面白かった。