茂山(評伝・鹿島守之助-5) | 安部南牛 | 朝鮮文化資料室

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三菱鉱業の茂山鉱山製錬所は昭和15年に竣工している。それは未だに動いている。支那の製鉄業に原料供給している。あそこの鉄鉱石は貧鉱だと言われるが、磁力選鉱の技術の発展で今は富鉱とも言われる。ただし北朝鮮には咸鏡北道の貧鉱を富鉱にする技術はない。金正日はそれを考えて小泉訪朝から拉致被害者の返還を行ったが、それは佐藤勝巳の舌鋒で裏目に出た。

一般的に佐藤勝巳は日朝交渉をぶち壊した社会運動家だが、裏で財界人の意向を受けて佳図線開発から羅津港の拡大計画に関わっていた、と見られている。

裏表のある佐藤勝巳のことはさておいて、昭和20年8月15日迄の工事受注額で鹿島組は、大林組、清水組、竹中工務店に次ぐ4位であった。朝鮮では華川ダム、国内では松代大本営が昭和20年竣工である。

住友軽金属元山工場、朝鮮人造石油阿吾地工場、朝鮮電業馬山硝子工場、東海電極鎮南浦工場、北青鉱山工場並びに社宅、三井油脂化学三陟工業所、三菱製鋼平壌工場など朝鮮での工事は多岐多数にわたる。

これらの内、幾つかは、多分ほとんどが建設途中ではなかったか>