小牧輝夫編『朝鮮半島』(朝鮮研究-139) | 安部南牛 | 朝鮮文化資料室

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副題が「開放化する東アジアと南北対話」である。古書店のゾッキ棚で100円で購入している。購入したのは2000年代に入ってからだ。この本は昭和61年、1986年に刊行されている。刊行直後というか、80年代に購入して置けば大きな失敗をしなかった。大きな失敗とは、一つは小牧輝夫を北朝鮮を知らない、などと評して佐藤勝巳と大喧嘩する事も無かった。1991年だったか、『現代コリア』誌に掲載された小牧輝夫の論文を酷評して、「何も知らない癖に」と佐藤勝巳に面罵を浴びて、その後二度と佐藤勝巳とは口を利かなかった。小泉第一次訪朝のあと、佐藤勝巳から協力を求められたとき、憤然と蹴っている。10年経っても佐藤勝巳に対して怒りは収まっていなかった。むろん、その間、南牛はスパイだと関係筋に漏らされて迷惑を被ってはいた。

二つ目は、NK会の花房征夫代表幹事が「朝鮮半島の資源と工業」について寄稿している事である。その事を知らずに田中喜代彦と組んで北朝鮮の資源と工業について90年代から顔を突っ込んだ事である。その報復をされる、何で二度も花房征夫代表幹事にうっちゃりを喰らう事になったのか、漸く気付いた。先に南牛が花房征夫代表幹事の縄張りに嘴を入れたのだ。田中喜代彦から2000年代に入って、「俺を取るか、花房を取るか」と迫れる事も無かったのだ。花房征夫代表幹事には90年代を通して近付いたのは大失敗であった。敬して遠ざかる人であった。

昨日、東京で一人講演したが、多くの北朝鮮問題家は「共産主義」が判っていない。正しくは「金日成思想」だが。「資源と工業」で言えば、金日成思想とは資源開発は日本の手で、工業は日本から、である。日本抜きの金日成思想は成り立たないのだ。